失明原因にもなり得る「加齢黄斑変性」について

 

年齢を重ねると、身体のいろんなところに病気が出てきます。加齢黄斑変性もその一つで、網膜の中心部である「黄斑」に障害が生じ、見ようとするモノが見えにくくなり、「モノがゆがんで見える」「視野の中心が暗くなる」「視野が欠ける」「視力が低下する」…といった症状が出てくるのです。

加齢黄斑変性は、高齢化と生活の欧米化によって近年著しく増加してきており、50歳以上の約1%にみられると言われています。

 

 

高齢になるほど多くみられ、比較的最近までこれといった治療法はなかったのですが、近年は医学の進歩により視力の維持や改善が得られるようになってきました。

とはいえ、糖尿病網膜症や緑内障などとともに失明の原因ともなり得る病気なので注意が必要です。

 

 

 

加齢黄斑変性の種類

加齢黄斑変性には「萎縮型」と「滲出型(しんしゅつがた)」の2種類があり、それぞれで原因が異なります。

 

 

 

① 「萎縮型」

これは黄斑の組織が加齢とともに萎縮する現象です。症状はゆっくりと進行し、急激に視力が低下することはありません。

 

② 「滲出型」

これは、網膜のすぐ下に新しい血管(新生血管)ができ、この血管が黄斑にダメージを与えることによって起こります。

 

 加齢黄斑変性と症状がよく似た別の眼の病気も場合もありますので、早い段階で診断を受けることが大切です

 

 

 

 

治療法

 

◉「萎縮型」の治療

現時点では治療法は見つかっておらず、特別に治療をする必要もありません。ただし、「滲出型」に移行して急激に視力が低下することがありますし、病状が進行すれば失明の危険性もあります。なので、定期的な検診は受けるようにしておきましょう (病気の進行はゆっくりです)。


 

◉「滲出型」の治療

萎縮型に比べて進行が早く、新生血管の広がりや漏れ出る成分によって早い時期からゆがみ、視野の中央が欠けるなどの症状が進みやすいので、早期の適切な処置が必要となります。視力を失うケースが多いのも滲出型の特徴です。

この場合、抗VEGF療法という新生血管を沈静化させる薬を硝子体内に注射する方法が一般的です。その他にも、光に反応する薬剤を体内に注射し、それが新生血管に到達したときに弱いレーザーを照射して新生血管を破壊する「光線力学的療法」や、新生血管をレーザーで焼く「光凝固法」といった外科的治療もあります。

新生血管の大きさや場所によっては、早期に発見できれば治療後の見えない部分を最小限に抑えることができ、視界にほとんど影響がなくてすみます。日頃から、片目ずつモノがゆがんで見えないかどうかをチェックして、早期発見に努めましょう。

 

 

 

 

バランスのとれた食事で目の健康を保ちましょう!

ほうれん草などの緑黄色野菜に多く含まれているルテインという成分の摂取量が少ないと「加齢黄斑変性を発症しやすい」…というデータもあるようです。

目や身体全体の健康維持のためにも、普段から緑黄色野菜を十分に摂り、バランスのとれた食生活を心がけましょう。
 

 
★ 視力を改善させる生活習慣 (食事)

★ 視力を回復・改善させる方法 (運動など)