「大草原の小さな家」の個性豊かな人気俳優たちは今…

 

放送開始から40年以上経った今でも世界中で愛され続けている伝説の海外ドラマ「大草原の小さな家」を皆さんはご存知でしょうか?本作は誰もが認める不朽の名作で、色褪せない魅力がたっぷりと詰まっています。しかし、2018年、、、

原作者ローラ・インガルス・ワイルダーさんの名前が「児童文学賞」から外されてしまいました。理由は、「作品の中に反先住民・反黒人の感情が含まれていて児童書としてふさわしくないから」なんだとか。。。

確かに、1867年生まれのワイルダーさんが生きた時代には「白人至上主義」「人種差別」の考えが少なからずありました。それでも、(賛否両論あるでしょうが) 当時の歴史的背景を忠実に伝える名作として、「大草原の小さな家」は今後も世界中の人たちに語り継がれていくべき作品なのです。

 

「大草原の小さな家」とは

「大草原の小さな家」(英語名:Little house on the Prairie) はアメリカの有名なテレビドラマ (もともとは児童書) で、1974~1983年の間放映され日本でも大人気に。原作者はローラ・インガルス・ワイルダーさん (1867~1957年) で、内容は彼女の半自叙伝となっています。今でも、世界中のどこかで必ず再放送されている名作です。

西部開拓時代のアメリカ (1870年代~1880年代) が舞台となっており、この物語の中でインガルス一家はウィスコンシン州 → カンザス州 → ミネソタ州 → サウスダコタ州と移り住んでいます (苦難の連続の中に、家族の心温まる物語が凝縮されています)。

 

ちなみに、ファンの要望に応える形で1982~1983年に「新・大草原の小さな家」が追加放送され、物語の中心は「インガルス一家」から「ローラ & アルマンゾのワイルダー一家」へ。しかしながら、作品の象徴的存在だったお父さんとお母さんがほとんど登場しなかったこと、大人になったローラの魅力が低下したこと…などから視聴率は低迷…

すぐに打ち切られてしまいました。この「新・大草原の小さな家」には当時11歳のシャナン・ドハーティー (大人気テレビドラマ「ビバリーヒルズ・高校白書」のブレンダ役) がジェニー・ワイルダー役で出演していたことを付け加えておきましょう。

 

 

チャールズ・インガルス (父親)

厳しくも優しいローラ (主人公) の父チャールズ (1836~1902年)は農業と製作所勤務で生計を立てていました。演じていたのは俳優のマイケル・ランドンさん (1936~1991年) 。そんなマイケルさんの少年時代の悩みは度重なる母の自殺未遂でした。

その後、なんだかんだありながらも役者となった彼は、代表作「大草原~」(1974年にスタート) で一躍有名に。この作品の成功で、彼の印象は「知的で温かく頼もしい父親」となりました。私生活でも大の子供好きで、チャールズのイメージそのままだったと言われています。そんなマイケルさんは1991年、すい臓がんのため他界 (享年54)。抗がん剤には頼らず、自然療法で闘っていたようです。

 

 

キャロライン・インガルス (母親)

美人で専業主婦のお母さんキャサリン (1839~1924年)は、のちにネリーのレストランの調理 & 給仕として働くことになります。このキャサリンを演じていたのは女優のカレン・グラスリーさん (1942年~)。日本ではグラッスルと読み間違えられていますが、正しくはグラスリーさんです。

素敵なお母さんを演じていた彼女ですが、私生活では3度の結婚 & 離婚を繰り返しています。そんな彼女のことを娘ローラ役のメリッサ・ギルバートさんはずっと憧れていたそうです。でも、そんな良妻賢母的な存在だったカレンさんも時にはセリフの少なさなどに腹を立てていたようで、彼女自身、ドラマより演劇や舞台の仕事が好きだったようです。

日本では1984年に発売された不二家のカントリーマアムのCMにも出演。家族のために美味しい料理やお菓子を作るイメージそのままに登場し、ファンを喜ばせてくれました。90年代に入ってからは、西部開拓時代を描いたケビン・コスナー主演の『ワイアット・アープ』にも出演していました。

 

 

メアリー・インガルス (姉)

主人公ローラの姉であるメアリー (1865~1928年) は美人でしっかり者。大人になってからは盲学校の教員として働いています。

そんなメアリーを演じていたのはメリッサ・スー・アンダーソンさん (1962年~) 。私生活での彼女は1990年に脚本家・プロデューサーの男性と結婚し、2人の子宝に恵まれています。その後カナダの市民権を取得し、現在はモントリオールで幸せな結婚生活を送っているようです。

 

 

ローラ・インガルス (主人公)

活発で元気な次女のローラ (1867~1957年) は大人になってからは姉同様、教員になっています。そのローラ役を演じていたメリッサ・ギルバートさん (1964年~) は生後3日で俳優のポール・ギルバートさん & 女優のバーバラ・クレインさんの養子として迎えられたところから人生をスタートさせています。

ちなみに、「大草原~」でウィリー役を演じていたジョナサン・ギルバートさんと女優のサラ・ギルバートさんは戸籍上は兄弟ということになります。そんなメリッサさんは自伝で「アルコール & ドラッグ中毒だった」過去を告白しています。

 

過去には俳優のロブ・ロウやトム・クルーズ、ビリー・アイドルなどと浮名を流していたこともあるメリッサさんはどうやら恋多き女性のようです。実生活では意地悪娘ネリー役のアリソンさんとは親友関係で、姉のメアリー役 (メリッサ・スー・アンダーソン) や夫アルマンゾ役 (ディーン・バトラー) とは撮影当時から一定の距離があったことを明かしています。

3度の結婚 (2度の離婚) をしており、現在はミシガン州に移住。映画では、「奇跡の人」(1979年) でヘレン・ケラー役を、「アンネの日記」(1980年) でアンネ・フランク役を演じ高評価を得ています。

 

 

キャリー・インガルス (三女)

可愛い三女のキャリー (1870~1946年) を演じていたのはリンゼイ & シドニー・グリーンブッシュさん (1970年~:双子の姉妹) です。労働法の関係で、キャリー役を2人交互に演じていました。「大草原~」の後、いくつかのテレビCMに出演していたようですが、その後は学業に専念するため芸能界を引退していったようです。

 

 

チャールズ・フレデリック・インガルス (長男)

長男のフレデリック (1875~1876年) は病気のため早すぎる死を遂げました。

 

 

その他のインガルス・ファミリー

四女にグレイス (1877~1941年) という女の子がいるのですが、ドラマではほとんど登場してきていません。養子としてインガルス一家にやって来たアルバート (写真左) を演じていたのはマシュー・ラボートーさん(1966年~) 。日本語吹替は坂上忍さんが担当していました。

その後も、新しい家族を受け入れていたインガルス一家は養子としてジェイムスとカサンドラも迎えています。ジェイムス役はジェイソン・ベイトマンさん (1969年~) が演じており、のちに「ジュノ」や「ハンコック」、「モンスター上司」などに出演することに。

他に、ローラの愛馬バニーや番犬のジャック、2代目番犬のギャングなどもいましたね。

 

 

ワイルダー一家

主人公のローラ・インガルスはのちにアルマンゾ・ワイルダー (写真左)と結婚。そのアルマンゾ (1857~1949年) はカナダの俳優ディーン・バトラーさん (1956年~) が演じていました。そして、2人の長女ローズ (1886~1968年) はジェニファー & ミッシェル・ステフィンさんが演じており、別に、命名前に亡くなった長男 (Baby Boy Wilder) がいたのです。

他に登場人物として、アルマンゾの姪ジェニー・ワイルダーがいます。ジェニーは女優のシャナン・ドハーティーさん (1971年~) が演じています。

 

 

彼女は人気テレビドラマ「ビバリーヒルズ高校白書」の双子の妹ブレンダとしてよく知られています。私生活では2度の結婚 & 離婚、さらには飲酒運転で逮捕され世間を騒がせたことも。2015年には乳がんを告白していましたが、その後の経過は良好のようです。

 

 

エドワーズおじさん

父親のチャールズと仲良しで、無愛想ながらも愛されキャラクターだったエドワーズおじさんはヴィクター・フレンチさんが演じていました。彼はシーズン途中で別のテレビドラマ「Carter Country」に出演するためいったん番組を離れますが、再びウォルナットグローブに戻ってきています。「大草原〜」の終了後、マイケル・ランドンと共に「Highway to Heaven」に出演しますが、その直後の1989年に肺がんのためこの世を去っています。

 

 

オルソン一家

ネルス・オルソン (オルソン商店の経営者で街一番の資産家) は、わがままな妻や子供たちの中にあって唯一の常識人で、町の人々からの信頼が厚い男でした。そんなネルスを演じているのは俳優のリチャード・ブルさん (1924~2014年)。

一方で、口数が多く噂話が大好きなネルスの妻ハリエット・オルソンは夫に厳しく子供たちに甘~い人物です。高慢な性格からしばしばトラブルメーカーになるのですが、稀に優しい一面を垣間見せることも。このハリエットを演じていたのは女優のキャサリン・マグレガーさん (1925~2018年)。「大草原~」終了と同時にテレビの世界を去り、演劇と自己啓発、そしてヒンドゥー教へと傾倒する人生を歩んでいったそうです。

 

 

母親譲りの高慢な性格ネリー (オルソン家の長女) を演じていたのは女優のアリソン・アーングリンさん (1962年~)。「大草原~」で夫役を演じたスティーブさんとはプライベートでも大の仲良しだったのですが、彼はシリーズ終了後にエイズで死亡。これを機に、アリソンさんはエイズ撲滅の啓蒙活動を行っています。

そして、過去に兄から性的虐待を受けていたという事実もあって幼児虐待の啓蒙活動も行っています。現在は、2度目の結婚相手とロサンゼルスで仲良く暮らしており、ローラ役のメリッサ・ギルバートさんともよく連絡を取り合っているようです。

 

 

オルソン家の長男ウィリーはわがままに育てられたため、幼い頃は母や姉と同じく意地悪な性格でしたが、成長するに従って父親のような常識人となっていきます。そんなウィリーを演じていたのはジョナサン・ギルバートさん (1968年~)。

 

 

ナンシーは、愛娘ネリーが結婚し転居していったことでうつ状態になってしまったハリエットを元気づけようとネルスが児童養護施設から迎えた女の子です。幼い頃のネリーと瓜二つの性格に凶暴性も兼ね備えた問題児でもありました。

 

 

前列左から母・姉、2列目左からアルバート・ネリー・キャリー、3列目左からマイケル・ランドン・Jr.・アルマンゾ

 

なんだか熱いものが胸にグッと込み上げてきますね!