「死に至るストレス」の解消法を宇宙航空医師に学ぶ
現代人は、とかく仕事や人間関係によって多くのストレスにさらされています。そんなストレスは、やがて「キラーストレス」となり、死に至る病の原因ともなり得るのです。
ガンや心筋梗塞、脳梗塞などの身体的な病や、うつ病などの心の病を発症させてしまうもと、ストレス…
そこで今回は、宇宙ステーションの中で一つのミスも許されない、極度のストレスに何ヶ月もの間さらされながら働く宇宙飛行士のケアを行っている宇宙航空医師の話から、ストレス対策を探っていきたいと思います。
★ ストレス軽減に必要な5つのこと
① コピーイング
まず、ストレスを感じた時に気晴らしになるモノをリストアップしておきます。音楽鑑賞や読書など、何でもいいんです。できるだけ多い方が良いでしょう。そして、ストレスが生じた時にそのリストの中から1つ選んで実行するだけでいいんです。
宇宙飛行士たちは、宇宙ステーションにギターなどのストレス解消グッズを持ち込めるようになっているそうです。例えば、日本人飛行士の古川聡さんは「青い地球を眺めること」「家族とのメール」「ひとり野球」などをリストアップしています。
ちなみに「ひとり野球」とは…野球少年だった古川さんならではの手法ですが、無重力空間を利用して一人でボールを投げ、それを打って、捕球する行為だとか (笑)。
② マインドフルネス (瞑想)
この方法は、うつ病患者だけでなく、学校や刑務所などでも導入されているストレス軽減法です。自分の呼吸に神経を集中させ、雑念を払って今を感じるようにするのです。けっして過去を思い出したり、未来を考えたりしないようにしましょう。
まず、目をつぶって、体を左右に軽く揺すって、体の中心を感じます。次に、呼吸で胸や腹が上下する動きを感じます。この時、自然な呼吸に身を任せてください。
こうして、今を感じる時間を1日10分持つだけで、身体的なストレスの30%、心理的なストレスの40%が減少すると言われています。これは日本文化「禅」の境地であり、茶道や華道にも同様の効果があるでしょう。
○マインドフルネスの具体的な効果
- ストレスを軽減し、免疫力を高め、集中力を強化し、気持ちをコントロールできる
- スマホ依存社会の後遺症から乱れたメンタルバランスを整える
③ ストレスの原因を避けること
④ 誰かのサポートを受けること
⑤ 笑うこと
★ ストレスはいかにして「キラーストレス」になるのか
ストレスを受ける ⇨ 脳の中枢部分にある「扁桃体を刺激する ⇨ その情報が副腎と自律神経に伝わる ⇨ 副腎がストレスホルモンを分泌し、心拍数 (血圧)を上げ、血液を固まりやすくする
この一連の行程が、巨大モンスター「キラーストレス」を生み出すのです!このプロセスは、人類が狩猟時代に猛獣などの外敵から身を守る作用でした。血圧を上げて、俊敏な (逃げやすい) 体の状態になっていたのです。
血液が固まりやすくなれば、怪我をしたときに助かりますし、ストレスが去れば体はもとに戻るように出来ていたのです。
ただ、命を脅かす天敵のいない現代において、人類は別の形で絶え間のないストレスにさらされ、心筋梗塞や脳梗塞など大病の原因となる「キラーストレス」を身に纏うこととなっていったのです。
★ ストレスがガン細胞を増殖させるプロセス
副腎の出すストレスホルモンが、免疫に関係するATF3という遺伝子に働きかけます。ストレスホルモンが大量になると、ATF3遺伝子はガン細胞への攻撃を止めてしまうのです。これにより、ガン細胞は著しい増殖を始めるのです。
さらに、ストレスは脳の一部を損傷させます。ストレスホルモンが一定量を超えると、脳の記憶や感情をつかさどる「海馬」を構成する神経細胞をむしばむのです。
うつ病患者の脳はこうやって「キラーストレス」により攻撃を受けているわけです。
しかしながら、ストレスから「キラーストレス」に至るプロセスは後戻りができないものではありません。きちんと対策をとれば、正常な状態に戻れるのです!
というわけで、次にこちらをご覧ください ↓
マインドフルネス (瞑想) の功
あのスティーブ・ジョブズもプレゼン前は瞑想していたようです。瞑想で自省する習慣が身につくと、不思議と攻撃してきたり騙したりする人が近づいてこなくなります。
そして、自然と「苦手な人物は自分を磨いてくれるんだ」と思えるようになってくるのです。そう上手く心を転換させることで、嫌なことは全て良い経験となり、感謝の気持ちすら芽生えてくるのです。
そう思えた瞬間から、「不運」だと思っていた人生は大きく変化していくのです。
「ありがとう!」
「ごめんなさい!」
心の底から誠意を持って相手に伝えてみましょう(^-^)
★ まとめ
私たちは全てが思い通りにならないという現実の中で生きています。中でも、人間関係の悩みは一番ストレスがかかるもの。ならば、敢えて、仏教の教えでもある「人生は修行」「四苦八苦する」を実践していくしかないのではないでしょうか。
ちなみに、「四苦」とは「生老病死」のこと。この世に生まれてくることも、老いも病も死も、人はどんなに抗ってもこの「四苦」から逃れることはできません。しかし、自分の心をうまくコントロールすれば、苦しみを楽に転換できます。
そう、自己を省みることが大切なのです。