末期ガン女性の最期の願いが叶った瞬間
皆さんは末期ガンの宣告を受け、「余命あと数ヶ月」と言われたらどうしますか?
末期ガンの状態や、症状、治療法などによっても異なるでしょうが、化学療法や放射線療法を受けるかもしれません。緩和ケアを行いながら住み慣れた家で静かに過ごすことを選択するかもしれません。
「死」という事実を受け入れるまでに、取り乱したり、自暴自棄になったりするケースも少なくありません。
しかし最後には、
「終末期のQOL (クオリティー・オブ・ライフ / 生活の質) を保って逝きたい」「やるべきことをやって天国に召されたい」と考えるのではないでしょうか。
今回は、そんな、末期ガン宣告を受けた女性たちの「最期の望み」を3例紹介したいと思います。
2015年夏、末期ガンと宣告されたアメリカ人のノルマさん (90歳女性) は、延命措置を選ばず、息子夫婦とアメリカ縦断の旅に出ることにしました。
医師からステージ4の子宮がんであることを告げられたノルマさん。2日前に愛する夫のレオさんを亡くしたばかりでした。
「あたしゃもう歳だし、今さら手術、放射線治療、抗がん剤治療なんぞはしたくないよ」
それから1年間、約2万キロを走り抜けた家族の旅は続きます。
その間、ノルマさんはバケットリスト (死ぬまでにやりたいこと) を作り、旅の中でそれを一つひとつこなしていったといいます。
「聖パトリックのパレードに参加すること」
「VIPゲストとしてNBAプロバスケットボールリーグを観ること」
「ロブスターとキーライムパイを食べること」
「熱気球に乗ること」
「シャチを見ること」
・・・
小さな夢をひとつひとつ叶えていったノルマさんの表情は、実に明るく楽しそうです。
そんなノルマさんの容態が悪化したのは2016年8月末。家族はワシントン州のサンフアン島にキャンピングカーを駐車し、終末期ケアを行うホスピスチームを迎えてノルマさんの最期に備えることにします。
そして、
ノルマさんはキャンピングカーで、息子夫婦に見守られながら静かに息を引き取ったのです。91歳でした。
最期まで人生を楽しんで生きたノルマさん。
本当に幸せそうでした。
彼女の生き方こそ理想の死に方かもしれません。どうか安らかに眠ってください。そして、天国でも冒険することを忘れないで下さいね。
ペットを愛する家族にとって、その子は立派な家族の一員です。飼い主とペットは特別な絆で結びついています。
そして、多くのペットたちは飼い主の心情を察し、愛と忠誠心をもって応えてくれるのです。
末期がんを患うブラジル人のレバーネさん(49歳女性)は、もうこれ以上、闘病を続けることはできないと思ったのでしょう。
医師に、「これ以上の治療は受けません」と伝え、「愛犬リッチーにどうしても会いたい!」と願い出たのです。
長くて辛い入院生活が続いていたため、もう随分と会っておらず、我が子のように可愛がってきたリッチーに会いたい気持ちを抑えることができなくなったのです。
息子のジェイムズさんは、おそらくこれが母の最期の願いになるだろうと思い、病院側に頼み込みます。
通常は病院内に動物を持ち込むことは衛生の問題もあり考えられないことなのですが、病院側は特別な部屋を用意してくれ、そこでなら犬に会わせてもいいと許可を出したのです。
後日、酸素マスクをつけながら弱々しくベッドに横になっているレバーネさんを見たリッチーは、ちぎれるほど尻尾を振りレバーネさんに飛びついて愛情を示したそうです。
この時、レバーネさんは大好きなリッチーに会うために、服を着替え口紅までつけたといいます。
というレバーネさんなりの精一杯の気持ちをリッチーに伝えたかったのかも知れませんね。
そして、病院の医師は次のように語っています。
「レバーネさんの気力に変化が見られました。患者は、誰かとの深い愛情を認識した時に、病に打ち勝つ気力を見せることがあります。それは人であっても動物であっても同じことです。」
「レバーネさんはリッチーに会って以来、話がよくできるようになり、行動もアクティブになったことを感じました。」
末期がんの症状に変わりはなかったレバーネさんですが、大好きなリッチーと最期に会えたことで、ほんの少しでも改善されたことは、家族やレバーネさん本人にとって意義のあることだったことでしょう。
たとえガンを治すことができなくとも、愛犬の姿がレバーネさんにとっては心からの癒しになったことは間違いありません。
とてもファン想いで、子供好きと言われている世界の歌姫ビヨンセは、ショーを観に来てくれた少女テイロンちゃんと対面。
しっかりと抱擁した後に、一緒に歌い踊ります。テイロンちゃんの余命は残りわずか。その最後の夢を、ビヨンセが叶えたのです。
テイロンちゃんは幼くして末期がんを患い、残念なことに手術は不可能と診断されていました。そんなテイロンちゃんには「どうしてもビヨンセと一緒に踊ってみたい」という夢があったのです。
この日、車椅子に座ったまま観客席から声援を送るテイロンちゃんの元に、歌姫は移動していきます。そして、しっかりと抱きしめ、優しく声をかけたのです。
すると、テイロンちゃんは感極まって泣きじゃくります。涙ボロボロです。顔を手で覆いむせび泣きます。
余命いくばくもないテイロンちゃん。
彼女の夢をビヨンセはしっかりと叶えたのです。