【仕事と寿命の関係】仕事を先延ばしにすると早死する?

 

「過労死」はもはや日本の社会問題として当たり前に定着してしまいました。事実、過去10年間で「長時間労働が原因の死者数」は10倍に膨れ上がったのです。

月の残業 (時間外労働) が80時間以上に達している方は「過労死」に注意が必要です。

 

とはいえ、9~17時が定時のサラリーマンの場合、毎日22時まで残業を続けていたら簡単に「過労死ライン」に達してしまいます。でも、この程度の残業は余裕でオーバーしている方が多いはず!

つまり、現実問題としてこの程度の残業時間であれば即「過労死」…というレベルではありません。それでも、「残業」によってサラリーマンの寿命は確実に縮められているのです。

 

いったいなぜ?

 

 

週の労働時間が55時間以上で脳卒中のリスクは3割もアップ!

近年、「働き過ぎは身体に毒」…ということだけはわかってきているものの、「具体的にどれくらい働くとヤバいのか?」…ということは未だよく理解されてはいません。なぜなら、今なお研究の途中段階であり、研究者によっても意見はマチマチだからです。

それでも、一番信頼できるデータをもとに、「仕事と寿命の関係」について探ってみたいと思います。

 

 

まず、欧米で (数十万人のデータをもとに) 数年間にわたって集められてきた研究結果がとても興味深かったので、それを参考に話を進めていきましょう。

↓↓↓

 

 週の労働時間が40時間 (8時間 × 5日間) までなら健康への悪影響はなし

 週の労働時間がそれ以上になると脳卒中のリスクが1割アップ

  さらに、週の労働時間が55時間を超すと脳卒中リスクが3割アップ!& 心疾患リスクが1割アップ!

 

 

 

 

ストレスは寿命の大敵!

なんと、安全ラインは週40時間で、この基準を少しでも超えると様々なリスクを伴うことになるようです。だとすれば、多くの日本人はとんでもなくやばいことに!

でも、日本は長寿大国。いったいどういうこと?

それなら、労働時間を安全ラインまで減らしたら、もっと多くの人が健康長寿を全うできる…ということなのでしょうか?

 

 

続いて、別の研究結果を見てみましょう ↓

 

 週の労働時間が55時間を超すと糖尿病リスクが3割アップ

 

(他にも似たような研究が多くなされています)

 

 

 

うーむ…

「働きすぎ」以外にも、不規則な生活習慣 (乱れた食事 & 運動不足) など寿命が縮む理由はいろいろとありそうですが、中でも特にダメージが大きいのはストレスです。

 

 

 

 

仕事の「先延ばしストレス」が臓器を破壊する!?

近年の研究によれば、単純に仕事量が多いことによるプレッシャーよりも、ダラダラと作業を後まわしにしてしまう「先延ばし」のストレスの方が身体にダメージを与えてしまうようです。

そのメカニズムは以下の通り ↓

 

 仕事をダラダラと先延ばしにすると、脳が「なにも進んでいないじゃないか!なんとかしろ!」と焦ってしまい、パニックを起こしてしまう

 その結果、ストレスホルモンが大量に放出される

 

 そのせいで心拍数が上がる

 人によっては不安やうつ症状が出てしまうことも

 ストレスホルモンの暴走によって免疫システムが狂ってしまい、心臓や肝臓などを傷つけてしまう

 

 

 

 

まとめ

つまり、「先延ばし」のストレスによってホルモンに負の連鎖が生じてしまい、結果として臓器がダメージを受けちゃうわけなんです。仕事のプレッシャーで心臓がドキドキし始めたら、それはカラダが壊れ始めたサインかもしれません。

この問題を解決するには、とにかく少しでも仕事を前に進めることです。

 

併せて、

病気の発症には業務時間だけでなく、その期間中の仕事のキツさやストレスなどが複雑に関わっているということを覚えておきましょう。

働き方改革が叫ばれるいま、会社など組織レベルはもちろん、個人、そして社会全体のレベルで「十分な休息がとれる仕事と生活のバランスをどう実現するか」について考えることが大切なのではないでしょうか。