中村江里子さんに学ぶイライラ解消法
「うつ」でも、単に落ち込んでしまう状態だけでなくイライラや怒りっぽさが現れてくることがあります。「物事がうまくいかない」「最近何だか身体の調子が悪い」「時間もお金もない」「人間関係にストレスを感じる」
こうした気持ちが積もり積もって「イライラと自己嫌悪の悪循環」に陥り、最終的には「うつ病」になってしまうのです。
怒りの感情は誰にでもあるものです。ですが、このイライラを外に出してしまうと周りと気まずくなってしまったり自己嫌悪になってしまいます。「だからイライラしても仕方ない」
いくらそう頭で思っても、感情が収まらない以上「ある種のテクニック」が必要です。そこで今回は、フランスに暮らす中村江里子さんの体験談に「イライラ対処法」を学んでいきたいと思います。
信用できない宅配便
フランスでは、「大切なものは宅配便で送らないように!」と言われています。クリスマスカードを郵送することですら躊躇してしまうほどです。
こう語るのは、パリ在住の中村江里子さん。フジテレビ・アナウンサーとして活躍し、その後1999年に退社、2001年にフランス人と結婚。パリに住み、3人の子供を育てています。そんな中村さんは20年近くパリに住み、日本と行き来する中で「便利すぎる日本」を痛感しているのだとか。
まず、フランスでは「大切な荷物を宅配便で送っていけません」なぜなら、フランスでは「荷物が届かないこと」が普通にあるからです。日本のように、ほぼ100%宅配便や郵便物が届くということはありません。
近頃は、フランスでも多少改善が見られ、配達予定時間が携帯にメッセージで送られてくるようになりました。それでも、「予定日の予定時間内に到着」なんてことはありません。荷物を「無事に受け取ることができる」だけで御の字なのです。
「手紙は無事、届くかしら?」と心配しながら投函するような経験は日本ではなかなか味わえません。これがどんなに素晴らしいことなのか、考えてみてください。
日本は本当に恵まれた国なのです。
パリのメトロは時刻表がない
ここ数年、ホームに「次の電車」「その次の電車」が到着する時間が表示されるようになりましたが、そもそも、パリ市内の地下鉄に時刻表は存在しません。時刻表があるのはTVG (フランス新幹線) や郊外線くらい。
ですから、「毎朝同じ時刻の電車に友達と待ち合わせて乗る」ということはできないのです。これは日本のシステムに慣れている方にとってはかなりのストレスです。
中村さんも初めはそんな感じでした。ただある時、いつもイライラしていた彼女にフランス人の友人が一言、「待っていればそのうち来るわよ!」と笑顔で語りかけたのをきっかけに、「そういうものなのかなぁ~」と思いつつも、半分諦め気味に徐々に慣れていかざるを得なかったのです。
電車がストや故障などの理由で動かなくなることもしょっちゅうです。このような場合、日本のように会社や学校に提出する「遅刻証明書」のようなものは存在しません。
便利すぎる日本
修理などのサービス面も、日本は本当に素晴らしいです。例えば、テレビや洗濯機などの電化製品が故障した場合、購入した大型電気店に修理のお願いをすれば日本だとすぐに対応してくれます。
ところが、パリでは何度も連絡をしてもなかなか来てくれなかったりしますし、来たら来たで「部品が足りない」「もう少しこれが必要」と、何度か出直すこともしばしば。結局、完全に直るまでに数週間かかることも珍しくありません。
「日本のように時間に正確で、仕事をピシッとやってくれるなんて、まるで魔法かと思う今日この頃です。」
「日本で、そんな便利さが当たり前の中で生活ができていたことにすごく感謝しています。」
日本に年に数回仕事などで帰ることがありますが、子供たちでさえ「日本は快適!」と喜んでいます。
きれい過ぎる日本
日本は、パリのように街の至るところにゴミ箱があるわけでもないのに道にゴミが落ちていません。また、どこに行ってもトイレがきれいです。トイレットペーパーもきちんとしていますし、便座もちゃんとついてます。
レストランでは、グラスのお水がなくなると頼んでいないのにすぐ注ぎ足してくれます。フランスでは、頼んでも頼んでも持ってくるのを忘れてしまっていることがよくあります。
また、日本の駐車場では必ず誰か人がいて丁寧に誘導してくれます。工事現場では、暑い中、寒い中、誘導の人がいらして丁寧に頭を下げながら迂回路を案内してくれます。これらのサービスは世界的に感動のレベルです。
便利じゃないと怒る贅沢な日本人
世界と比較して、こんなにも便利な社会に暮らしている日本人。ただ…現代の日本人は何か大切なことを忘れているような気もします。それは「感謝」という心。
Aさんは、宅配業者のミスで荷物が届かないことに激怒。業者の方は平謝りし、「その日の夕方には必ず送ります」と誠意をもって迅速な対応をしてくれていたのですが、Aさんは「待っていた時間をどうしてくれるんだ!」とまだ怒っていたそうです。
フランスに暮らす人からすれば、手違いでちょっと遅れるくらい何てことないのに、とも思います。ただ、残念ながら現代の日本人にはAさんのように心に余裕のない方が多いような気もします。
便利さが、私たちの生活のスピードを速め、心の中の穏やかさを奪ってしまっているのかもしれません。一方、海外に目を向けてみると、確かにルーズと言えるかもしれませんが、「おおらか」でもあります。
1分1秒に目くじらを立てることはありません。遅れてきても、謝らない方が多い代わりに相手にも怒りません。
一方、日本の便利さは世界に誇れるもので、これは日本人ならではの細かい心遣いや勤勉さにより実現しているものと言えるでしょう。このことを当たり前と思わずに、常日頃から感謝の気持ちを持てていれば、イライラはなくなり穏やかな気持ちでいられるのではないでしょうか。
イライラ解消法
イライラはこうして生まれる
ほかの人の「あり得ない行動」が気になる
▼
イラッとしたまま放っておく
▼
「あり得ない行動」は変わらないからますます気になる
▼
イライラがどんどん増幅!
というわけで
イライラを解消する心得を最後に紹介して終わりにしたいと思います。
🔴 自分でできることは自分でやる
🔵 相手に求めない
🔴 批判しない
🔵 美味しいものを食べる
🔴 いろんな人と会話する
🔵 好きなことに没頭する時間を持つ
🔴 とにかく動く
🔵 瞑想で心を養い、利他の心を持つ
こうしていると、「していただけること」に感謝が生まれます。そして不便さが、心地よい人間関係を生み出すこともあると思うのです。
ぜひ皆さん!
『不便さ』と『他人のいい加減』を楽しむぐらいの余裕を持ちましょう!