【ピーターパン症候群】「大人になれない…」その原因・特徴・治療について

 

近年、「見た目は大人なのに中身は子供」という男性が増えているそうです。このように、「精神的に大人になれない」「いつまでも大人になれない状態」をピーターパン症候群 (Peter Pan Syndorome) と言います。

「大人になることを拒んでいる男性」・・・こうしたパーソナリティ (特性) を、アメリカ人の心理学者、ダン・カイリーさんは「ピーターパン症候群」と名づけました。1980年代のことです。

 

これは精神医学の正式用語ではありませんが、パーソナリティ障害に似た概念と言えるでしょう。表面的にはプライドが高く、立派な大人のように見えますが、内心は非常に傷つきやすく臆病な男性。。。

 

そんなピーターパン症候群には次のような特徴がみられます。

 

 

 

 

ピーターパン症候群になる男性の共通項と特徴

 

🔴  12歳以上の男性

🔵  小中学校では優等生であった人も多い

🔴  進学や習い事などは親が決定する

 

 

🔵  10代後半頃になると精神的成長のズレから友人関係で孤立することも

🔴  20歳頃、就職先などに対しても親が口を出す

🔵  本人も、一流企業や公務員といった印象の良い職業に漠然と憧れを持つ

 

 

🔴  中には、「起業して一発当てる!」といった理想論を抱く場合も

🔵  それに対して現実的に対処することができない

🔴  責任ある仕事を任されると強いストレスを感じ、パニックや抑うつ症状を起こすことも

 

 

🔵   若い頃は職を転々とし、必要に迫られなければ働かない

🔴  立派なキャリアに憧れるも努力を嫌う

🔵  自分の興味のあることや責任のないことには熱心に取り組む

 

 

🔴   パーティ好きで、騒ぐのが好き

🔵  「無責任」「不安」「孤独感」といった心の葛藤を常に抱えている

🔴    何歳になっても先輩・後輩といった上下関係を好み、結婚後も家族より友人関係に重きを置く

 

 

🔴   デートは年下や幼い印象の女性を好む

🔵   結婚して父親になり安定した仕事は持っていても、人生は退屈だと絶望している

🔴   信頼できる人、忠告してくれる友人などがいない

 

 

🔵  豊かな家庭で育った長男に多い。父親はデスクワーク、母親は専業主婦のケースが多い

🔴  「快楽的な人間関係」がほとんど

🔵  成長した大人を演じようとし、第一印象はよく、深く知らない人には好感をもたれやすい

 

 

🔴  暇な時間を嫌い、年長になるとワーカホリックになる傾向も

🔵  人生に漠然とした不平・不満を持っているが、自分はノーマルだと思っている

🔴  45歳頃から憂うつや苛立ちの症状が強く表れ、それまでのライフスタイルに反抗する

 

 


 

このように、

人当たりは悪くないけれど未成熟で、積極的に社会に適応していこうとはしない特徴が見られます。

 

(芸能界には多く存在しますし、あの特殊な世界の中では特に問題ないのですが、一般社会においてピーターパン症候群の人はすごく生きにくいはずです)
 

 

 

 

 

ピーターパン症候群の原因と症状

上述してきた「環境」などがピーターパン症候群を招いているとも言えるのですが、加えて言うならば「経済的な豊かさとこれに反比例する精神的な貧しさや両親の不和」といった背景が原因の根本にはあるようです。

こうした状況は、1980年代のいわゆる「バブル期」を象徴する文化でもありました。自己愛と男尊女卑へと向かう「ピーターパン症候群」基本的な4つの症状は以下の通りです。

 

 

 

①  無責任

過保護に育てられ、「自分は特別」だと思っています。でも、多くの試練を乗り越えてきていないので、自分に自信がありません。結果、無責任になるのです。

 

②  不安

両親の不和、子どもの頃からの家庭の緊張感、温かいコミュニケーションの欠如、遊びと仕事のアンバランスなど、両親の結婚生活の悪影響で不安になっています。

 

③  孤独感

経済的に豊かな家庭で育っているので、働くことへの価値観が崩壊し時間を持て余しています。そこで、流行を追いかけ、たくさんの友だちを作って仲間外れにならないように振舞ってはいますが、神経をすりきらせ、結果的に「孤独感」だけが残っている状態なのです。

 

④  性役割の葛藤

「男らしくあれ!」ということに適応できず、常に葛藤しています。

 

 

 

 

このようにして、「未熟」なパーソナリティは形成されていくのです。「愛を通して成長する」ことが正常に機能しなかったことにより。。。

そrでも、一見するとピーターパン症候群の男性たちは、こうした自己愛や男尊女卑を露骨に見せることはなく、表面上は「優しく」振る舞います。
 

 

 

 

 

ピーターパン症候群の男性への対策は?

 

恋愛におけるピーターパン症候群の男性の特徴をここでおさらいしておきましょう。

 

 

 

 記念日や誕生日といった大事な日を忘れる

 「ごめんなさい」の一言がどうしても言えない

 友達のためなら何でもするが、彼女や妻からの頼み事は軽視する

 

 自分から出かけたい時以外は「外出しよう」と言わない

 何かしようと自分から提案しない

 父親とは「会いたい」と思っているが、いざ目の前にすると深みのない会話しかできない

 自分と違う意見に耳を貸そうとしない

 

 不平不満を言うだけで、何もしない

 アルコールが入ると人が変わる

 理由もなく怒り出すことがある

 自信がない

 

 

これに対して、

ピーターパン症候群の男性に惹かれる女性のタイプは以下の通りです。

 

 

 面倒見が良く、過保護な母親を演じてしまいがちな、共依存に走ってしまうタイプ

 「いつかは大人になってくれるだろう」と期待して付き合う「ティンカー・ベル・タイプ」

 

 

 

言い換えると母性が強いのかもしれません。

 

 

結局のところ、ピーターパン症候群の男性に対しては「甘やかす」「わがままを許してくれる母親」タイプの女性ではなく、「共に成長していこう」といったスタンスで接してくれる女性が一番良いのではないでしょうか。
 

 

 

 

 

おわりに ☆
『ピーターパン症候群』を自覚している人は少なく、自ら「大人になれない…」と悩んでカウンセリングに足を運ぶ人は少ないようです。しかしながら、『ピーターパン症候群』を抱えたままだと、いずれは人間関係や社会関係などで大きな問題が生じ、ストレスから抑うつ症状などの病を発症してしまう場合が多いのです。

 

自己愛 (プライド) が強いことはけっして悪いことではありません。ただし、自分の思い通りにならないと激昂する…というのは問題です。すぐに拗ねたり不機嫌になったり。。。

これでは自分自身も、周囲の人たちも大変ですよね。

 


 

これらの問題を改善させるためにも、人生を楽しく笑顔で過ごしていけるためにも、一度カウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか☺️

ピーターパン症候群の症状は12歳頃から発現し始めるため、発見が早ければ治療も可能です。一番効果的な治療方法は、両親の不和を解消することと言えるでしょう。

 

とはいえ、既に成人しているピーターパン症候群の男性も多くいらっしゃいます。この場合の治療法としては、地道にカウンセリングしていくよりほかに方法はないのです。

「傷つきやすい」 →   「うつ病になりやすい」

 

そうならないためにも、

早期に適切なカウンセリングを受けることを強くおすすめします。

 

 


最終更新日:2017/12/22