LDL (悪玉) コレステロール値を下げる方法

健康診断でLDLコレステロールが基準値より高く、医師から「気をつけるように」と言われても、具体的にどうしたらいいのかわかりません。

「こうなってしまった原因と対策が知りたい!」

 

日常の生活の中で、何をどうすればいいのか、いろいろと調べまとめてみました。

同じ悩みを抱えている皆さま方の参考になれば幸いです。

 

そもそもコレステロールとは?

コレステロールは細胞膜の材料になる成分で、体内にある4つの脂肪のうちの一つです。

 

  1. 中性脂肪
  2. 脂肪酸
  3. リン脂質
  4. コレステロール

 

中性脂肪と脂肪酸はエネルギー源となり、リン脂質とコレステロールは細胞膜を作っています。コレステロールは、全身の細胞膜の成分として利用され、例えば、脳の60%はコレステロールとも言われています。

こう考えると、「コレステロールなしでは生きられないわけだし、多少多くても問題ないのでは?」と思ってしまうのですが、実は、血液中に増えすぎると健康に悪影響を与えてしまうらしいのです。

 

生活習慣病…

メタボ…

 

こう言われてしまう一因にもなってしまうのです。

コレステロールの80%は肝臓で作られ、20%は食べ物から摂取。どうやら肝臓の働きが鍵となりそうです。

 

 

 

LDLとHDLについて

コレステロールには2種類あります。

 

・LDLコレステロール・・・悪玉

・HDLコレステロール・・・善玉

 

そもそも、肝臓で作られたコレステロールが血液中で全て有効に使われれば全く問題ないのですが、使い切れず、血液の中に溜まり続けてしまうと酸化され、動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞などの生命を脅かす病気の原因ともなるのです。

このことから、「LDLコレステロールは悪玉だ!」と言われるようになったのです。

 

一方のHDLコレステロールは、細胞膜として使われた後、古くなって回収され、肝臓に戻って新しいコレステロールとして再生されます。

 

細胞の新陳代謝にうまく活用されているわけです。このため、HDLコレステロールは善玉と呼ばれ、高い方が良いと言われています。

この結果、LDLコレステロール値は基準値より高いと問題で、HDLコレステロール値は基準値より低いのが良くないとされているのです。

 

 

 

LDLもHDLも高い場合

LDL (悪玉) コレステロール値を下げる方法

どちらも高い場合はあまり心配がないとも言われていますが、それでも、全体の数値があまりにも高い場合は注意が必要になります。また、中性脂肪が少ないようなら問題はないと判断される場合もあります。

HDLの数値が100mg/dL以上の場合、一般的には高HDL血症となりますが、現在の医学ではHDLが高くなる疾患は確定されていませんので、経過観察程度と考えてよいと思われます。

 

 

 

LDL (悪玉) コレステロール値が高い原因

① 加齢

加齢は新陳代謝を低下させ、脂肪燃焼率も低下させ、太りやすくさせてしまいます。このため、血中のLDLコレステロールが増加してしまうのです。

 


② 運動不足

運動によって脂肪は燃焼され、中性脂肪を血液中に増えすぎないようにしているのですが…

運動不足の生活を続けていると、余った中性脂肪が蓄積され、内臓脂肪が増え、HDLコレステロールが減ってしまうのです。

HDLが減ってしまうと余分なコレステロールを回収しきれなくなり、さらにLDLコレステロール(悪玉) が増えてしまう。そういうことです。

 


③ ストレス

ストレスを感じるとコレステロールを増やすホルモンが分泌されるのだとか!さらに、ストレスを感じている状態では食べ物からのコレステロール吸収率も高まるのだそうです。

 


④ 食事

食事も、LDLコレステロールが高くなる大きな原因となります。

 

・高脂肪

・高カロリー

・高糖質

 

気をつけましょう!

 


⑤ 遺伝

体質的にコレステロールをコントロールする処理能力が弱い方もおられます。

 


⑥ 薬の副作用

糖尿病や甲状腺機能の低下、腎臓病や薬の投薬によって、コレステロール値が高くなる場合があります。また、降圧薬、免疫抑制剤、ステロイド剤などのホルモン剤によって、血中の脂質が高くなることもあります。

この場合は、薬によってホルモンバランスの調整に少なからず影響を与えてしまうため起こってしまう副作用となります。

 

 

 

LDLコレステロールを下げるには

LDL (悪玉) コレステロール値を下げる方法

 

① 適度な運動

内臓脂肪を減らすイメージで、適度な運動をしましょう。脂肪を効率よく燃焼させるには、軽い負荷が長く続くような有酸素運動がオススメです (早歩きのウォーキング、水中運動など)。

坂道、階段、買い物帰りに荷物を持つ、といった日常動作もポイントになりそうですね。

 


② お酒を控える

適量のお酒は百薬の長で、LDLを減らしHDLを増やす作用があるそうです。

しかし、飲みすぎると最悪!

 


③ 禁煙する

「タバコを吸うと悪玉が増え善玉が減る!」

また、喫煙する人はしない人と比べて5年早く死ぬとも言われていますので、コレステロール値を気にしている方であれば禁煙は必須です!

 


④ バランスの良い食事を

近年、食事とコレステロールの関連性は低いと言われるようになってきましたが、肝臓での合成量が多い体質の人は食事にも気をつけなければなりません。

肉の脂身、魚卵、内臓類は控えましょう。

 

逆に、大豆や海藻類、青魚は率先して食べるようにしましょう。栄養のバランスを考え、食べ過ぎないことも大事です。

 


⑤ サプリメントを摂取する

様々な対策を打っても「LDLコレステロール値が下がらない」という方は、サプリメントの摂取も検討してみましょう。

コレステロール値を下げるために、良い食べ物を頑張って摂ろうとすると、結果的にカロリー過多になってしまう恐れもあります。それならば、サプリが最適かもしれません。

 

 

 

LDLコレステロールを下げる食べ物

コレステロール値を下げる食べ物

 

① ヨーグルト

乳酸菌にはコレステロール値の上昇を抑制する働きがあります。

ヨーグルトに含まれる乳酸菌にはビフィズス菌、ガセリ菌、アシドフィルス菌、サーモフィルス菌、ブルガリクス菌などいろいろとありますが、オススメはビフィズス菌ガセリ菌です。

 


② 青魚

青魚に含まれるオメガ3脂肪酸のDHA・EPAはLDLコレステロールを減らしHDLコレステロールを増やしてくれます。

血液サラサラ効果もコレステロール値の調整に大きく貢献しています。

 


③ 大豆

大豆は「天然のコレステロール低下薬」と呼ばれており、最もオススメの食材です。納豆、豆腐、豆乳などの大豆製品を、毎日の食生活に積極的に取り入れましょう。

 


④ 海藻

昆布やワカメ、もずく、ひじきなどの海藻類に含まれるアルギン酸は、コレステロールを排出する働きがあります。カロリーも低いので、こちらも積極的に摂取しましょう。

 


⑤ その他

キャベツやブロッコリー、ごぼう、セロリ、サツマイモなどの野菜、アマニオイル、ナッツ類、そして、緑茶・紅茶・烏龍茶・コーヒー・ココアなどの飲み物も、LDLコレステロール値を下げるのに効果的です。

肝機能を高め、コレステロール値を下げるため、肝臓に良い食べ物 (カキ、ホタテ、イカなど) も取り入れてみると良いでしょう。

 

 

 

おわりに

更年期以降は、様々な生活習慣病にかかるリスクが高くなります。動脈硬化もその代表的な病気の一つ。コレステロールは、この動脈硬化に大きく関係しています。

今回学んだことをまとめますと、

 

・LDL (悪玉) が血中に増えすぎると血管内に溜まって動脈硬化を促進するということ。

・HDL (善玉) は過剰になったLDLを回収し、肝臓に運んでくれるということ。

 

(善玉コレステロールは、男性より女性の方が多い傾向にあることも一応参考までに)

 

どうやら、男性は45歳、女性は55歳あたりから、若い時よりも栄養バランスの良い食生活に気をつけるようにした方が良いようです。

適度な運動も絶対に欠かせません。特に、男性は60歳を超えると、女性は閉経すると、悪玉のLDLコレステロールが増え、善玉のHDLコレステロールが減ってしまう傾向があるようです。

 

LDLの数値が140/dL以上、もしくはHDLの数値が40mg/dL以下、もしくは中性脂肪の数値が150mg/dL以上の場合は「脂質異常症」と診断されますので参考までに。

「脂質異常症」(血液中に脂質が多い病気) は自覚症状があまり出ませんので、医師と相談の上、適切な対策を行っていってくださいね。