サッカー界のスーパースター「中田英寿」栄光の影に天才「財前」の波瀾万丈人生あり
世間から称賛され栄光を勝ち取ったヒーローたち。サッカー界のレジェンド中田英寿もそんな1人です!日本代表として3度のW杯に出場し、イタリア・セリエAでは優勝を経験したこともあります。まさにアジアが誇るスーパースター!
しかし、そんな中田のすぐそばに、彼を上回るほどの実力を持ちながら「栄光」を勝ち取ることができなかった天才がいたことはあまり知られていません。
なぜ、中田英寿は才能を開花させることができたのに「栄光なき天才」は歴史に埋もれてしまったのでしょうか?
そこで今回は、中田英寿の良きライバルであり道標でもあった「財前」という男の人生を振り返ってみたいと思います。そうする (彼の生き様を知る) ことで、「本当に幸せな人生とはいったい何なのか」を考えていただければ幸いです。
天才を襲った悲劇
1998年、サッカー日本代表はワールドカップ (フランス大会) に初出場します。このとき、チームの中心人物として全ての得点に絡み司令塔として活躍した男が中田英寿です。
日本サッカー史上、最も成功した男とも言われる中田。
遡ること数年前…
U-17の世界選手権で、若き日本チームの10番を背負っていた男がいます。彼の名は財前宣之 (1993年のことです)。同世代憧れの選手で、あの中田でさえ近寄りがたいほどの天才でした。
財前は、当時誰もが「彼こそが日本代表を背負って立つ男だ!」と賞賛する逸材だったのです!しかし、その後の代表チームに彼が選ばれることは一度もありませんでした。
1993年、Jリーグ元年。日本でサッカーが盛り上がっていた頃、財前は日本にはいませんでした。それもそのはず、彼は三浦知良同様、イタリアのセリエAに挑戦していたのですから。
実力では間違いなく当時日本一!そんな彼は果敢に世界に挑戦していたのですが・・・
怪我をしても強行出場せざるを得ない状態が続き悲劇が起こってしまったのです。
左膝前十字靭帯断裂…
一方で…
準備の天才「中田英寿」
財前が取り返しのつかない傷を抱えて帰国してから3年後、財前より実力の劣っていた中田は、「どうやったら生き残れるか」「どうやったら自分よりうまい選手たちに勝てるのか」ばかりを考えていました。
そんな中田を財前はこう評しています。
事実、のちに中田は「語学」「体作り」など、全ての準備を万全に整えてからイタリアに行くのです。
「こういう人が成功するべくして成功するんだ!」
中田は、どうやったらもっとうまくなれるかを常に試行錯誤しながら練習していましたし、「それだけは自信がある!」と言い放っていました。語学に関しては6ヶ国語をマスターしました。
そんな中田だからこそ、セリエAでは衝撃のデビューを飾ることができたのです。開幕戦でいきなりの2得点!
怪我に泣いた天才…
徹底的な準備の後に脚光を浴びた中田とは対照的に、表舞台から去っていった財前にはいったい何が足りなかったのでしょうか。それは、結果から言えば「準備」です。
再び輝きを取り戻すために怪我からわずか半年で再びピッチに戻った財前でしたが、爆弾を抱えていた膝はまたすぐに悲鳴をあげることとなるのです。
2度目の靭帯断裂…
これは早すぎた復帰が原因でした。
当時ベガルタ仙台でプレイしていた財前は、わずか21歳にして3度目の靭帯断裂…
もう、彼のプロとしてのサッカー人生は終わってしまった。。。かに思えました。
度重なる挫折を糧に…
「10番を空けて、お前の復帰を待っているぞっ!」
財前は、この言葉を胸に凄まじいリハビリを乗り越え、3度目の靭帯断裂から1年後、再びピッチの上に立つことができたのです。嬉しいことにこの年、ベガルタ仙台は悲願のJ1昇格。
その後、2002年までベガルタ仙台でプレーし続けた財前は29歳で戦力外となりますが、このときサポーターたちは財前放出に猛抗議。。。
その後、J2のモンテディオ山形に移籍した財前は、ここでもJ1昇格の一躍を担うのです。そして33歳で山形を去り、その後タイリーグへ。結局、35歳まで現役を続けました。
度重なる挫折を糧に、現在の財前は地元仙台でサッカースクールを開いています。
人生において幸せとは
一方の中田は、引退後世界を旅して回り、日本の文化などを世界に広める活動をしています。
互いに認め合う光と影の人生…
2人の見つめる先には新たな夢が広がっています。
さて、ここで人生の幸せとは何なのかについてあらためて考えてみませんか。幸福を「相対幸福」と「絶対幸福」に分けて考えてみてはどうでしょう。
相対幸福とは、他人や自分の過去と比べての幸福感を指します。一方の絶対幸福は比較がない幸福感です。気付きから生まれる幸福感と言えるかもしれません。
つまりは、
何かと比較することで感じることのできる相対幸福よりも、絶対幸福に意識を置いて生活していけば、自ずと幸福を感じやすくなると思うのです。
幸福とは無から発生するもの。。。
かつて、天才と言われながら波瀾万丈の人生を歩んだ財前と、補欠から這い上がり栄光を掴んだ中田。2人は今、それぞれ全く異なる道を歩んでいますがそれぞれに幸せなのではないでしょうか。
皆さんにも常に「幸せ」を感じながら生きていっていただければと思います。