うつ病の予防・改善に効果的な食べ物と悪化させる食品
うつ病の発症には食生活や運動が深く関係しています。
一般的にうつ病は、セロトニンやアドレナリンなどの神経伝達物質不足が原因と考えられており、抗うつ剤の多くはこれらを増やす作用を持っています。
しかしセロトニンは、
「脳に入るための入り口を通れない」
「口から摂取したセロトニンは脳に届かない」
「だからセロトニンの摂取だけでは意味がない」
などとも言われています。
ではどうすれば良いのか?
一説には、「セロトニンの材料と言われるトリプトファンを積極的に摂取せよ」とのこと。
薬物治療も必要ですが、毎日の食事でもうつ病の予防・改善が期待できるのであれば、積極的に「トリプトファン」とやらを摂取していきたいですよね。
今回は、うつ病に「良い食品」「悪い食品」をまとめてみました。是非参考になさってくださいね。
まずはNG食からどうぞ!
「食べる物が体を作る」と言いますが、体だけでなく、心の方も食べ物に左右される一面があります。
そこでここでは、「うつ病」に悪いとされる食品をみてまいりましょう。
■「摂っちゃダメ」1:人工甘味料
“カロリーゼロ”を謳う炭酸飲料などによく使われている人工甘味料は、脳内で “幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンの分泌をブロックする働きがあります。
さらに悪いことには、脳の働きを悪化させるのです。炭酸ソーダ水などを多く飲むことで、不安障害や不眠、頭痛などの原因にもなるので気をつけましょう。
■「摂っちゃダメ」2:精製・加工食品
パン、パスタ、シリアル、ケーキ、クッキーなど、精製小麦粉や砂糖を使って加工した食品を食べることで血糖値はグーンと上がります!
一瞬元気になったような錯覚も起こりますが、実は、その後血糖値が急下降した時にイライラしたり、気分が落ち込んだりしてしまうそうです。
これらの食品をよく食べているというあなた!気分の浮き沈みが激しくなっていませんか?
また、糖分を多く含む食品は脳をはじめ体全体に炎症を起こし、うつにつながる確率が高いそうです。十分気をつけましょう!
■「摂っちゃダメ」3:トランス脂肪酸を含む食品
フライドチキンなど揚げ物や、マーガリンなどに使われることの多い部分水素化油脂(トランス脂肪酸)。美味しいですよね〜♡
でも、これらを食べると血管が詰まりやすくなり、脳への血液循環が悪化して、うつになる確率が高くなるんです。高コレステロールや心疾患へも繋がってしまうのです!
■「摂っちゃダメ」4:高塩分食品
高塩分食品の摂り過ぎは世界の死因第5位!
醤油を多用する和食派には絶対に欠かせない食塩ですが、しかし、高塩分食品は神経の働きを妨害しうつの原因となるようです。さらに、免疫機能を乱して疲労感を強くしたりもするのです。
料理の際は薄味を心がけ “減塩”を実践しましょう。
■「摂っちゃダメ」5:アルコール
お酒好きに禁酒しろと言うのは酷というものですね。もちろん、適量の飲酒は健康にも良いので禁酒する必要は全くありません。
ただ、アルコールは「人間の思考回路を制御する中枢神経系の働きに悪影響を与える物質」だということは覚えておきましょう。
ほどほどに!
心の働きに関わる脳内神経伝達物質は栄養素によって作られています。つまり、良い栄養素を適切に補っていく食習慣を維持することが大切なのです。
① ビタミン
ナイアシンやビタミンB6、亜鉛といった栄養素は、セロトニン・ノルアドレナリン・ドーパミンといった神経伝達物質を合成する過程に必須であり、不足するとうつなどの症状を起こしやすくなります。
■ビタミンB6を含む食物
魚・バナナ・ニンニク・生姜・玄米・豆類など
■ビタミンB3を含む食物
レバー・肉・魚・落花生など
② ミネラル
ビタミン同様、ミネラル不足はうつ病のリスクを高めます。ミネラルは亜鉛と鉄分から摂取できますので、以下の食材を参考に意識的に摂取しましょう。
■亜鉛を多く含む食物
カキ・ウナギ・牛肉・レバー・大豆製品など
■鉄分を多く含む食物
レバー・赤身の肉・魚介類・海藻・青菜類・納豆など
③ アミノ酸
冒頭で触れた「トリプトファン」。ようやくここで出てきましたね。
うつ病患者にはある栄養が不足していると指摘されていますが、その中の1つが必須アミノ酸のトリプトファンだそうです。
そもそも、毎日一定量を摂取する必要があるとされるアミノ酸。日本人の殆どは摂取不足だと言われています。そこで、「トリプトファン」を含む食物を積極的に摂取するよう心がけましょう!
■トリプトファンを含む食物
大豆食品(納豆、豆腐、味噌汁)・豆乳・バナナ・卵・ゴマ・ナッツ類・ヒマワリの種・乳製品など
いかがでしたか?
うつの原因はもちろん食品だけでなく、睡眠を十分にとっていない、ストレス、タバコなど、様々なものが考えられます。
「毎日暗い気分から抜け出せない……」という場合には、まず食や生活習慣を見直し、改善するところから始めるとよさそうですね。