【ストレス解消の名言集】フランス人に学ぶ「何もしない自由」の素晴らしさ
「バカンス」はフランス語で、その意味を簡単に言うと「長期休暇」のことです。フランスの法律では、5週間までの連続休暇が取得可能となっています。そんなフランスでは、夏季には会社経営者から労働者まで、数週間のバカンスを思い思いの過ごし方で楽しむのです。
つまり、フランス人にとってのバカンスは「人間が元気に生きていくために必要なもの」なのです。
一方で、過労死が当たり前になってしまっている日本。「Karoshi」と英語にもなっているように、日本人は長時間の残業や休みなしの勤務を強いられています。その結果、精神的・肉体的負担で突然死したりするのです。
そんな日本人にとって、真のバカンスというものは存在せず、せっかくのお休みを取って旅行に出かけたとしても、有名な観光地巡りや買い物でバタバタを歩きまわってさらに疲れるだけ。。。
そう、多くの日本人に「バカンス」は存在しないのです。
「バカンス」のもともとの意味は「空っぽ」。英語ならvacantです。これは、金持ちがすることもなくただボーッとしていることの形容だったのです。
フランス人にとって「仕事 = 足かせ」
ある文学作品において、「バカンス」の頃のパリやローマは “dead season” と表現されています。これは、多くのお店がお休みで街が閑散としていることを意味します。歩道には風に転がる空き缶の音が空虚に響くばかり…の風情です。
年に5週間もの有給休暇があって、週に35時間の労働。。。このように、フランス人は「1カ月のバカンスのために11カ月を働く」と言われています。
日本で「とらばーゆ」と言えば「女性が転職すること」の代名詞ですが、トラバーユ(travail)は「仕事」を意味するフランス語なのです。その語源は「足かせ」。。。
ローマ人が、ガリア征服の際に捕虜につけた内側にトゲがある拷問具を兼ねた足環のことなのです。
フランス人は、仕事の本質をトラバーユと考えています。100人中99人が、仕事や労働は「生きるために否応なく強制されている痛苦」と認識しているのです。
そんなわけで、日本のように「組織のための自己犠牲が美徳」とされる伝統なんて全くあり得ないのです。「勤労意欲」とか「仕事が生き甲斐」などといったことはフランス人には信じられないことなのです。
フランス人は観光や帰省のために飛び回ったりはしない
もちろん、フランス人の中にも「3度の飯より仕事が好き!」という人たちもいます。「カードル」と呼ばれるエリート層の人たちは、それこそ給料3倍で馬車馬3頭分…とモーレツに働いているようです。
そういった人たちのおかげばかりではなく、一般のフランス人勤労者をひっくるめても、フランスは労働生産性の国際比較でトップのアメリカに次ぐ高水準なのです。
就業時間内に効率よく働き、オンとオフを明確に切り替えているわけです。そんな生活習慣もあってか、フランス人の「バカンス」は本来の意味通り「空っぽ」であり、日本人のように観光名所や各地のお祭り見物に飛び回ったり、帰省して旧知と遊び歩いたりする、気忙しいものではありません。
どこか1箇所に滞在し、ゆったりと「何もしない自由」に浸っているのです。
「何もしない自由」は大事です
学生時代を振り返ってみると、夏休みにはどっさりと宿題を課されていましたね。けれど、「◯◯に受かるため、夏休みこそ勉強しろ!」と叱咤激励する先生よりも、「夏休みは好きなことに没頭し、頭を空っぽにして秋に備えよう」と言ってくれた先生の方が人間的に素敵だと思いませんか?
事実、長期休暇 (空っぽのバカンス) は精神や肉体をリフレッシュさせてくれる効果が高いですし、ただでさえセカセカしている島国の心情を根底からリセットしてくれるのではないでしょうか。
そういったことを考えると、日本人にとっても真のバカンスは大事なものであり必要不可欠なものなのです。
「何をしてもいい自由」より、「何もしない自由」の方が個性を磨くには必要だと思うのです。
人間として成長するために
すべての形あるものの本質は「空」であり、世に存在するすべての事物は「空」なのです。事物とは、因と縁によってのみ存在しているのであり、あくまで仮象。永劫不変の実体というものは存在し得ないのです。
最後にいきなり哲学的なことを申しましたが、要は人生は「人格の陶冶」「人間としての成長」「教養の深化」にこそ意味があると思うのです。
それは会社や組織の奴隷になることではなく、家族との時間を楽しみ、家事や子育てを通してパートナーと過ごす機会を増やしたりすること。本来はそういったライフスタイルこそが、豊かで成熟した人間を作り上げることにつながるのではないでしょうか。
仕事は、当然イヤイヤするのは良くありませんが、ここは発想を変え、「1ヶ月のバカンスのために11ヶ月働いているんだ」の気持ちでオンとオフをうまく切り替えられる人になってみてはいかがでしょうか。
ただし、現実的に考えて外資系企業で働いていたりフリーランスとして働いていない限り、5週間連続のバカンスは無理なので、週一のお休みを「空」にする習慣を身につけましょう。
そこで、「何もしない自由」を手にいれるのです。
「自由」の名言集 ☆
🔵 人間を自由にできるのは理性だけ。人間の生活は、理性を失えば失うほどますます不自由になる (トルストイ)
🔴 人間の自由を奪うのは、悪法よりも暴君よりも、実に社会の習慣である (J・S・ミル)
🔵 完全な自由というものは、生きていても生きていなくても全く同じになった時、初めて得られるものなんです (フョードル・ドストエフスキー)
🔴 自由は山嶺の空気に似ている。どちらも、弱い者には耐えることができない (芥川龍之介)
🔵 全くの自由は、必然的に頽廃 (たいはい) を意味する (ハーバード・リード)
🔴 人間は生まれた時は自由である。しかるに、人間はいたるところで鉄鎖に繋がれている (ジャン = ジャック・ルソー)
🔵 間違いを犯す自由が含まれていないのであれば、自由は持つに値しない (ガンジー)
🔴 賢者のみが自由人にして、卑劣なる人間は奴隷なり (ディオゲネス)
🔵 自由であろうと望んだ瞬間に、人は自由となる (ヴォルテール)
🔴 自由が欲しい時は他人に頼んじゃいけないんだよ。君が自由だと思えばもう君は自由なんだ。 (リチャード・バック)
🔵 荒々しい自由の海には波がつきものだ (トーマス・ジェファーソン)
🔴 あらかじめ死を考えておくことは、自由を考えることである (モンテーニュ)
🔵 自由とは、自由であるべく不自由になること (サルトル)
🔴 大切なのは、自分のしたいことを自分で知ってることだよ (スナフキン by 「ムーミン」)
まずは瞑想で、心を「無」にし「時間」を感じてみてはいかがでしょうか😃