アセット・アロケーションと積立投資について
株、債券、FXなど金融商品には様々なものがありますが、これから投資を始めようという方には投資信託からスタートすることをおすすめしたいと思います。なぜなら、次のようなメリットがあるからです。
◉ 株式・債券・不動産 (REIT) など、様々な投資対象に投資できる
◉ 少額からでも始めることができる
◉ 1つのファンドに複数の銘柄が組み込まれており、分散しやすい
◉ 毎月コツコツと定額積立ができる
などなど。
投資信託の特徴
投資信託とは、「投資家の資金をまとめるための器」のようなものです。小口では投資できない金融商品に、多くの投資家たちの資金を寄せ集め、専門家がまとめて運用するのです。その後、投資額に応じて分配されるという仕組みになっています。
そして、投資信託には主に2つのコストがかかります。販売手数料と信託報酬です。
販売手数料は投資信託を買う時に支払う手数料のこと。信託報酬は投資信託を保有している間必ずかかってくる管理料のようなもの。
以上が投資信託の基本です。
投資は分散が大事!
投資をするにあたって「分散」はとても重要です!資産を株式・債券・不動産などにどのように配分するかが大事になってくるのです。実証研究によれば、「投資の成果の約8割がこの資産配分によって決まる」というデータもあります。
アセット・アロケーション (資産配分)
投資において最も重要なものなので是非覚えておきましょう。
アセット・アロケーションという考え方
投資において、上述したアセット・アロケーションの考え方はとっても大事です。そこでまず基本として、
「株式には株価の変動リスクがある」
「債券は変動リスクが少ない」(比較的安定している)
「外貨 (海外) の株式と債券には為替変動リスクがある」
ということは押さえておいてください。
例えば、リスクを少なくし、安定した運用を狙っているのであれば以下のようなアセット・アロケーションを行うとよいでしょう。
このような資産配分で、年平均3%のリターンが期待できます。もう少しリスクを増やして、株式を全体の50%、外貨資産を全体の40%組み入れてみると年平均7%のリターンに増えたりします (ここでの数字はあくまで参考例です)。
最悪の場合、資産の2割以上がマイナスになることもありますが、1つの配分方法として参考にしてください。
積立投資のすすめ
投資のリスクマネジメントにおいて、「分散」はとても大事な考え方です。この「分散」においても「配分」の分散と「時間」の分散の2つを考えなければなりません。
前者は上述したアセット・アロケーションのことですね。では、「時間」の分散とはどういうことでしょうか?
それは・・・
積立投資 (時間を分散させて投資を行っていく方法)
定期預金などと同様に、投資信託も積立で購入することができます。投資信託の積立は、毎月決まった金額を自動的に積み立てていくもので、低額から積立が可能となっています。
「積立」のメリットは、購入タイミングがわからない場合に合理的に複数回に分けて購入できることにあります。確かに、一番安い時に買えないかもしれませんが、高値で買ってしまって後で後悔する失敗を防ぐことができます。また、まとまった資金を用意できない方にも便利ですね。
このように、定期定額で投資を行いタイミングを考えず平均コストをできるだけ下げようとする投資法を「ドルコスト平均法」と言います。毎月定額 (例えば毎月1万円) を購入することで、自動的に (単価が) 下がると多く上がると少なく買うことができるわけです。
積立投資のメリット
積立投資に向く金融商品といえば投資信託です。1万円程度の少額から利用でき、複数の株式などが組み入れられているので自動的に分散投資ができます。さらに積立で買うことで、その時々の価格で購入でき時間の分散にもなります。長期的に積み立てて資産を増やしたいという方におすすめです。
その際、値上がり益や分配金が非課税になるNISA口座を使えば節税になり、その分、手取り収益が増えます。老後資金を準備するための制度であるiDeCo (個人型DC) も、もともと積立が前提となっており、こちらも利益は非課税です。どうせなら、お得に積み立てましょう。
《 積立投資のメリット 》
メリット ①・・・1回あたりの投資額が少ない
メリット ②・・・最初からないお金と思える
メリット ③・・・長く続けられる
メリット ④・・・相場予想が必要なく楽チン!
メリット ⑤・・・自然と投資元本が積み上がる
おわりに
こうして、投資信託であれば投資初心者の方でも比較的簡単に始めることができます。でも、「面倒臭いから」という理由でほったらかしにはしないでくださいね。
資産の見直しを定期的に行いましょう。
《モニタリング 》
モニタリングは、資産の状況を定期的にチェックすることを言います。これにルールがあるわけではありませんが、「最低年に4回くらいは…」と考えておきましょう。
このモニタリングの目的は、「現在の資産がいくらになっているか」「過剰なリスク、意図しないリスクを取っていないか」といったことを確認するためです。それぞれの資産の種類がどんな比率になっているかを時価で計算しておきましょう。
《リバランス 》
資産配分比率は時間と共に当初の比率が変化していきます。それを本来の比率に修正することをリバランスと言います。このリバランスは、年に1回くらいやった方が良いでしょう。やらないよりも、投資成果が高いという結果が出ています。
というわけで、
- まず、自分の希望のアセットアロケーション(資産配分)を考えてみよう
- 資産毎に毎月の積立額を決めよう