【健康長寿の秘訣】血糖値を上げない食事が大事

 

「元気に長生き」するために、日常生活で特に気をつけるべきことは何なのでしょうか?

ポイントはいくつかありますが、まずは体内のインスリン (血液中のブドウ糖を細胞に取り込む働きをするホルモン) を急激に上げない食事が大切です。

 

ちなみに、このインスリンの分泌が減ったり効き目が弱くなった結果起きる病気が糖尿病です。食事をすれば当然インスリンが多く分泌されるわけですが、急激にインスリンを上げるような食生活をしていると (インスリンを分泌する膵臓のβ細胞の働きが弱ってしまい)、糖尿病を招くことになりかねません。

「糖尿病で100歳まで生きた人は極めて稀」とも言われています。その根拠は、「高血糖状態になると大量の活性酸素が発生し、血管が傷つき、動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしてしまう」から。つまり、血糖値がググッと上がってしまうと様々な病気につながってしまうのです。

 

インスリンを急激に上げない「理想の食事」とは

インスリンを急激に上げないために、どのような食事が理想的だと思いますか?それは…

第一に「朝食を抜かないこと」。空腹状態が長〜く続いている状態で「食べる」と、血液中の糖が急増し、エライことになります。なので、たとえ少量でもいいので「朝食を摂る」ことが重要なのです。

 

加えて、食べる順番にも気をつけたいものです。日本人はとかく白ご飯などの糖質 (炭水化物) を先に食べがちですが、この食べ方は良くありません (血糖値が上がりやすい)。野菜 → 肉 or 魚 → ご飯 or パンの順番が理想的!

さらに「食材」にも気を配りましょう!血糖値の上昇を防ぐ食材である「キムチ」「納豆」「豆腐」「オクラ」「山芋」「モロヘイヤ」などを毎朝食べるのが理想的!

 

 

「腹七分目」が一番!

「腹七分目を守る」、「食べ過ぎを防ぐ」ことも大事です。このことは「健康長寿」に関する研究を行なっている調査報告書で次々と明らかになってきています。

食べ過ぎによるカロリーの過剰摂取は「生活習慣病」「がん」「認知症」の発症につながりますので、食べ過ぎないことは非常に重要なのです。しかしながら、低栄養になってしまっては逆に老化が進んでしまいます。栄養に偏りがないよう、必要量はしっかり摂ることが不可欠です。

「長寿遺伝子」は誰もが持っていますが、このスイッチをオンの状態にして活性化できている人が長生きする…と考えられています。この意味でも、「腹七分目」は非常に重要なのです。

 

 

「寿命を延ばす」成分について

赤ワインに含まれるレスベラトロールというポリフェノールには「寿命を延ばす働きがある」ことがわかっています。他にも、たとえば「ブロッコリー」「ハーブ」「スパイス」「お肉」「サーモン」「トマト」といった食材にも強力な抗酸化作用があるため、認知症など高齢期に発症する病気の予防に効果が期待されています。

このことから、多種多様な食材を満遍なく摂取することが大事と言えます。

 

 

「認知症」も食事で予防できる

例えば、乳製品を習慣的に摂っている人は、摂らない人に比べて寝たきりなどの介護状態になりにくいとされています。牛乳なら200ml、ヨーグルトなら80gを目安に毎日摂るといいでしょう。

一方で、高脂肪の食事を摂り続けるとアルツハイマー病になるリスクが増えると考えられています。そうなりにくいようにするためには、「低カロリー」「低脂肪」を心がけると良いでしょう。つまりは「腹七分目」なんですね。

また、野菜ジュースをよく飲む人はアルツハイマー病になりにくいこともわかっています。併せて、よく噛んで食べることも大事です。よく噛むことで前頭葉の血流が増えますし、脳の血管に血栓が詰まった箇所があったとしても、血流が盛んであれば詰まった血管の代わりになるバイパスができるのです。

 

 

血糖値を下げる効果が期待される食品

血糖値が高い人に共通してみられるのが「ミネラル不足」と言われています。ミネラルは野菜に含まれる栄養成分で、インスリンの糖代謝作用を助けます。つまりは、ミネラルが不足しないよう積極的に摂取することで、血糖値を下げるよう働き、糖尿病などの症状を改善することも期待できるのです。

というわけで、ミネラルが豊富な野菜をよく食べましょう! 例えば玉ねぎは1日に4分の1個を目安に食べましょう。タマネギには血管が詰まるのを防ぐ血栓予防作用や肝機能の向上、老化抑止などの効果もあるといわれています。比較的料理しやすい野菜なので、他の野菜と組み合わせて食べて欲しい食品です。

また、オクラのネバネバ成分には血圧を下げる効果や腸で糖質を包み込んで吸収を抑える働きがあり、食後の血糖値上昇を抑えてくれます。さらに、血糖値が気になる人には五穀米やアロエ、バナナ、シークアーサーなども有効です。

 

 

おわりに

「雑穀米」や「野菜ジュース」といった健康食品をうまく活用し、毎食のカロリーを計算して自己管理できる人は「メタボリックシンドローム」にはなりません。

一方で、糖尿病になる人の多くは食べることが大好きなわけですから、その人の食事を否定することは、その人の人生・楽しみを否定することにもなりかねません。ですから、そのような方に対しては「これを食べてはいけない」という否定語ではなく、美味しくてアンチエイジングにつながる代替案を提供してあげることが大事なのです。

 

「あれをするな」「これをするな」を受け入れられなかった人たちが、生活習慣病やメタボリックシンドロームになってしまったわけです。そうではなく、「こちらを食べましょう」という方がはるかに効果的!ストレス & 無理なく、健康的な食習慣を楽しみたいものですね。

例えば、「朝食に牛乳を飲むと食後血糖値の上昇を抑えることができる」こともわかってきています。こうした最新情報もうまく活用し、健康長寿ライフを実践していってもらえたらと思います。