ふらつき・めまいの原因【まとめ】

 

特に体調が悪いわけ (病気) でもないのに、ときどき「めまい」を感じたり「ふらついたり」する…という方いらっしゃいませんか。「高血圧か低血圧なのかなぁ」と思うかもしれませんが、実は「めまい」の原因は様々。

医療機関を受診する患者さんの中でもっとも訴えが多い症状のひとつでもあります。

 

「めまい」について

「めまい」(平衡感覚の喪失) は多くの場合、頭や身体の位置関係を認識する機能が障害されて起こる「ふらつき」の症状なのですが、その原因には様々な病気が関連しています。ときに「耳」「目」「首」などに異常を伴ったりします。場合によっては耳鼻科で病気の有無について確認してもらったり、視力や頸椎に異常がないことなどを診てもらう必要もあります。

低血圧もめまいの原因になります。脳への血流量が減って酸欠状態となり「平衡中枢の不安定」を生み出してしまうのです。また、横になったり座ったりしている状態から立ち上がった時に感じる立ちくらみも、起立性低血圧で脳の血流量が一時的に少なくなり生じるものです。他にも、降圧薬が効きすぎて血圧が下がることが原因になる場合もあります。

 

 

「めまい」は見当識の障害?

「めまい」は、① 平衡感覚の障害によるめまい ② 急激に起こる「回転性のめまい」③ 慢性的に起こりやすい「非回転性のめまい」に区別することができます。

私たち人間には、空間における自分の身体状態を認識する力 (見当識) があります。目を閉じていても、地面に対して頭や胴体や手足がどのような位置にあるのかがわかる力がそれです。この見当識に障害が生じて「クラクラ」「フラフラ」したりするのがめまいというわけです。

 

 

大切な3つの情報

通常私たちは、以下の3つの情報から自分の身体の位置関係などを認識しています。

 

① 平衡感覚

これは耳の奥にある「三半規管」で認識します。


② 手足

人は、手足の筋肉と関節からも多くの情報を入手しています。


③ 視覚

周囲の動いているものの速さや方向が視覚情報として脳に伝えられます。

 

これら3つの情報が脳に伝えられることによって、人は空間における自分の身体状態を理解することができるのです。

 

 

「めまい」の原因いろいろ

めまいの原因としてまず考えられるのは、

① 体調不良 ② アルコールの飲みすぎ ③ 乗り物酔い ④ 薬の副作用 ⑤ 急な立ち上がり ⑥ 疾患 です。

⑤に関しての説明はこうです。人は立ち上がるときに自律神経が血管と心臓に作用して血圧の変動を調節しているのですが、この自律神経が十分に機能していない場合があります。急な立ち上がり → 血圧が下がる → 脳に送られる血液量が一時的に少なくなる → ふらつく…というわけです。

⑥については以下の通り↓

 

 

平衡感覚の乱れを伴う「疾患」

① メニエール病

自分や周囲がぐるぐると回る「めまい」「ふらつき」…どちらか一方の耳にだけ起きる「耳鳴り」…さらには「難聴」が同時に起こる病気がメニエール病です。多くの場合、強い吐き気や嘔吐を伴います。過労やストレスが引き金になることがあります。危険な疾患ではありませんが、放置すると耳鳴り・難聴が進行します。「メニエール病かな?」と感じたら最初から耳鼻咽喉科専門医を受診しましょう。

 


② 突発性難聴

メニエール病とよく似た病気に「突発性難聴」があります。めまいとともに難聴が起き、聞こえの悪さが比較的長く続きます。この場合も耳鼻咽喉科を受診することが必要です。

 


③ 良性発作性頭位めまい症

三半規管の中にある耳石という小さな石が動き出して脳&神経に誤作動を起こし、めまいを生じさせてしまいます。これが原因のめまいの多くは、朝の起床時に起こります。病名に「良性」とついているのは、これと似た症状を起こす腫瘍などの「悪性」の病気と区別するためです。この診断は、診察で簡単にわかります。一般的な治療法は、独特な体操(エプリー法など)になります。

 


④ 起立性低血圧症

健康な人でも、急に立ち上がったりすると立ちくらみをすることがあります。この立ちくらみが日常動作の中で頻繁に起こるような場合、起立性低血圧症が疑われます。これは自律神経の一時的な障害で、急に立ち上がった時に脳の循環が滞り、血液が下半身に停滞することで起こります。ひどい時は気を失って倒れることもあります。

 


⑤ 自律神経失調症

精神的なストレスや過労が引き金となって、自律神経が乱れ心や体に不調があらわれた状態です。人によっては、「吐き気」「多汗」「全身の倦怠感」「頭痛」「肩こり」「手足のしびれ」「動悸」「不整脈」「不眠」などの症状があらわれる場合もあります。あらわれる症状は人によって大きく異なるのが特徴です。

 


⑥ 更年期障害

更年期 (閉経前後の約10年間) を迎えると、女性ホルモン (エストロゲン) の急激な減少によって自律神経のバランスが崩れ、「ほてり」「のぼせ」「イライラ」「息切れ」「動悸」「めまいやふらつき」「肩こり」といった症状に悩まされる場合があります。顔が突然カーッと熱くなって首や背中に汗が流れる症状はホットフラッシュと呼ばれ、更年期障害の前半にあらわれる代表的な症状の一つです。

 

 

「めまい」…それ以外の原因は?

そのほか、「貧血」やかぜの後にめまいが長く続く「前庭神経炎」、ヘルペス・ウイルスが原因となって顔面神経麻痺と痛みやめまいが起こる「ハント症候群」、中耳炎が内耳に広がって起こるめまいなどもあります。

特に「回転性のめまい」は吐き気を伴うことも多く、血圧が上昇してとても苦しいものです。我慢などせず、できるだけ早く受診するようにしましょう。

 

 

脳卒中が原因の場合も

「めまい」と同時に「しびれ」「脱力感」「呂律が回らない」といった症状が見られる場合、脳に原因がある (脳卒中、脳梗塞、脳出血、脳腫瘍など) の可能性も考えられます。急いで病院に行ってください。

「突発性めまい」の多くは耳鼻科系疾患なのですが、そのうち約1割が実は脳梗塞が原因だったという調査結果も出ています。脳の病気のために突然めまいが生じることはあまり多くはありませんが、「ろれつ」に異変が起きる場合にはほぼ例外なく脳卒中によるものと思われます。

 

気をつけなければならないのは、突然めまいが生じるとともに、うまく話すことができなくなったり、激しい頭痛を伴ったりする場合です。救急車を呼ぶなどして、迅速に対処するようにしましょう。 急激に始まるめまいのうち、3~5%は脳卒中(脳出血、脳梗塞)などが原因です。


また、慢性的に脳内血管が狭まっていくことで発作的にめまいが起こる「椎骨脳底動脈血流不全症」いう病気もあります。他に「椎骨脳底動脈血流不全症」といった病気も。耳鼻咽喉科や脳神経外科、神経内科などで検査をしたんだけど、めまいの原因がよくわからなかったという方はもしかしたらこれらの病気かもしれません。

 

 

原因は様々、慢性の「めまい」

繰り返しになりますが、「めまい」の原因となる病気は様々です。例えば、平衡神経にできる腫瘍やできもので「聴神経腫瘍」というものがあります。脳のまわりを包む髄膜に「髄膜腫」ができる場合もあります。これらの腫瘍はいずれもゆっくりと平衡神経・聴神経を破壊・圧迫していき、「ふらつき」「よろめき」などのめまい症状を起こします。

幸い、これらの腫瘍は良性ですが、気づかないうちに大きくなると平衡神経や聴神経だけでなく脳幹を圧迫して致命的経過をたどることがあります。そうなる前に手術を受ければ完治することができます。

また、脳幹や小脳などの中枢神経の変性 (萎縮したり神経細胞が死んだりすること) が原因で現れることがあり、その代表的な病気は「脊髄小脳変性症」で す。この病気は遺伝で発病することがありますので、肉親によく似た症状の方がいれば注意が必要です。いずれにせよ、慢性的にめまいが続くようであれば、神経内科や脳神経外科などを受診する必要があります。

 

 

予防法 & 対処法

深刻な疾患でない限り、日常の心がけ次第で改善させることも可能です。「バランスの良い食事と摂る」「質の良い睡眠をとる」「アルコールを控える」などなど。

そして、ふらつきが生じたときには慌てないことが大切です。転倒しないように注意しながら、座れる場所や横になれる場所へと移動し、楽な姿勢でしばらく休みましょう。更年期障害によるめまいやふらつきなどには、効果をあらわす漢方薬などが販売されています。更年期では体の様々な場所に不調が起こりやすいので、漢方処方を活用し体全体のバランスを整えましょう。

頻繁にふらつきが起こるようであれば疾患が隠れている場合がありますので、病院で診察を受けましょう。ふらつきとともに意識障害や呼吸困難が起こるようなときは、脳出血や脳梗塞が疑われます。ただちに救急車を呼んで病院へ行きましょう。

 

 

おわりに

「立ちくらみ」や「ふらつき」は、体内の環境を整えたり生命を維持するために働いている自律神経の機能が障害を起こして出る症状です。自律神経の働きを妨げる病気や薬などに注意が必要です。

「めまい」は昔から多くの人たちが悩まされてきた症状です。健康な人だって稀に起こったりするわけですから。とはいえ、気になるようでしたら一度受診をされてみてください。

 

 

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