世の中には、映画よりも「驚愕で」「アンビリーバブルで」「残酷で」「まじかっ!?」と思うような事件・出来事がたくさん存在しています。「これは実話を元にした作品です」の字幕。「実話」と思って鑑賞すると、より興味深く見入ってしまいますよね。
というわけで今回は、実際に起こった「事件」「ハプニング」「犯罪」ベースの映画をいくつか紹介したいと思います。
《続きを読む》世界恐慌時代 (1930年代) に起きてしまった銀行強盗を題材に、犯罪者たちの出会いと死に至るまでを興味深く描いた作品です。刑務所を出たばかりのならず者「クライド」と田舎町のウエイトレス「ボニー」はふとしたことで意気投合します。やがて2人が起こした強盗事件は新聞で大々的に報道され、人々から賞賛を浴びるようになっていくのですが。。。衝撃のラストが待っています。
《続きを読む》禁酒法時代のアメリカ・シカゴを舞台に、正義のためにギャングのボス「アル・カポネ」を逮捕しようとする捜査官たちのチーム「アンタッチャブル」の戦いの日々を描いた実録映画です。本作は実在した捜査官エリオット・ネス (主役) の手記に基づいて映画化されており、階段を落ちて行く乳母車とそれを避けながらの銃撃戦は映画至上に残る名シーンの一つです。ちなみに主人公を助ける老警官役のショーン・コネリーはアカデミー助演男優賞を受賞していますし、本作で好演したケビン・コスナーはこれからハリウッドスターの仲間入りを果たしました。
《続きを読む》収監者のヘンリー・ヤング(ケヴィン・ベーコン)は、自分を密告した囚人を殺した容疑で若き弁護士(クリスチャン・スレーター)の接見を受けます。次第に明らかになる刑務所内での虐待の実態。弁護士は、こうした状況を変えるべく告発を行います。舞台となったアルカトラズ刑務所 (監獄島) はあのアル・カポネも収監されていたことで有名です。現在はサンフランシスコを代表する観光名所となっていますが、事件のあった当時は、囚人たちへの虐待が平気で行われていた恐るべき監獄でした。
《続きを読む》マフィアのボナンノー家に6年間潜入し彼らの大量摘発に貢献したFBI捜査官「ジョー」の実録手記を基にした犯罪映画です。ジョー役をジョニー・デップが、マフィアの一員レフティーをアル・パチーノが演じたことで注目されました。レフティは落ち目のマフィアでしたが、ジョーを実の子のように可愛がり、面倒をみてやりました。レフティの信頼もあって組織で頭角を現すことに成功したジョーでしたが、次第に捜査官としての使命とレフティとの友情の間で葛藤していきます。
《続きを読む》連続殺人犯 (元娼婦) の生涯を映画化した作品で、主演のシャーリーズ・セロンはアカデミー主演女優賞を受賞。彼女は役作りのために13kg体重を増やし、メイクには毎回2時間ほどかかったそうです。
《続きを読む》1994年に「ルワンダ虐殺」が勃発。フツ族過激派がフツ族穏健派とツチ族を120万人以上も虐殺してしまったのです。本作は、この時に活躍したあるホテルマンの男の人生を題材にして作られました。のちに虐殺を指揮した政府幹部は裁かれますが、実はフツ族もツチ族も民族的に違いはないことがわかっています。「民族」や「宗教」の違いくらいで殺し合わなければならないなんて、恐ろしいですね。
《続きを読む》本作は、徹底的なリサーチによって「痴漢冤罪」という斬新なテーマを見事に描き、裁判の在り方、現実を突き付けています。主人公のモデルとなった人物の1人に、JR横浜線の電車内で痴漢を疑われ、東京都迷惑防止条例違反で逮捕・起訴された男性がいます。彼は無罪を主張しますが、一審で懲役1年6ヶ月の実刑判決を言い渡され、最高裁では上告が棄却されてしまいます。冤罪…本当に恐ろしいですね。
《続きを読む》運転手から麻薬王へと上り詰めたフランク・ルーカスをデンゼル・ワシントンが、麻薬組織と警察内部の不正を暴くことに執念を燃やすリッチー・ロバーツをラッセル・クロウが演じています。キング牧師が暗殺され、ベトナムではテト攻勢で潮目が変わった1968年。ハーレムの名物男 “バンビー” の運転手だったフランクはバンビーの死後、麻薬ビジネスに手をつけます。黒人で貧困家庭に育ったフランクがのし上がっていく手段は犯罪しかなかったのです。
《続きを読む》クリント・イーストウッドがアンジェリーナ・ジョリーを主演に迎え、1920年代のロサンゼルスで起こった「ゴートン・ノースコット事件」(実話) を映画化しました。9歳の一人息子が突然行方不明になり、失踪から数ヶ月経っても行方知れず。世間の非難はロス市警へと向けられていきます。焦った警察は身代わりを探し、「見つかった」と嘘の報告を行うのです。当然母親は「偽物だ」と警察に抗議するのですが、逆に精神疾患を疑われ、次第に孤立させられていくのです。
《続きを読む》1980年代のアラスカ州で実際に起きた猟奇殺人事件を題材にしている映画です。モーテルで手錠につながれた娼婦が警察に保護されます。彼女は「客であるロバート・ハンセンに殺されそうになった」と訴えますがロバートにはアリバイがあり、町での評判もいい男だったため、容疑者から外されます。警察は当初、殺害された被害者たちが売春婦だったこともあって真剣に捜査しようとはしなかったのです。この犯人のロバートは子供の頃からいじめられっ子で、鬱屈した性格の持ち主だったようです。結局ロバートは17件の犯行を自供しましたが、事件として立証されたのはわずか4件だけでした。
★ チャイルド44 森に消えた子供たち (2015年)
《続きを読む》1933年、スターリン体制下のソビエト連邦。「ホロドモール」と呼ばれるウクライナの飢饉は無数の孤児を生みました。そんな孤児の一人だった少年は飢えと暴力が横行する孤児院から脱走し、とある軍人に保護されます。名前を捨てたと語る少年に軍人は「レオ」と名付け、養子にします。1953年、MGB (ソ連国家保安省) の捜査官となっていたレオは、ソビエトのみならず世界的にも有名な連続殺人事件を目の当たりにすることになるのです。
《続きを読む》ポリティカル・スリラーというジャンルに属する映画「スノーデン」は、巨匠オリバー・ストーン監督によって作られたノンフィクション (真実) 作品です。「全世界のメール・SNS・通話はアメリカ政府によって監視されていた」という米国最大の機密を暴露 (内部告発) した天才プログラマー、エドワード・スノーデン氏の半生が描かれています。現在はロシアに亡命状態ですが、「真実」「正義」っていったい何なのでしょうね?
ほかにも、
🔴 「冷たい熱帯魚」(1993年に日本で起きた殺人事件)
🔵 「隣の家の少女」(虐待・監禁事件)
🔴 「殺人の追憶」(韓国で起こった未解決連続殺人事件)
🔵 「八仙飯店之人肉饅頭」(香港で起こった一家殺害事件)
など、興味深い映画は目白押し!特に「八仙飯店之人肉饅頭」は1985年にマカオで起こった中華料理店の一家・関係者10人殺害事件をモチーフにしており、内容がとってもグロいです。
一家殺害後、男がその中華料理屋の新しい店主となって店を経営していたことや、遺体が断片的にしか発見できなかったことから、「料理に遺体の肉が混ぜられていたのでは」という噂も。気分が悪くなる可能性もあるので、苦手な方は無理して観ない方がいいかもしれませんね。