オシッコを我慢して起こり得る病気・症状

 

私たちの身体は、膀胱に溜まった尿がある一定の量を超えると尿意をもよおすようにできています。仕事中、あるいはデートや睡眠時など、様々なシチュエーションで「オシッコをしたい」衝動にかられてしまうわけですが、排尿は脳でコントロールされているため、反射的に尿が出て失敗することはまずありません。人間だもの。多少の我慢は必要です。

とはいえ、たとえば車で高速道路を走っている時にサービスエリアが全然ないとか、我慢の限度を超えそうな時ってありますよね?これって完全に体に悪いような気がしませんか。この我慢、その瞬間だけ体にダメージを与えているのでしょうか? それとも・・・

 

弊害 ① 尿路系にダメージが

「オシッコの我慢は絶対に無害だ」と信じたいものですが、実は、何度も何度も繰り返していると尿路系に損害を与えることになります。膀胱には「尿を溜めて」「尿を出す」役割があるわけですが、過剰な我慢によってその細胞は変化します。より多くの尿を溜めるため、伸びていってしまうのです。その結果、排泄に必要な筋肉が損なわれ、様々な症状・病気を引き起こすのです。尿路感染症、尿路結石、前立腺の炎症、血尿などなど・・・

それだけではありません。もっと酷くなると「排出のコントロール」を失ってしまいい、失禁するようになってしまうのです。そうなると、カテーテルの挿入が必要になってきます。こうしたケースに陥る患者さんは、長時間トイレに行けない仕事をしている人が多いようです。

 

 

弊害 ② 腎不全や膀胱破裂のリスクも

体の構造上、オシッコをあまりできない人もいます。年配の男性は特にリスクが高く、前立腺肥大になってしまうこともあります。それを治療せずに放っておくと、腎不全に陥ることもあります。とはいえ現代の医学は非常に発達しているため、腎不全になる前に薬や手術で前立腺肥大を治療することができます。

オシッコの我慢でもう1つ悪いことがあります。それは「膀胱破裂」。たとえば事故に遭った時などに膀胱がいっぱいの状態だと「膀胱破裂」で緊急手術が必要になります。最後に、男性は我慢によって前立腺炎になりやすいので気をつけてくださいね。

 

 

膀胱炎の予防法

膀胱破裂はさすがにとってもレアなケースなのですが、膀胱炎くらいであれば簡単になってしまいます。これだって症状は結構大変です。そもそも、オシッコを我慢すると尿が膀胱にず〜っと残り、腎臓に戻り、やがて腎臓にダメージを与えてしまうことにもなりかねません。

膀胱は膨れ上がってしまい、だんだん弱っていき、尿を出して空にする力がなくなってしまうのです。この場合、膀胱を空にするために半永久的にカテーテルを入れておかなくてはいけなくなります。1日に何度もカテーテルを尿道から膀胱に通して尿を出さなくてはならなくなるのです。

そんなこと (膀胱炎など) にならないためにも、暴行を適宜空にしておくことを日頃から意識しておきましょう。これが「尿系統を健康に保つ」ための一番の方法であり、膀胱炎の一番の予防法でもあります。オシッコの我慢は、「痛み」「尿意切迫」「尿失禁」などにもつながります。2~3時間に一回は、トイレに行くように心がけてくださいね。

 

 

過活動膀胱

過活動膀胱とは、排尿筋が自分の意志とは無関係に勝手に収縮してしまう異常事態のこと。脳卒中やパーキンソン病などの病気が原因となるケースもありますが、その多くは明らかな原因などなく、突然起こってしまうのです。突然膀胱が収縮し、内圧が上がり、少量でも「尿がたまった」と感じてしまうのです。欧米では多くの患者が治療を受けている病気の一つです。

過活動膀胱になると、突然強い尿意が起こり、もれそうな感覚になったり (尿意切迫感)、1日に何度もトイレに行くようになります (頻尿)。中には我慢できずに洩らしてしまう (切迫性尿失禁) ことケースも。この過活動膀胱がつらいのは、普段の生活がままならなくなってしまう点です。

どこへ行くにもトイレの場所を確認しないと落ち着かなくなりますし、映画や旅行も心から楽しめなくなってしまいます。自尊心が傷つけられ、精神的に参ってしまうことだってあるのです。たかがオシッコの問題…とは片付けられないとても深刻な悩みなのです。

 

 

おわりに

「膀胱が破裂した」というケースは稀ではありますが実際に報告されています (大抵の場合は、破裂する前にオシッコを出すことができるのですが)。そうならないまでも、膀胱に尿を溜める「トレーニング」をしてしまっていることから、膀胱に石ができたり炎症が起こったりしてします。

オシッコをず〜っと我慢することは絶対に不可能です。無理して我慢してしまうと、上述したようなトラブルが起こってしまうのです。大切な臓器の一つ「腎臓」に損傷を与えてしまうかもしれないのです。膀胱の機能に半永久的なダメージを与える可能性だってあります。そうならないためにも、最低4〜6時間に一回はトイレに行くようにしましょう。