対人関係苦手な大人の発達障害者は「違い」を武器にしよう!
近年、大人になって自身の「発達障害」に気づく人たちが増えてきています。社会におけるコミュニケーションの問題で悩み苦しみ、仕事や結婚生活などに支障をきたしているケースも少なくないようです。
「発達障害」であることが原因で、いじめ・引きこもり・うつ病・不安障害といった二次障害に悩まされることも。
Aさんのケース
子供の頃から「少し変わった人だね」と言われ続けていたAさんは、それは自分の個性…くらいの軽い気持ちで、特に気にすることなく真面目に生活していました。
成績は優秀で、一流大学に進学しその後大手企業に就職。しかしながらAさんは、営業の仕事がどうもうまくいきません。取引先担当者や上司との意思の疎通がうまくできず、細かなミスを頻発していました。
- 言葉を、言葉通りに受け取ってしまう
- なぜ注意されたのかを理解できない
- 同じトラブルを繰り返してしまう
結局Aさんは、会社を辞めてしまいました。
Bさんのケース
Aさん同様Bさんも、仕事が長続きせず転職を繰り返していました。Bさんの場合は自身で「自分は何かが人と違う」と感じ、病院へ。そこで、「自閉症スペクトラム障害」と診断されたのです。
そしてこうも言われました。「生まれつき脳の機能に何らかの異常があると考えられているのですが、詳しいメカニズムはわかっていないんです。」と。
医師によるとこの障害の特性は
- 臨機応変な対人関係が苦手
- 自分の関心事を最優先させたい志向が強い
などなど。
この診断を受け、Bさんは客観的に考えてみて「なるほどなー。確かにそうだ。これが悩みの根幹だったんだ。」と妙に納得します。
恋愛小説家の「納得」
小説『いま、会いにゆきます』などで有名な恋愛小説の市川拓司さんは、40代の頃に自身が発達障害の一つ、知的障害を伴わない「アスペルガー症候群」(「自閉症スペクトラム」と総称)と知りました。
診断を受けるきっかけは、知人に「あなた、アスペルガーの人がよく使うワードをさっきから連発しているから、一度調べてもらったら」と言われたから。
勧められたメンタルクリニックを受診すると、医師から「典型的なアスペルガーの症状を示していますねー。。でも、あなたは社会的にも成功していますから、特に診断書を書いたりはしませんよ。」と言われました。
この時の市川さんの心境は、「ああ、やっぱりね。なあんだ」って感じ。子どもの頃担任の先生に、「君は教師生活始まって以来の問題児だ」と嘆かれたことを思い出しました。手のつけられない多動児で、且つものすごい「多弁」。それは相手が聞いていなくても一人でしゃべり続けるほどでした。
ものすごい「妄想力」を武器に
市川さんは、「作家として成功できたのはこの障害があったから」と前向きに捉えています。「常識に縛られていないからこそ、飽きずに、懲りずに、夢を見続けることができた」と考えているのです。
事実、結婚生活において「僕の小説がハリウッドで映画化されたら…」なんて途方もない夢を、妻と2人で一晩中語り合ったりしていたそうです。
市川さんはそのものすごい妄想力を活かして、2作目の小説『いま、会いにゆきます』を映画化にまで持っていきます。さらにこの作品は、アジア、ヨーロッパ、南米……と世界中で読まれるようにまでなっていくのです。
「違い」は武器になる!
「作風が女々しい」とか、「お涙ちょうだい」とか批判されることもありますが、そんなことは気にしません。そんなことより、「特性を生かすコツは自分の視点を大事にして、ユーモアのチャンネルに変換すること」だと考えています。
最強の引きこもりを目指して
21世紀の現代社会において、海外では「個性」が十分評価されているにも関わらず、日本においてはいまだに「他人と同じことが美徳」とされています。
この風潮の中にいては、発達障害の子は大人になる頃にはすっかり元気をなくしてしまい兼ねません。それでも「個性」「特性」は大事!人から何と言われようと、自分を信じて頑張っていけばいいんです。
確かにあなたは社会の中のマイノリティ(少数派) なのかもしれませんが、他人との「違い」にこそ強みがあるということをよく知っておいてほしいのです。
傷つきそうな時にはうまく逃げましょう。ひきこもったっていいんです。ひたすら自分の好きな場所で好きなことに没頭したっていいんです。他人の意見も流行も、全く関係ありません。
人生一度きり!最強の引きこもりを目指して頑張っていきましょう!組織の歯車になって細やかな安心を手に入れるよりも、「冒険」「ワクワク」「やりがい」を求めて自己追求していこうではありませんか。