視力低下 (目の不調) の原因はもしかしたら「うつ病」かもしれません
視力が低下してしまう原因には、「遺伝」「生活習慣」「病気の影響」など、様々な要因が考えられます。しかしながら、なかなか治らない目の疾患の陰に、実は脳の問題が隠れているとしたら・・・
「家族みんな視力悪いし…」「加齢のせいかも」などと見過ごしがちな目の不調ですが、それはもしかしたら心の関係なのかもしれません。
視力低下の原因はうつ病?
「視力が低下した」「目の乾きがつらい」「目が開けづらい」「暗いところでも眩しい」「目の周りが勝手に動いてしまう」・・・
このような目の症状の中には、心の問題が深く関わっている場合があります。事実、目の不調を訴え眼科を受診したAさんは「不眠」「うつ病」が疑われ精神科を受診。その後、うつ病の改善とともに視力は回復していったのです。
目は脳と密接につながっている感覚器です。それだけに、心身の状態が現れやすいのです。Aさんのように、ストレスが原因で目に症状が起こることもあります。逆に、目の不調から心の病気に発展してしまうケースも。
例えば、緑内障は現代医学では完治できず、その進行スピードを遅らせることしかできないのですが、そのことを気に病み、不眠や食欲不振などの症状が表れる人もいます。
「眼瞼けいれん」は薬の服用が引き金かも…
自由に目を開けにくくなったり、まばたきが増えたりする病気「眼瞼けいれん」なども、目と脳の繋がりが関係している場合があります。ちなみにこの目の開閉スイッチが故障した状態である「眼瞼けいれん」は女性に多く、40~50歳以上の年齢層によく見られるのですが。。。
不眠や抑うつ感がひどく、精神科に通っている人の場合であれば、睡眠導入剤や抗不安薬が手放せない状態となっているケースも多く、例えばベンゾジアゼピン系のお薬 (脳の興奮を抑える) を飲んでいることが原因で目に影響を及ぼしている可能性もあります。
「眼瞼けいれん」は脳の神経回路の不調によって引き起こされる疾患です。原因には加齢のほか、遺伝、心理的ストレスがありますが、薬の服用が引き金となっていることも多いのです。
この場合は、精神科の主治医と相談して別の薬に切り替えてもらってください。相性の良い薬に変わることで、つらい「眼瞼けいれん」の症状も治まるのではないでしょうか。
目は心身の健康のバロメーター
目と心、あるいは脳の問題に密接なつながりがあることは一般的にはあまり知られていません。医療の側も、それぞれの専門の立場からしか疾患を診ようとせず、大切な要因を見逃してしまうことがあります。
しかし、実際にはここに挙げたケースに見られるように、目にまつわるあらゆる疾患の背景には、その人自身が持つ他の疾患や不調、さらに言えば生活習慣、遺伝、そして性格があります。
例えば、同じようにベンゾジアゼピン系の薬を服用していたとしても、目に不調が表れる人とそうでない人がいます。真面目で完璧主義な人はうつ病になりやすいと言われていますが、同じ傾向は眼瞼けいれんにも見られるようです。
縁あってこの記事を読んでくださった皆さんには、「目は心身状態のバロメーターである」ということを知っておいていただきたいと思います。目の不調だけでなく、その背景の問題にもぜひ思いをはせてください。
今抱えている不安や悲しみが少しでも解決すれば、目の不調は和らぐかもしれません。それくらい、目の健康と心、さらに人生は深くつながり合っているのです。
おわりに ☆
診断技術が飛躍的に進歩して、がんや動脈硬化のような病気(器質的疾患)はかなり早期から発見できるようになりました。しかし、うつ病や認知症のような精神的な疾患は血液検査やCT、MRIのような画像検査では判別がつきにくく、慣れた医師が丁寧な問診をして総合的に診断しているのが現状です。
そのため、複数の医師の診断が微妙に食い違うこともよくあることです。うつ病では本人が過小に申告すると見逃す可能性もあるので、周囲の人の意見を聞くことも重要です。
そして、
うつ病も認知症も、その診断は質問が中心となります。「ここ1ヶ月ほど、気分は沈みがちですか?」といったものから、「あなたは何歳ですか」「あなたは何年生まれですか」といったものまで。
もちろん一概には言えませんが、うつ病も認知症も、脳が原因となる病気なので、まずは心身の健康に気をつけて、さらには「積極的に社会に出て人と接すること」「年齢と誕生日を毎日確認すること」といった努力は大切なようです。
それともう一つ、笑顔が大事です☺️