末期ガン患者の”最期の決断”

 

40歳の秋。「胆管ガン」のAさん (女性) は放射線治療を打ち切って、生後10か月の息子と共に家でクリスマスを迎える決断をしました。末期ガンで手術が難しい状態。家族や友人たちの前では「絶対病気に打ち克つからね!」と笑顔を見せつつ、息子の誕生日用に20年分の手紙をしたためたのです。

「ホスピスに入って安らかに最期の時を過ごす」という選択肢もありましたが、「今まで通り、変わることなく楽しく過ごしたい」と死の2日前まで仕事をし、周囲に明るい笑顔を残してあの世に旅立っていったのです。

 

 

Bさん (40代男性) は突然、「余命2ヶ月」「末期の膵臓ガンです」と宣告されました。普通なら尋常ではないショックを受けるところ、Bさんは傍目には元気に「最期まで今まで通り過ごす」ことを決断したのです。

そのことを誰にも告げず、死の数日前まで普通に働き続けていました。そして告知から約2か月後、充実していたけれども短かすぎた人生に幕を閉じたのです。

 

 

「息子が成人するまで自分は生きられない。限られた時間の中でたくさん笑って楽しい思い出を作っていこう」と考えたAさん。「最期の瞬間まで、精一杯自分らしく生きたい」と考えたBさん。

今この瞬間にも、多くの末期ガン患者さんたちがそれぞれの人生を精一杯生きていらっしゃいます。

 

 

「膵臓ガンと診断されてから1年以内に死亡するのは80%。つまり20%の人は1年後も笑顔でいられるってこと。生還する人だって少なくないんだ。」

「末期ガンだからって泣いてばかりいちゃダメ。人生を楽しんで、病気に打ち勝ってみせようじゃないか。」