エンジンオイルの交換時期の目安 (頻度) について

 

エンジンオイルの定期的な交換は、愛車に長く乗り続けたいオーナーが絶対に守らなければならないことの一つです。なぜなら、新鮮なオイルは「エンジンを保護してくれる」とともに「安全走行にも欠かせない」からです。重要なメンテナンスの一つなのです。(適当な気持ちで) 古くなったエンジンオイルをそのまま使用し続けてしまうと、エンジンに様々な不具合が生じてしまいます (これ、本当です)。

ひと昔前は、安いエンジンオイルでエンジン内をフラッシングして高いエンジンオイルを入れたり、安いエンジンオイルをこまめに替えたりしていましたが、近年は高性能エンジンオイルの登場もあって少し事情が変わってきているようです。

 

エンジンオイルの役割

まずはじめに、エンジンオイルの大切な役割を簡単に把握しておきましょう!

 

① 冷却作用

エンジン内をオイルが循環することで、内部の熱が放散されオーバーヒートを防いでくれます。


② 潤滑作用

金属の接触部分が油膜で覆われることで、摩擦を防ぎエンジンを正常に機能させてくれます。


③ 防錆効果

サビの原因となる酸素 & 水分などが付着するのを防ぎ、錆つきを防いでくれます。


④ 洗浄効果

エンジン内の汚れをオイルに分散させ、エンジン各部に堆積するのを防いでくれます。


⑤ その他

ガス圧の漏れを油膜で防いでくれたり、シリンダー内壁 & ピストンリングの隙間を埋めてくれたり、気密性を保ってくれたり、エネルギー効率を向上させてくれたりします。

 

 

交換しないと…

最悪の場合、エンジンの焼き付きを起こしてしまい、車両火災を起こしてしまう危険性があります。車の故障につながるのはもちろんのこと、思わぬトラブルを発生させてしまう要因ともなり得るのです。なので絶対に、定期的 & 適切に交換するようにしましょう。

 

 

オイル状態をセルフチェック

まずはエンジンを切り、ある程度時間を置く必要があります (火傷しないために)。エンジンの熱が冷めたらボンネットを開け、オイル量を確認する「オイルレベルゲージ」(エンジンルームから輪っか状の取手が付いているもの) を探し、これを引き抜きます。そして、引き抜いた「オイルレベルゲージ」をキッチンペーパーやウエスなどで拭き取り、オイルの状態確認をします。

オイルがどす黒い色をしている場合は傷んでいる可能性がありますので、交換した方がいいでしょう。加えて、エンジンオイルの量が適切に入っているかどうかも確認しましょう。「オイルレベルゲージ」の先の部分に「F」(上限)と「L」(下限)のマークが入っているところがあります。この間にオイルの跡が付いていることを確認しましょう。

 

 

交換時期の目安・タイミング

最近は、メンテナンスのフリー化と環境保全の両面から、エンジンオイルの交換サイクルがどんどん伸びてきています。一昔前までは、走行距離が少なくても「半年に一度は交換すべき」と言われていました。しかし、近年のクルマは2年に1度の交換でも良いようにできているようです。

この背景には、「エンジンの精度が高まったこと」「オイルの消費量が少なくなったこと」「高性能オイルのおかげで耐久性が高まったこと」などが挙げられます。

 

とはいえ、理想を言えばやはり「マメに交換した方がいい」と言えるでしょう。「オイル交換シール」を利用して、次の交換時期を把握しておきましょう。最終的には運転席にあるオイルランプ (油圧警告灯) が点灯することになります。オイルランプは、エンジンオイルが少なくなったり油圧が下がると点灯します。

ですが、よほどひどい状態にならないと点灯しないので、点滅したら「時すでに遅し」と思ってください。近年の車であれば「2万kmに1回」のオイル交換でいいとされているようですが、やはり昔からの目安である「5000kmに1回」「半年に1回」のオイル交換が理想的です (もちろん、車種や年式によっても条件は異なりますのでプロのアドバイスを受けましょう)。

 

 

交換時期を早めた方がいい場合

🔵 高温・低温・高湿度などの環境下で使用する場合

🔴 悪路を走ることが多い場合

🔵 坂道走行が多い場合

🔴 高速走行が多い場合

🔵 (エンジンが温まらない) ちょっとした距離の移動が多い場合

 

※ エンジンオイルは経年劣化します。「滅多に乗らないから大丈夫だろう」ではダメです。最低、1年に1回は交換してください。

 

 

エンジンオイルの種類と選び方

いざ「エンジンオイルを交換しよう」と思っても、あまりに種類が豊富でどれを選んだらいいのかわからないという方も少なくないでしょう。必ずしも高価なものがベストなわけではないのです。あなたの車にとって、(品質や粘度などが) 最適なものを選ばないといけないのです。

ただし、あまり神経質になる必要はありません。よほどの粗悪品でもない限り、ほとんどのエンジンにとって問題はありません。一つの基準として、「値段の高いエンジンオイルは高性能で耐久性が高い。年間走行距離が少なくオイル交換の1サイクルが長い人には向いている。」と覚えておきましょう。

あとは、スポーティな走行を楽しむ方はやはり高性能エンジンオイルの方がベターです。あまりお金をかけ過ぎず長く大事に乗ろうという方は、そのエンジンに対応した適度な価格のオイルを5000km毎または半年毎に交換した方がいいのです。こうした専門的なことは、信頼できるプロに一度相談してみましょう。

 

 

おわりに

エンジンオイル選びで大切なのは「種類」「品質規格」「粘度」なのですが、それ以上に大事なことがあります。それは、愛車に合ったエンジンオイルを優先することです。どんなに高性能なエンジンオイルでも、自分の車に適していないと本来のパフォーマンスを発揮することができず、不具合が生じてしまうかもしれません。推奨エンジンオイルの規格を必ず確認しておきましょう。