原因不明の不調は自律神経のせい?それなら「禅」が効果的!

 

「イライラ」「不安」「無気力」「肩こり」「眼精疲労」「偏頭痛」「朝起きるのがつらい」「食欲がない」「うつ病」…現代人を悩ませる不調の原因。それは自律神経の乱れにあります。

しかしながら、「自律神経の乱れ」によって心身に悪影響をもたらしている負のスパイラルは、少しだけ考え方を工夫するだけで改善できます。

 

 

ストレス社会を救う「禅」の心

「自律神経の改善には禅が良い」

「禅的な心構えをしている人は心の耐力が高い」

 

禅の思想は「自我」を捨て、秩序の中で目の前のことに全力を注ぐこと…を大事としています。そうすることで、他の事柄にあれやこれやと囚われることがなくなります。つまり、ひとつのことに集中することで「不安」にとらわれることがなくなり、ストレス耐性を高めることにつながるのです。

では、具体的にどのようにやったらいいのでしょうか?

 

 

 

無駄なモノを置かない!

何もない状態を表す「伽藍堂」(がらんどう) 。。。聞いたことありますでしょうか?「物を置かない」「何もない」状態にすることで、誰でも目の前のことに集中することができるようになります (なぜなら、他に何もないからです)。

逆に、いろんなものがあり過ぎると目の前のことに集中できなくなります。たくさんの物があることで安心感を得られたような気になることもありますが、これでは真に心を安らげることはできません。

 

そこで、自律神経を整えるためにも「部屋にはできるだけ余計な物を置かないようにすること」が大事になってきます。可能な限り収納し (隠し)、「無」に近い空間を意識し、研ぎ澄まされた空間に身を置くことで大切なものだけをしっかりと考える力が研ぎすまされていきます。

その結果、気持ちが折れなくなるのです。

(掃除という行為そのものもストレス発散に効果的)

 

 

 

「ながら」をやめる

巷では「ながら健康法」や「ながら勉強法」といった、同時に複数の行動をすることを推奨していたりしますが、実は気が散って集中できていないことが研究の結果わかってきています。

逆に、ひとつのことを一生懸命こなすことで、不安に対するとらわれがなくなり、ストレス耐性を高めることができるのです。

 

そこでおすすめなのが座禅です。集中力を必要とする坐禅には、ゆっくりと息を吐く腹式呼吸が含まれており、この行為こそがセロトニンの分泌を促し、心を落ち着かせる効果を発揮させるのです。

つまり、「ながら」をやめて今に集中することが自律神経を整えることにつながっていくのです。

 

 

 

部屋の役割をきちんと決める

「勉強する部屋」「テレビを観る部屋」「食事をする部屋」「寝る部屋」…

こうした目的のある特定の空間に入ることで、人は心を切り替えることができます。

 

自我から離れ、人と人の調和の中で自分を定義しようとする禅の教えにおいて、役割を意識することはとても重要なのです。世の中に対して、自分が果たす役割について明確になっていきます。

これは自宅や職場においても言えること。各部屋 (場所) に役割を持たせ、オンオフのスイッチを切り替えやすくさせることが大事です。仮にワンルーム暮らしであっても、寝るスペースと食事をするスペースを区分けし、寝食分離を心がけるだけでも効果があります

 

 

 

諸行無常の精神が心の病を癒す

このように、生活にメリハリを作り出すだけでも心が晴れ晴れとしてきます。目の前のことに集中し、精一杯頑張りましょう!(実は、現代人の私たちは思っている以上に「気が散って」「自律神経を乱している」生活を強いられているのです。)

心を病んでしまう人は、外からのストレスをうまく処理することができない独特の考え方を持っているケースが多いようです。そこで大事になってくるのが「固執する考え方をやめること」。

 

物事は変わりゆくもので、自分自身も他人も常に変わりゆく存在であるということに気づき、ストレスをうまく受け流すことができるようになればしめたもの。禅の思想である「諸行無常」の考えをマスターしたということになります。

禅の世界では、「後悔」や「先行きの不安」が心の揺らぎの根源であると考え、変化し続ける人生をコントロールすることができないことを悟り、何よりも「この瞬間を生きる」ことに専念することの大切さを教えてくれるのです。

 

 

 

「自己愛」から解放されよう!

禅の世界にある「諸法無我」という考え方もまた、現代人特有の心の病を癒す重要な要素の一つと言えるでしょう。

私たちは、自分と他者が違う存在であることを認識しながら生きています。この自我は成長過程で自然と身に付けていくものですが、これが社会に出るようになると自我と外部環境の間に摩擦が生じ、対人ストレスとして現れてくるようになります。

 

 

そんな中、私たちは無意識のうちにストレスから身を守るため自我を過度に強化させています。この自己防衛として強化された自我こそが、心の病の元なのです。皆さんは、(森羅万象の世界において) 自分がいかにちっぽけな存在であるかをじっくりと考えてみたことがありますでしょうか。

そこから、禅の「諸法無我」という思想を悟ることができれば、自我が肥大化することを防ぎ、自己愛という病の原因を絶つことができるようになるでしょう。つまり、自分に固執することで生まれる悩みから解放されるわけです。

 

 

 

まとめ

「人とうまくコミュニケーションを取れないんです」と悩んでいる方に朗報です。この問題も禅の教えによって解決することができるかもしれないのです。

まず考えてみてください。人間は決められたことを決められたように実行することで安心感を得られる生き物だということを。一方で、現代社会は個性を求め、「自由」であることによって逆に不安を感じる機会を増やしているのです。

 

さて、ここからが禅の話です。

禅の世界は、坐禅をはじめ、食事や作務に至るまで、細かく作法やルールが決められています。それをこなすためには「今」に集中せざるを得ず、自我を出す隙などありません。やることが決まっていて、それを一生懸命にこなすことに重きを置く。それが禅の教えであり、心に安心感をもたらしてくれるのです。

 

散らかった心を整えるために、まずは坐禅を組んでみませんか!

 

 

「うつ病かも…」「自律神経失調症かもしれない…」と悩んで病院に行く前に、座禅を組んで気持ちをリラックスさせてあげましょう。

姿勢を正し、座った状態で精神統一を行う坐禅を行うことで、癒しの脳波といわれるα波をたくさん発することができます。これが私たちをリラックス状態に導いてくれるのです。

 

また、坐禅を20~30分続けると自律神経のバランスを整えるうえで欠かせない脳内神経伝達物質セロトニンを増やすこともできるのです。

昔から、「病は気から」と言います。人知れず悩み苦しんでいるのであれば、まずは「禅」を試してみませんか。もしかしたら、そこから世界ががらりと変わるかもしれませんよ。

 

 

 


最終更新日:2019/08/07