だるさが残る悪質な睡眠を改善させる方法
就寝時間、睡眠方法、光に当たる時間、日中 & 夜の過ごし方、食事、入浴法など、日常生活のあらゆることが睡眠の質に大きく影響してきます。
あなたは良い睡眠が取れていると思いますか?
睡眠の質を高めると、健康や美容に良いだけでなく、意欲や集中力が高まり生活が豊かなものになります。「睡眠をしっかりとっているのに疲れがとれない」という方は、この記事を参考に活力に満ち溢れた毎日を送れるよう励んでみてください。
質の高い睡眠を構成する3要素
① 睡眠時間
質の高い睡眠を得る基本は「十分な睡眠時間」にあります。適切な睡眠の長さは個人差があるため一概には言えませんが、一般的には7時間前後が良い、1.5時間の倍数が良いなどと言われています。つまり、ベストは7時間半です。
それでも、若い人ほど睡眠時間を多く必要とし、高齢になるにつれて少なくなっていく傾向があります。このことから、80代の高齢者であれば4~5時間の睡眠でも十分な事が多いようです。
結局のところ、何時間眠るのが最適かは人によって異なります。日々の睡眠時間と心身の疲労具合を確認して、自分に最適な睡眠時間を見つけておきましょう。
② 睡眠の深さ
次に、睡眠の深さも大切です。十分な睡眠を取っているはずなのに疲れがとれないという方は、浅い睡眠になっていることでしょう。
私たちの睡眠は、
- 浅い睡眠(レム睡眠)
- 深い睡眠(ノンレム睡眠)
を交互に繰り返しています。この両者が適切な割合で出現するのが質の高い睡眠です。反対に、「浅い睡眠の割合が多くなっている」場合、質の低い睡眠ということになります。
③ 目覚め
3つ目は目覚めです。いくら十分な睡眠時間が取れて睡眠の深さが十分だったとしても、目覚めが悪いとそれだけでアウト!
しっかりと睡眠を取るために
① 就寝前に副交感神経を活性化させる
私たちの身体には、心身の様々なバランスを自動的に調整してくれる「自律神経」があり、このバランスを整えるためには規則正しい生活が大事です。
(自律神経には、緊張の「交感神経」とリラックスの「副交感神経」があります)
健常な人の場合、日中は交感神経が活性化し、夜になると副交感神経が働き「休息モード」に入るようになっています。このバランスが崩れると眠りが浅くなり、日中の活動にも支障が出るようになってくるのです。
夜に交感神経が活性化してしまうと脳が興奮してしまうため眠りに入りにくくなり、入ったとしても浅い睡眠しか得られなくなります。
このような状態を防ぐためには
- 日中に交感神経を活性化させる
- 夕方以降はなるべく副交感神経を活性化させる
ことを意識した生活が大切です。
寝る前には、
- アロマを炊く
- 適温のお風呂に入る
- リラックスできる音楽を聴く
- 軽くストレッチをする
といった副交感神経を活性化させるような活動をするようにしましょう。
② メラトニンを出す
メラトニンは脳内から分泌される物質で、同じく脳にある「メラトニン受容体」に作用することで脳を自然と眠りに導きます。つまり、このメラトニンを適切な時間帯に十分量出す事ができれば、質の高い睡眠が得られるのです。
では、どのようにすれば分泌されるのでしょうか?
それは、必要最小限以上の光を浴びないようにすればよいのです。就寝前は、あまり明るい場所にいない方がいいということですね。当然、PC、テレビ,スマートフォンなどはNGです。
また、メラトニンは日中に適度な運動をすることで夜に分泌されやすくなることがわかっています。
③ 刺激物を避ける
ずばり、ニコチン・アルコール・カフェイン・騒音・異臭・強い光・香辛料・寒暖の刺激・悩み事…といった刺激物を寝室にまで持ち込まないよう心がけましょう。
そして、ただ睡眠時間を増やすだけであれば睡眠薬は有効ですが、睡眠の質を高めるという目的の場合、睡眠薬は必ずしも正解ではないということを覚えておきましょう。
④ 必要以上に寝ない
なかなか眠れない方は、「少しでも長く横になっていよう」と考え長時間寝床にいる傾向があります。しかしこれはかえって生活リズムを崩してしまい、眠りを浅くさせてしまいます。
・ (本当に) 眠る時にだけ寝室を使う
・寝室で本を読んだりしない
これらは不眠症に対する認知行動療法でも使われている技法です。
夏でも湯船に浸かる習慣を ☆
猛暑の夏は、キンキンに冷えたビールが本当に美味しいものですよね〜!でも、飲みすぎると身体が冷えて胃腸の働きが低下してしまいます。そうなると、就寝までに食べたものが消化されず、アルコールとのダブルパンチで睡眠が妨げられてしまうんです。
その代わり、といっては何なのですが、質の良い睡眠のために取り入れたいのは「のんびりと湯船に浸かる習慣」です。
特に夏場はシャワーだけで済ませる人が多いのですが、暑くても湯船に浸かって体を温めるようにしましょう。そうすれば体温が一時的に上がり、その後、急降下するタイミングで入眠スイッチが入って深い眠りにつけます。
お湯の温度はぬるめの38~40℃にして、15~20分ほど肩まで浸かるのがポイントです。就寝の1~2時間前に入浴するのが理想です。
見直したい寝具 ☆
寝具、特にマットレスの硬さと枕の高さは慎重に選びたいものです。マットレスは、一般的にはスリムな人は柔らかめ、体重の重い人は硬めが良いとされています。首から腰にかけて自然のS字カーブを保て、寝返りがスムーズにうてるかどうかを確認しましょう。
また、枕の高さは首がすっと伸びて呼吸がラクにでき、首にシワが寄らないことが大切です。日本人は高すぎる枕を使う傾向が強いようです。一度チェックしてみてください。
そして、寝具とともに見直したいのが寝室の環境です。緊張を和らげるために、リラックスできるベージュなどの淡い色を選びましょう。鮮やかな赤、オレンジ、黄色などはもってのほかです。
照明も同様で、寝室に向くのは温かみのある暖色系の明かりです。就寝に向けて照明を落として薄暗くしていき、就寝時には部屋を真っ暗にすると熟睡できます。逆に、照明やテレビをつけっ放しで寝ていては脳が休まりません。
睡眠時無呼吸症候群は大丈夫?
以上のことを心がけ、それでも改善しない場合は…
睡眠時無呼吸症候群が疑われます。
例えば、イビキをかく人は空気の通り道(気道)が狭くなり、血液中の酸素が減少し、脳が十分に休めていないことが考えられます。仰向けに寝ると舌が落ちて気道を塞いでしまうので、横向きかうつ伏せで寝てみましょう。
ひどいイビキがある人は、途中で何度も呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群を起こしている可能性もあります。この場合は医療機関で適切な治療が必要になるので要注意ですよ!