亡き父母への想いを込め闘った五輪メダリストたち
レスリング女子58キロ級の伊調馨選手(32)は、オリンピック女子個人種目で史上初となる4連覇を目指し、亡き母へ捧げる金メダルを見事獲得しました。
2回戦から登場した伊調選手は初戦を大差で快勝し、準々決勝はポイントを先行されたものの逆転して勝利!スタンドには、母トシさんの遺影を手にした家族が…
2014年11月、トシさんは青森県八戸市の自宅で突然倒れました。連絡を受けすぐに東京から駆けつけた伊調さん。意識のない母。
頭をさすりながら「お母さん…」と声を掛け続けますが、頭を強く打っていたトシさんはそのまま死去。まだ65歳の若さでした。
2008年の北京五輪で連覇を達成した後、レスリングを続けるかどうか悩んでいた伊調さん。そんな時、トシさんは「まだ馨の試合が見たいなあ」とつぶやいたそうです。
自分の試合を楽しみにしてくれているのが嬉しくて、現役続行を決心。
母を失い、すぐには練習を再開する気になれない。しかし、翌月には全日本選手権が控えています。勝負に厳しかった母…
試合前にはいつも活を入れてくれました。「私のせいで試合に出なかったなんて言ってほしくないね」と言っているようにも思え、出場することに。
2016年1月、ロシアで行われた国際大会の決勝で、13年ぶりとなる敗戦を喫します。試合中、新たな攻撃スタイルを試していましたが、どうもうまくいかず、ポイントを先行され、珍しく自分を見失ったのです。
試合後、アテネ、北京両五輪で連続銀メダルの姉千春さん(34)に、負けから学ぶことの大切さを教えてもらいます。
敗れて受け取ったこの大会の銀メダルは、自宅に、トシさんの遺影の横に置いてあります。毎日、練習前に「行ってくるね」と声をかける伊調さん。
悩みを語りかけながら「お母さんなら何て言うかな」と考えるそうです。すぐに答えが出なくても「何が何でも勝つんだよ」といういつもの母の厳しい言葉が聞こえてくるようで励みになるといいます。
最愛の母を失い、何もやる気のしない状況の中で、生前の母の言葉を思い出し、練習に励み、見事五輪4連覇の偉業を成し遂げた伊調選手。
本当に素晴らしい!
おめでとう!伊調選手!
皆さんは、近代五種という競技をご存知だろうか?
近代五種は、フェンシング▽水泳▽馬術▽射撃▽ランニングの5種を1人で行い、各種目の結果をポイント化して争う競技です。
警視庁に勤務する朝長(ともなが)なつ美さん(24) は出場する日本代表としてこの競技に参加しました。競技を始めたのは警察官になってからですが、警視庁の先輩でもある天国の父に、アスリートとして成長した姿を見せたいと意気込んで臨んだ本番。。。
結果は13位でしたがよく闘ってくれました。
警視庁に入ることを誰よりも喜んでくれた、警視庁の先輩だった父省治さん。しかし、省治さんは娘の警察官姿を見ることなく、2010年4月、食道がんのため54歳で亡くなったのです。
その後、2012年末から始めた近代五種でメキメキと頭角を現してきた朝長さん。
そもそも、近代五種という競技自体を知らなかった朝長さんがこの競技に取り組んだ背景には、父の看病で心身とも疲れ、気落ちしていた母への思いがありました。
「スポーツ好きな母を何とか元気づけないと」
次の東京五輪ではメダルを期待していますよ!
今回のリオデジャネイロ・オリンピックでは日本人選手が数多くのメダルを獲得しました。体操・水泳・柔道はメダルラッシュ!他にも、卓球やバドミントン、シンクロナイズドスイミング,陸上男子400mリレーなど、
私たちは多くの感動をいただきました。
残念ながら、父の想いを胸に五輪4連覇に挑んだレスリング女子53キロ級の吉田沙保里選手(33)は決勝で敗れ銀メダルとなってしまいましたが、それでも凄いことです。
彼らの活躍に元気づけられた方も多かったことでしょう。パラリンピック選手団の活躍に勇気をもらう方もいることでしょう。
どんなに苦しくても、辛くても、悲しいことがあっても、私たちは前に進んでいかねばならないのです。立ち止まっている暇はないのです。
スランプで思うように活動できていないあなた…
小休憩のあとは、前を向いて一歩ずつ、半歩ずつでも前に進んでいくしかないのです。
笑顔とともに…