急性胃腸炎 ② 予防法と治療法 (二次感染)

 
激しい腹痛に下痢、嘔吐、発熱など、かかってしまうと非常につらい症状を伴う急性胃腸炎ですが、適切に対処されなければ症状は長引き、さらには第三者に感染してしまうことだってあるのです。

もちろん、患者本人が一番つらいわけですから、ここでは急性胃腸炎の「予防法」と「二次感染予防法」、そして「治療法」についてみていきましょう。

 

特にウイルス性の急性胃腸炎の場合、子供が幼稚園や保育園で感染し、親が子供から感染する、という感染ルートが多いので注意が必要です。

家族内で「看病する人が誰もいない」なんてことにならないためにも「予防」は特に重要ですよっ!

 

 

 

 急性胃腸炎の予防法 
 

① 石鹸と流水で丁寧に手洗いしましょう!

ノロウイルスやロタウイルス、アストロウイルス、アデノウイルスなどは消毒薬に対する抵抗性が結構強いので、やはり石鹸を使った手洗いが基本中の基本です。

急性胃腸炎の病原微生物は口から入りますので、「料理前」「食事前」「帰宅時」「トイレの後」は必ず手を洗う習慣をつけましょう。あと、うがいも忘れずに!

 
 

② 生ものは控えましょう!

ウイルスや細菌は、十分に加熱すれば死滅するものが多いので、特に、細菌が増殖しやすい夏場は肉や魚介類などを生のまま食べることは控えましょう。

(冬場に流行することの多いノロウイルスは熱に弱いウイルスです)

 

※ 加熱の目安は中心温度が85℃で1分

 

また、生ものを扱ったまな板や包丁などの調理器具を介して二次感染する可能性もあります。調理器具はよく洗い、熱湯や塩素系漂白剤で殺菌しましょう。

 
 

③ 人混みは避けましょう!

デパートや病院、満員電車の中など、人ごみには様々なウィルスがたくさん存在しています。胃腸炎だけでなく、風邪などもうつされる可能性が高くなります。特にウイルス性胃腸炎が流行しやすい冬場などは、なるべく人混みを避けましょう。

 
 

④ マスクをつけましょう!

「人混みは避けましょう」と言ってはみたものの、全く外出せず家に引きこもっているわけにもいきません。なので、特に冬場は外出時にマスクを着用する習慣をつけておきましょう。ウイルスは、咳やくしゃみに乗って飛んできますので、マスクである程度ブロックするしかないのです。
 

急性胃腸炎の予防法と治療法

 
 

⑤ 排泄物や嘔吐物の処理は特に用心すること!

もし家族に急性胃腸炎を起こしている人がいて、吐しゃ物の処理が必要であったり、下痢している乳幼児や高齢者のおむつ換えをする際には十分な注意が必要になります。

処理の際には使い捨ての手袋やビニールを使用し、よく密閉してから処分しましょう。処理の後は十分に手を洗ってください。

 

 

 

 急性胃腸炎の治療法 

急性胃腸炎の治療法、と銘打ってしまいましたが、基本的には病院に行っての医師任せとなってしまいます。

でも…

特別な薬や点滴がなくても、適切な水分補給食事療法によって自然に治るものでもありますので、1~2回の下痢くらいで治まるものなら様子を見ることができます。

ただ、症状が次第に悪化したり、血便・膿性の便が続くようであれば、内科または消火器内科を受診してください。激しい下痢の場合でも、下痢止めではなく整腸剤が処方され、頻繁に嘔吐する場合には吐き気止めが処方されるはずです。

ただし以下の場合には緊急性が高いので、必ず病院に行くようにしてくださいね。

 

●けいれん発作がある

●重度の脱水症状

●嘔吐 & 真っ赤な血便

 

 

 

 自分で出来る対処法  
「病院に行くまでもない」と言う方、若しくは「病院に行くまでの間の対処法が知りたい」と言う方のために、簡単で基本的な「対処法」を記しておきますね。
いざという時のために、きちんと覚えておきましょう。

 

 

① 水分補給

下痢などの症状は、身体から病気の原因を追い出すための自浄作用でもありますので、下痢止めは使用せず、水分補給に徹しましょう!

経口補水液などを少量ずつ頻回に飲むのがコツです。冷たいものは胃腸を刺激しますので、常温のものにしましょう。
 

経口補水液は市販されているものもありますが、自宅でも簡単に作ることができます。嘔吐や下痢を繰り返す子供などを置いて市販品を買いに行けないこともありますので、作り方をご紹介します。

 
 

《経口補水液の作り方》
 
1.砂糖40g(大さじ4と1/2)と食塩3g(小さじ1/2)を、1リットルの湯冷ましによく溶かします

2.かき混ぜて飲みやすい温度にしましょう

3.レモンやグレープフルーツ果汁を少量加えると飲みやすくなり、カリウムの補給にもなります

② 食事を控える 

急性胃腸炎の場合、食事をしても嘔吐や下痢を繰り返してしまうので、症状が良くなるまでは食事を控えることになります。

「でも、体力をつけないと!」と言って無理しておかゆなどを食べてしまうと…

嘔吐により食べたものと一緒に胃液や水分も排出されてしまうので、かえって胃腸を痛めたり栄養低下を招きかねません。回復が遅れてしまいますよ。

 

 

 

 まとめ 

急性胃腸炎にならないためには、出来る限りの予防をしておくことが一番大事なのですが、それでも、人からうつされてしまうことだってあり得ます。
 

その時は、「水分摂ってNo食事!」ですよ。

 

そして、

万病の元となるストレスが急性胃腸炎になりやすい体を作ってしまいます。

 

日頃からストレスを溜め込まず、上手に発散させる方法を身につけておく事も急性胃腸炎を予防する大切な有効手段だと言えるのではないでしょうか ☆

 
 


最終更新日:2017/11/29