愛車を長持ちさせる方法【基本編】

 

クルマの寿命は明確に定まっているわけではありませんが、一般的には「走行距離が10万km」「新車登録から10年」と言われています。もちろん、しっかりとしたメンテナンスを行っていれば20年以上走り続けることも可能です。

とはいえ、10年で車の価値は0円になることが多いため、新車登録から1人のオーナーがその車に乗る期間は平均7.5年と言われています。まだ価値がある段階で車を下取りに出して乗り換える…というわけですね。

 

「純正の部品の在庫が10年までしかないため」(メーカー側は法律で車の部品を10年は在庫として置いておかなければならないと決まっている) といった理由もあるようです。さらに、新車登録から13年経過すると自動車税と重量税がアップします。以上のような理由から、10年程度で車を乗り換える人が多いのです。

海外では古い車を大切に長く乗るという文化が根付いています。あなたも見習ってみませんか?

 

頻繁に走らせよう!

自動車に限らず機械類全般に言えることですが、マシンは日常的に使用した方が長持ちします。とはいえ、休日の週1回、場合によっては月1回しか運転しない…なんて人もいることでしょう。

でも覚えておいてください。一定のコンディションを維持させるためには「コンスタントに走らせる」ことが大事です。定期的に身体を動かしていた人が日々のトレーニングを怠ったりケガや病気で長期間入院したりすると、元のペースでは動けなくなるのと同じことがクルマにも言えるのです。

 

 

動かさず置いておくのは最悪!

人間もクルマも同じで、「動かない」という状況がコンディションを悪化させる原因となります。車に関していえば、何万というパーツが組み合わさっているため、多方面に悪影響を及ぼすことになるのです。たとえば、粘度のあるオイルといえども時間が経てば垂れ落ちるため、潤滑面から流れ落ちてしまい、回りが重くなります。そんな状態で無理に回せば、エンジンやトランスミッションを傷めることにも繋がります。

ガソリンも、人間の血液のように常に新鮮なものが流れている状態がベスト!古いものがいつまでも滞留していると、詰まりや燃焼不良の原因となりエンジントラブルの元になってしまいます。また、冷却水ホースやブレーキホースといったホース類、オイルシールなどのゴムパーツは動かさずに置いておくと変形したまま硬化してしまいます (結果、オイル漏れを起こす)。長期間放置すればタイヤだって変形します。駐車中、荷重が一点にかかりきったままとなるからです。

 

 

1週間に1度はエンジンをかけよう!

たとえば、1~2週間クルマに乗れないことがあったとしましょう。このようなときの最初の走り出しはエンジンの回りが重く、突然のトラブルに見舞われるケースも多いのが実情です。最低、1週間に1回は車に乗るようにしましょう!だからといって、ただ走ればいいというものではありません。

エンジンオイルには燃焼室から吹き抜けた燃焼ガスも混ざり込むため、十分温まって燃焼が安定する前にエンジンを止めてしまうと未燃焼ガスが混入してしまいます。これはエンジンオイルを劣化させることに繋がりますので、近所への「ちょい乗り」は逆に良くありません。1週間以上動かしてなかったら、最低30分は走るようにしましょう!

 

 

どれくらい走ったらいい?

近年、車の各パーツの耐久性は格段に向上してきています。そのため、メンテナンスは「油脂類」「タイヤ」「バッテリー」「スパークプラグ」「ブレーキパッド」といった消耗品のみの交換で済んでしまいます。このように、耐久性が格段に増している近年のクルマであれば「年間1万5000km」を目処に、あまり日数を空けることなくコンスタントに走っていれば、一定のコンディションは維持できると考えていいでしょう。

ただし、オイルや消耗パーツ類の適切な定期交換は必須で、これが絶対条件となります。また、長持ちしたとしてもスムーズに走らなければ運転にストレスがかかります。エンジンに変な癖をつけないためにも、アクセルを無駄に吹かしすぎたりしない (あおり運転をしない) よう気をつけましょう。