パイナップルの育て方 (食べ終わった後の家庭菜園)

 

パイナップルは「南国のフルーツ」なのですが、 スーパーなどで購入してきたヘタ付き丸ごと1個 (食用) を活用して、自宅で簡単に栽培することができます。必ず実がなるとは限りませんが、楽しみながらチャンレンジしてみては?

 

簡単な手順

沖縄などの温暖地域では地植えが可能ですが、一般的には「鉢植え」で栽培します。植え付けは5~8月が適期です。

 

  1. 葉っぱの部分 (ヘタ)を、2~3cm果肉を付けた状態で切り取る
  2. 下葉を5~6枚取り除き、果肉の周辺をそぎ落として芯を出す

 

【ヘタの下準備】

写真のように、下方のヘタ (5~6枚ほど) を剥きます。下から順番に剥いていくと取りやすいです。2~3cmほど茎が見えたら挿し穂の完成です。

 

  1. 1~4日、日陰で切り口を乾かす
  2. 5号くらいの穴あき鉢に鉢底石を入れる
  3. 赤玉土 (小粒)6:腐葉土 2:川砂 2の土、あるいは水苔に苗木を挿す

 

【準備するもの】

 

  1. 水やりを十分にして、1ヶ月ほど明るい日陰で乾燥気味に管理する
  2. その後は日当たりのよい場所で管理する
  3. 1~2ヶ月ほどしたら、春~秋は屋外、気温が15度を下回ったら室内で管理していく

 

基本的には屋外の直射日光がしっかりと当たる場所で育てます。日本では沖縄・南西諸島での栽培が適していますが、室内の暖かいところで育てれば上手に育つことも。北海道での栽培事例もあるんですよ。

 

 

植えた後の管理

(温度管理)

生育の最適気温は24〜30℃くらいで寒いのは苦手です。冬は10℃以下にならない場所で管理してください (15℃を下回ると生育はストップ)。逆に、30℃を超える猛暑日が続いても生育に支障をきたします。甘くて美味しいパイナップルを収穫したいのであれば、生育期間中は常に22℃以上の最適環境で育てなければなりません。

 

(水やり)

パイナップルはサポテンと同じくらい乾燥に強い植物なのですが、春〜夏の成長期には土が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。日の当たるところ、暖かいところで管理することを心がけてください。3年後…パイナップルの実が付いてからはさらに水の必要量が増えます。乾燥には十分注意してください。冬は週1くらいの水やりで冬越しできます。10~13°くらいの気温であれば乾かしすぎない程度に水やりしますが、10°を切る寒さであれば回数を減らし、多少乾かし気味に管理します。暖房を使っている場合は、湿度を保つために葉っぱに霧吹きで葉水するとよいです。

 

(土)

水はけの良い酸性土が適しています。アルカリ性の土で育てると微量要素欠乏症状で枯れてしまいます。パイナップルは高温多湿を好み生育適温が20~30°と高めなので、冬は室内に取り込みやすい鉢やプランターに植え付けましょう。

 

(肥料)

肥料は「緩効性複合化成肥料」を年3回に分けて与えます。冬越しの間は与えないので、5月・7月・9月 (生育期) を目安に3回与えるとよいでしょう。リン酸がやや多めの「緩効性化成肥料」か、「油かす 6:骨粉 4の割合で混ぜ合わせた有機肥料」を施していきます。

 

 

剪定と病害虫

パイナップルは丈夫な果樹で、病気や害虫にかかりづらい強さを持っています。ただ、風通しの悪い環境下にあるとカイガラムシが付くことがありますし、乾燥でハダニが付くこともあります。見つけたらすぐ駆除 (直接引き剥がし or 薬剤散布) が基本です。ちなみにハダニは葉水で防ぐことができます。

また、パイナップルを長く育てていると下方の葉っぱが枯れてくることがあります。そのままにしておくと株が蒸れて病気や害虫にやられてしまうので、見つけたらこまめに取り除きましょう。

 

 

植え替え

鉢植えは根がいっぱいになってしまうので、2~3年に1度、ひと回り大きい鉢に植え替えるのが基本です。写真のように水栽培でも育てることができます。

 

 

3年後のパイナップル

2~4年ほど経つと果実が付きます。5月頃に開花し、その後少しずつ実が育ち、上部にかけて黄色くなっていきます。収穫時期は8~9月頃です。実の3~5割くらいが黄色く色づいたら収穫の目安です (家庭用なら完熟してからの収穫でOK)。香りが強く実が柔らかくなったら (果実のすぐ下の) 茎を切って収穫しましょう。収穫後のパイナップルはあまり日持ちがしないので早めに食べてくださいね。

 

 

おわりに

パイナップルは育て方がとても簡単な果樹で観葉植物にもなります。剪定などの手入れも特に必要ありません。ただし、葉っぱが枯れているのを見つけたら枯れている部分は取り除いてください。また、実がついたら茎が曲がるのを防ぐために支柱を立ててあげましょう。本当に不思議な実の付き方をするので、その姿をあなた自身の栽培で確かめてみてくださいね。最後に。ヘタは尖っていてとても痛いので、葉先を切って管理するのもおすすめです。特に小さなお子さんがいる家庭では葉先を切り取ることをおすすめします。

 

 


最終更新日:2020/06/01