マイクタイソン以来の超ヘビー級王者フューリー「誰か自殺を止めてくれ」
ボクシング世界ヘビー級王者のタイソン・フューリー(Tyson Fury、イギリス)は、躁うつ病のためにコカインとアルコールを大量に摂取していることを明かすとともに、自暴自棄になって「自殺する前に誰かに止めてほしい」と語っています。
そんな精神状態にあるタイソン・フューリーは、引退宣言するも直後に撤回。
2015年11月にベルトを奪った相手、ウラディミール・クリチコ(Wladimir Klitschko、ウクライナ)とのWBA・WBO世界ヘビー級王座の防衛戦を、2度にわたり突如キャンセルしているフューリー。
クリチコとの再戦の2度目の中止について説明を求められると、「トレーニングを積んでいなかった。うつ病になっていたんだ。もうこれ以上生きていたくもない。ピンとこないかもしれないが。もう十分なんだよ」と応じています。
予定されている再戦は無事行われるのでしょうか?
「聞いてくれ、俺は人生の中でいろいろなことをやってきた!コカインもたくさんやった!たくさんだ!」
「だから、コカインは、これ以上生きていたくないってことに比べたら些細なことさ!」
「正直なところ、年を越せるかも分からないね…」
「双極性障害という見解もある。躁うつ病さ。自殺する前に誰かにあやめてもらいたいんだ!」
この憂慮すべきコメントを受けて、英国ボクシング管理委員会は、フューリーのライセンスを剥奪する可能性などを検討している模様です。
「コカインは国内では法に反するものだ。法律を無視するわけにはいかない。薬物使用には、適切な方法で対処していく」
いったいどうなるのでしょうねー。
2016年4月、2人が再戦に向けた意気込みを語る会見では、
クリチコ「デブに倒された」と挑発。
フューリー「自分はボクシングが嫌いだ」と発言。
お互いに、相変わらずの口の悪さを披露していました。
クリチコは、9年間も君臨した王座から引きずり降ろされた相手。何としてもリベンジを果たしたいでしょう。一方のフューリーは、なぜかチアリーダーを引き連れて、「節制なんかしないね。アスリートの生き方なんか真っ平ごめんだ!」と意味不明な発言が続きます。
そういっておもむろにシャツを脱ぎ出すフューリー。
次の瞬間、「だけど恥ずかしいな。こんなデブに倒されたんだから。」と挑発の手を緩めることはありません。
「俺はボクシングが嫌いなんだ。トレーニングも嫌いだ。ただ、自分は呆れるくらいボクシングが強くて、めちゃくちゃ稼げるからやめられないだけだ。」
「俺はまるで猿回しのサルだ。とんだ笑い者だ。そうだろう? 俺はいつも悪者を演じてる。ヒールや、アウトローや、はぐれ者を。ところが、みんなはそういうやつを見るのが好きなんだ」
これだけ悪態をつくフューリーを見て、最初は嫌悪感を強く感じましたが、次第に考え方を改めました。
おそらく、彼の生い立ちはけっして幸せなものではなく、心が荒んでしまっているのです。その実、誰かに助けを求めているのです。
躁うつ病を患い、コカインとアルコールに溺れてしまっていることがそれを物語っています。
それでも、現在28歳。プロ転向後、25戦無敗のフューリーは、「前回以上に完膚なきまでにクリチコを叩きのめす!」と意気込んでいます。
(チャンピオンベルトを剥奪されなければ、の話ですが)
「お前は気持ちいいくらいにやられた。ぶっ倒されたんだ。次はあのときより1000倍強くなってなきゃキツいぞ。何せ12ラウンドで4発くらいしかパンチを当てられなかったんだからな」
「スーパー王者が、うすらでかい、デブの、大口たたきのぐうたらな放浪者にパンチを当てられないなら、そいつはどこの世界のスーパー王者だい?そいつはきっとくずなのさ」
聞けば聞くほど、なんだか彼がかわいそうにさえ感じてしまうのは私だけではないはずです。
誰か、彼を迷いから解き放ち、自殺から救い、本当の愛を教えたもれ。
・生年月日:1988年8月12日
・国籍:イギリス
・身長:206cm
・現WBA・WBO世界ヘビー級スーパー王者
父親がトレーナーだったのですが、2011年に喧嘩相手を失明させ刑務所に収監されました。弟といとこもプロボクサーです。
女性蔑視発言や薬物肯定発言など、問題の多いフューリーですが、何とか考え方を改め、幸せに暮らしていってもらえればと思います。