つまらない仕事を「楽しい」にする方法

 

「私にとって仕事は嫌なものでしかありません」

「仕事が楽しい人は何が楽しいのでしょうか?」

「仕事の楽しさっていったい何?」

「何で仕事は楽しくないんだろう?」

 

 

「仕事の楽しさ」…をインターネットで検索すると、「わからない」「求める」「見つける」といった予測変換キーワードが出てきます。それだけ多くの方が悩んでいる課題なのでしょう。

そもそも、人間の「楽しい」という感覚は人それぞれの主観でしかありません。「こうすれば楽しくなりますよ」と一概に言えるような言葉は見当たりません。

 

それでも、ここでは「仕事の楽しさとは何か」をあらためて考え、「つまらない」を「楽しい!」に変えていく対処法についてまとめてみました。

 

2人のエンジニア

同じ会社に、「同じ年齢」「同じような学歴」「同じようなスキル」を持っている2人のエンジニアがいると仮定しましょう。

 

Aさんは「仕事がつまらない」と感じ、毎日を何となく過ごしています。よくため息をつき、「今日も会社かぁ。嫌だなぁ」などと思っています。満員電車に疲れ、会社でもやる気が起きない。退社時間が待ち遠しい。「はぁ、今日も疲れたなぁ」と自宅に戻り、ビールをあおって、風呂に入って、寝る……という毎日です。

一方のBさんは「仕事が楽しい」と感じ、毎日を充実した気持ちで働いています。通勤時には本を読み情報を集めたりしているので、満員電車を苦とは感じていません。会社に着いたら「よしっ! 今日も頑張るぞ!」とやる気とともに仕事を開始。仕事が楽しいので、「こうしたらもっとよくなるかも」と自然と新しいアイデアが生まれ、意欲満々です。その結果、周囲からの評価も上々。

 

あなたなら、どちらでありたいですか?

 

 

 

同じ環境のはずなのになぜ…?

なぜ、このような感じ方の違いが生まれるのでしょうか?それは、「環境や仕事の問題」…というよりも仕事に対する「捉え方や感じ方の違い」が引き起こしているのです。

だって、AさんもBさんも、同じ環境で働いているのですから。。。

 

もちろん、業務内容や関わっている人たちの違いはあるでしょう。けれども、「職場環境」「仕事内容」「上司」が悪いと何かのせいにしても仕方ありません。

ここでは、そうした「◯◯のせいだ」と詮索していくのではなく、仕事が楽しくなる可能性を追求してみませんか?

 

 

 

「やる気がみなぎってきた」話

同じ仕事の繰り返しにウンザリしていたCさんは、あることを境に「仕事にやりがい」を見い出しました。ある日、顧客から相談を受けていたときのこと。それはいつもとは違う突発的な内容で、マニュアル外の対応をする必要がありました。とても大変ではありましたが、Cさんはそこに「仕事の楽しさ」を感じることができたと言います。

これを機に、Cさんは (仕事に限らず) 今までの人生の中で「楽しかったなぁ」と感じたことを思い出し、その共通点は何かを考えてみました。すると、決められたことを手順通りにやることは好きじゃないけれど、「自分の頭で考えると楽しい」…ということに気づいたのです。

 

 

それからCさんは、仕事の中で「自分の頭で考える仕事はないか」とあれこれ探し始めました。すると、「業務の流れが曖昧なマニュアル」や「もっと改善できる仕事の流れ」などがあることに気づき、それらをよりよくできないかを考え、自分の意思で改善を始めていったのです。

Cさんいわく、「単純作業が好きな人もいるでしょうが私は苦手。それよりも、自分で考えることの方が好きです。そういう資質なので、私の場合は自分で考える仕事の方が楽しいと感じます。」

 

自分が「苦手」「嫌い」と感じることを意思の力でなんとか努力し、乗り越えようとするのは非常に疲れます。それよりも、自然に『楽しい』と感じられる仕事をやっていけたら幸せですよね?与えられている職場環境は変わりませんので、そこには何かしらの工夫が必要です。

仕事で幸福を得るために、工夫することに注力してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

うまくいかなかった過去…

仕事には「大変なこと」「悔しいこと」「思い通りにならないこと」がたくさんあります。そんな時、ビジネス書を読んでみると、「嫌なことでも真剣に取り組めば次第に得意になっていく」「その結果、成果が出てくるし、悩みや迷いが消え仕事が楽しくなってくる」などと書かれていたりします。

うーん、、、確かに正論ではありますが、正直ちょっとしんどいですよね。「それができたら苦労しないよ。それができないから困っているんじゃないか」と思う方もいることでしょう。

 

実際のところ、「嫌い」「苦手」な仕事を得意にするのは簡単なことではありませんし、その域に達するまでやり続けるのは結構大変なことです。闇雲に「目標を持て」と言われても、自発的な動機がなければ相当難しいものです。

内的な衝動が起こらないまま頭の中で考えた目標は、行動に対する動機付けが起こらないため長続きしません。一方で、「目標がないワタシって……」と悩んでしまったりします。つまり、過去の啓蒙書などに書かれている解決策は、「できる人はできるけれどできない人も多い」もの。。。

 

 

 

「仕事が楽しい」ってどういう状態なの?

「楽しい」は主観です。「私 (本人)」が感じる (相対的ではない) 絶対的なフィーリングでもあります。このことを前提に、「成功する仕事の楽しさを見い出す方法」を考えていきましょう。

まずはじめに、「自分は何を“楽しい”と感じるんだろう?」と深く考えてみてください (ときに何年もかかってしまう作業でもあります)。

 

 

とはいえ、これでは「解決」になりにくいので、以下に2つのことを提案します。

 

①  過去に「仕事で楽しいと感じたこと」を探す

「どうせ仕事なんてつまんない」「仕事が楽しいと思ったことは一度もない」・・・これでは何の解決にもなりません。いつまで立っても負の平行線のままです。少しだけ前向きになって、積極的に「仕事で楽しいと感じたこと」を書き出してみましょう。

 


②  「仕事」と「日常生活」に共通する“楽しい”と感じることを探す

仕事から一旦頭を離して、人生における楽しみについてじっくり考えてみましょう。趣味・娯楽・スポーツなど、日常生活の中で「楽しい」「面白い」「嬉しい」「ワクワクする」と感じることを細かく分解してみましょう。その後、共通点を見い出すことができれば万々歳です。

 


 

例えば、あなたの仕事がエンジニアで、趣味が山登りだとしましょう。仕事はつまんない。けれども、山に登っているときはすごく楽しい。一見すると、山登りとエンジニアの仕事には何の関係性もないので、双方に共通する楽しさを見い出すことはできそうにありません。

けれども、山登りで感じる楽しさを細かく見てみると、「工程の計画を立てる」「山の専門知識を身に付ける」「登っている最中は無心になれる」「登り切ったときの達成感」など、“楽しい”と感じる「要素」がいろいろとあるわけです。

 

そのいくつかの、例えば、「計画を立てる」「専門知識を身に付ける」「目標をやり遂げるときの達成感」といった項目が、仕事の中にも見い出せるかもしれません。

 

 

 

無理に「楽しい」と思い込む必要はありませんが…

確かに、「仕事は『嫌なもの』でしかない」と感じてしまう人が少なくないのも事実です。それ自体は悪いことでもありません。それだけ、「嫌な思い」「苦しい思い」をしてきたということでもあるでしょう。

けれども、どうせ同じ時間を過ごすなら「楽しい方がいい」と私は思うのです。

 

もし、仕事が嫌なことばかりで「楽しみ」などみじんも考えられない状況であれば、仕事からちょっと離れて「楽しい」感覚を実感することから始めましょう。 趣味でも、映画でも、好きなテレビ番組でも、何でも構いません。まずは腹の底から笑ってください。

その中から「楽しい」と感じる「要素」を見つけてみましょう。

 

 

さらに、過去に仕事で体験した「楽しい」を思い出すことができればしめたもの。そこに何かヒントがあるに違いありません。もちろん、無理に「仕事は楽しい」と思い込む必要はありません。

これまで、仕事で嫌な思いをしてきたあなたに、「(大嫌いな) 仕事にだって、楽しいと思えることが一つくらいはあるよ」と、楽しさを感じる「許可」を与えるだけで構いません。そうすれば、仕事に期待感を抱きつつ、新しい年を迎えることができるでしょう。

 

 

 

「楽しい」と感じることを探し応用してみよう

ダメ元の気持ちで結構です。騙されたと思ってまずは「どんなときに楽しいと感じるのか」を探し、知ることから始めてみましょう。やり方はとても簡単です。

 

①  「楽しい!」と感じることを箇条書きする

これまでの人生の中で、「楽しい」と感じた経験を思いつく限り書き出してみましょう。仕事でも、仕事以外でも何でも結構です。

 

 


②  分析してみる

「何に楽しいと感じるのか」を細かく分析してみましょう。例えば、「車が好き」でも「(具体的に) 何が好きなのか」は人によって様々です。「ドライブ」が好きな人もいれば、「車をいじる」のが好きな人もいるでしょう。

さらに、「車をいじる」を分解すれば、「洗車」「メンテナンス」「カスタマイズ」など、様々な楽しいと感じる「要素」があるでしょう。また、ひと言で「メンテナンス」といっても、「自分で行う」「組み立てる」など、様々な要素があるはずです。

 

③  「楽しい」と感じる要素を仕事にも活かせないか考える

趣味と仕事は異なります。でも、「何をするか」は異なっていても、「楽しい!」と感じる要素は (あなたの中で) 共通している場合が多いのです。それを仕事に生かせないかじっくり考えてみましょう。

 

 

 

まとめ

大切なのは、「なるほどね」で終わらせないことです。コーヒーでも飲みながら、紙とペンを取り出して考えてみてください。なぜなら、仕事を「楽しい!」と感じる能力は全ての人に備わっているものなのですから。

「つまらない」と思う背景には、「◯◯できたらもっと楽しいはずなのに…」という肯定的な思いがあるからなのです。ものごとがうまく行かないときは、ついついネガティブな思いの方に引っ張られてしまいがちになります。

 

仕事のつまらなさを誰かや何かのせいにしたり、「あ~あ、つまんないなぁ。転職しようかなぁ」などと考えてしまったり・・・しかし、転職したからといって仕事が楽しくなる保証はありません。

それならば、「環境」「仕事」を変えるよりも、「捉え方や感じ方」の方を変えてみてはどうでしょうか。あなたが「楽しい」と感じるものを仕事に生かせないか考えてみてください。そして、小さなことからでいいので、「今すぐできること」を始めてください。

そうすれば、今の環境の中で少しずつ、仕事が楽しく感じられるようになるでしょう。