「慢性疲労症候群」の原因と解消法
「慢性疲労症候群」は、いわゆる「慢性疲労」とは異なり、原因のわからない極度の疲労感が長期間続く病気です。
日常生活に影響があるほどの疲労感・・・
風邪のような症状・・・
「どうしても疲れが取れない」「風邪引いたのかな?」「いや、単なる疲労だよな」「少し休めばきっと良くなるさ」
でも、本当に単なる疲労なのでしょうか?
ここでは、その慢性的な疲労感が「単なる疲労」なのか、それとも「慢性疲労症候群」なのか、病院へ行く前に判断しやすいようまとめてみました。
是非参考になさってください。
「慢性疲労症候群」は、圧倒的な疲労により実生活を送ることが非常に困難になります。「慢性疲労」と名称は似ていますが、全く異なる非常に重い病気です。
症状が重い場合、「ベッドから起き上がるのが辛い」「階段の昇り降りがしんどい」「買い物に行くことさえ億劫」…
このように、生活に大きく支障をきたしてしまうのです。
睡眠で体を休めたり、栄養を摂取して回復しようと試みても、残念ながら改善されることはありません。
「慢性疲労症候群」は身体を動かすことが非常に困難なことから、「怠けている」と誤解され、精神的にも苦しむケースが見られます。
主に20~50歳の人にみられ、男性よりも女性の方が多いと言われています。非常に珍しい疾患のように思われるかもしれませんが、日本人の0.3% (1,000人に3人) は「慢性疲労症候群」にかかっており、その数およそ38万人。
英語では Chronic Fatigue Syndrome (CFS) と言われており、世界的にも0.2〜0.7%もの人たちが発症しているのです。
残念ながら、はっきりとした原因は未だ発見されていません。身体的なものか精神的なものか、ということすらわかっていないのです。
以下、「慢性疲労症候群」の原因と推測されるものの一例です。
- 栄養不足
- 異常な低血圧 (脳への血流の減少)
- ホルモンの異常 (低下)
- 感染
- 免疫機能障害
- アレルギー
- ストレス
また、慢性疲労症候群患者の家族から発症する確率が高いということから、遺伝的要因があるとも考えられています。
・長期にわたる疲労感
日常生活に影響を及ぼすほどの疲労感が6か月以上続きます。疲労感は1日中続き、身体活動や心理的ストレスにより悪化します。
主な症状は疲労感です。疲労の原因が見つからない場合、「慢性疲労症候群」の可能性が高いと言えます。
その他、代表的な症状としては、
・微熱
・頭痛
・腹痛
・喉の痛み
・関節痛
・筋肉痛
・睡眠障害 (不眠)
・精神障害
・集中力の低下
など、
症状は人それぞれで、長期にわたりこれらの症状に苦しめられている人が「慢性疲労症候群」といえます。
人によってはうつや認知症のような症状も…
慢性疲労症候群の認知度は徐々に高まりつつありますが、小さな病院では誤診もあり得ます。
症状だけを見ると「慢性疲労」やうつ病、精神疾患、線維筋痛症、甲状腺機能低下症など様々な病気の症状と類似することから、 総合病院や専門医にしっかりと診てもらうことが大事です。
場合によってはセカンドオピニオンも検討し、正しい病名を知るよう努めましょう。
「慢性疲労症候群」は原因がわからないものの「治療ができない」というものではありません。
各症状に合わせ、「認知行動療法」「段階的運動療法」「薬物療法」「漢方処方」「栄養剤投与」「睡眠薬」「代替医療 (ヨガ、鍼、マッサージなど)」が行われます。
・ストレスを避ける
・リラックスする
・アルコール、タバコをやめる
・糖分を避ける
・太陽を浴びる
・過度の昼寝を避ける
・計画的に活動する (ダラダラしない)
・バランスのとれた食事を心がける
・規則正しい睡眠をとる
ビタミンB1は発熱や疲れた時に多く消費されるので、積極的に摂取しましょう。
ビタミンB2は脂質の代謝を促進するので、こちらも積極的に摂取しましょう。有害な過酸化脂質を分解する役割もあります。
- 豚肉
- うなぎ
- 玄米
- 大豆
- いんげん豆
- 鶏肉
などに多く含まれます。これらの食材でスタミナ料理を作って元気を取り戻しちゃいましょう!
未だその全てが明かされていない「慢性疲労症候群」ですが、上述した通り、対処法はあります。
人によっても発症の原因は様々。いずれにせよ、早期の適切な対処が大切になります。
たまには「予定ゼロ」の日をつくってお休みを取ることも大事です。ストレスを受けない環境に身を置き、ゆっくり休養をとることで疲労回復を促進できるでしょう。
「疲れがとれない」…と感じた時は、ちょっと立ち止まることも大事です。無理をしないで、 リラックスをご褒美に、次にいい自分が出せるようしっかりと心と体を休ませてあげましょう!