認知症には薬と生活療法!信頼できる医師と巡り会えたら幸せ

 
アルツハイマー型認知症の原因とされるアミロイド沈着が始まるのは30代からと言われています。ですので、現代医学の分野では、この段階での進行を抑制させる薬を開発することが根本治療の目標となっているようです。

早く開発されるといいですねっ!

 

現在、もの忘れ外来に来られる高齢者に施される治療は、認知症の進行を抑制する薬のほか、生活習慣病や脳梗塞の再発予防の薬物療法です。BPSD(行動・心理症状)を生じて来院された場合には、抗精神薬が使用されることもあります。

同時に、認知症の進行を予防すべく生活療法を実施している医療機関もありますが、その内容はまだまだ完璧…からは程遠いのが現状です。

 

それでも、認知症の促進因子である糖尿病高血圧脂質異常喫煙などを注意・指導し、抑制因子である生活習慣病の改善」「運動」「食事の改善」「活動的な生活」に目を向けて、介護保険の利用も含め、適切な指導を行っていくことは非常に大事なことです。

 

 

認知症疑わしい症状

 

 

ちなみに、物忘れ外来は以下のような流れで進められていきます。

 

物忘れ外来、初診ですること

 

 

 


★  物忘れ外来で出来ること

もの忘れ外来では医師と患者の会話が中心なのですが、ご家族に確認しておかないといけないこともあります。例えば、「糖尿病などの生活習慣病があるかどうか」「現在飲んでいる薬はあるのか」「一人暮らしなのか誰かと同居しているのか」などなど。

これらの基本的な情報を踏まえた上で、医師は患者と会話をし、「独居であっても薬物管理ができるか」「家族の協力が必要か」などを判断し、介護問題も含めて慎重に考慮し今後の治療方針を決めていくわけです。

 

診断。。。

生活状況の把握。。。

薬物管理の方法。。。

 

そして、既に服薬しているお薬との間で何も問題がなければ、患者の程度に合わせて抗認知症薬が開始されていくのです。

 

物忘れ外来で認知症診断

 

 

 


★  信頼できるドクター

例えば、現役で働いている方が外来でお見えになった場合、本人には「もの忘れが進んでいる疑いがあります。薬も使いますが仕事を続けることが一番の予防になりますよ」などと伝え、本人の生きる力を奪うことのないよう、配慮がなされています。

可能な限り、患者の希望は聞き入れられるのです。

家族へは、認知症の経過をきちんと説明し、「進行抑制のためのお薬はありますが、それよりも、社会資源を利用したり (地域活動などに参加したり) 、適正な生活療法を行っていくことの方が大事だと考えてください」と真摯に話してくださるお医者さんは信頼できるでしょう。

ただやみくもに薬を処方するだけの医師は信用なりません!ご注意を!

 

そして、再診の度に本人 & 家族との会話で生活機能の低下をきちんと把握し、その上で随時治療方針を再考し直し、可能な限り患者の希望を生かす方法を話し合ってくれる医師に巡り会えたら、幸せです。

 

優秀なかかりつけ医に巡り会えたら幸せ

 

 

 


★  生活療法に重点を置いた治療

中には、夫婦共に認知症の方もいらっしゃいますが、その場合には家事の分担服薬チェック買い物などをどうするかをしっかり話し合っておくことが大事になります。

例えば、夫が歩行困難で妻の方が認知症程度が酷い場合、夫にはリハビリを兼ねてスーパーへの買い物を必ず行ってもらい、妻には料理や畑仕事など、頭を使い好きでやれることを続けていってもらいます。

 

くどいようですが、

薬物療法と併行して、生活療法に重点を置いた治療に取り組んでくださる医師こそが、認知症患者には絶対に必要なのです。

 

こんな素敵なお医者さんは、「ディサービスには行きたくないんじゃよ」などと駄々をこねる高齢者に対し、敬意を持って「でもねおじいちゃん、今要介護レベルにあるから油断はできないんですよ。

一気にひどくならないようにするためにも、介護保険を利用して、社会的な活動を続けていきましょうよ」「みんな初めは嫌がるんですよ。

 

でもね、ディサービスに行くことを楽しんで、生き甲斐となってる方、結構多いんですよ」などと、渋る方の説得を行い、参加の働きかけを続けてくれます。

 

物忘れと認知症の違い

 

 

 


★  まとめ

現在、認知症に使用されている薬は2種4薬あります。神経伝達物質アセチルコリンを分解する酵素の働きを抑制し、アセチルコリンを増やすコリンエステラーゼ阻害剤など。

アルツハイマー型認知症レビー小体型認知症ではアセチルコリンが減っていますので、服薬することで脳機能の活性化が生じると考えられています。しかし、副交感神経を刺激する副作用吐き気食欲低下などで服用できない場合もあるのです。

 

腹を立てやすくなって服薬中止…

不整脈や喘息で中止…

 

といったこともあります。

 

薬は、しばらく経過をみないと効果んほどはよくわかりませんが、やはり「どうしても服薬できない」という特別事情がない限り、服薬は続けるべきです。

 
薬物療法と生活療法…
 

この両輪がうまく作用し合うことが大切なのです。私の叔母は現在要介護3ですが、数年前からこの両輪にお世話になっているおかげで、排泄などのセルフケアの能力低下は防げているようです。

お薬と生活療法の組み合わせが、やはり先延ばしにはすごく有効なのだと思います。今後は、より効果のある新薬の開発生活療法の向上に期待したいものですね。

 

皆さんが安心して歳をとれますように!