発達障害の独り言!理由を知り適切な対処を!
発達障害者の中には、呪文のような独り言を喋ったり奇声をあげる人がいます。脈略のない言葉を繰り返したりするので、場合によっては外出先で奇妙な目で見られていしまいます。そうでなくても、一緒に住む家族にとってはストレスです。
① 脈絡の無い独り言を言い続ける
② 場の空気や相手の気持ちが全く読めない
③ 思いやりの概念が無い(高熱で倒れても放置され、お水が欲しいと一々言わないと理解できない)
「家族だから我慢しなくちゃ!」と無理して頑張れば頑張るほど、やがて疲弊していきます。苛立って、つい怒鳴ってしまうと自己嫌悪…こうしたストレスから、双極性障害になってしまう家族だっているのです。
あなたは大丈夫ですか?
外出先で、大きな声を出したり、何かブツブツ話している障害者の方を時々見かけます。実際に私が接してきた自閉症や発達障害および知的障害の人たちも、全員ではないですが「独り言を言う」特徴を持つ人がいます。
いったいなぜ、彼らは独り言を話すことが多いのでしょうか? そしてその対処法はどうしたらよいのでしょうか?
いろいろと調べてみました。
自閉症や発達障害の人の独り言には様々な意味があります。
① 頭の中で考えていることを何でも口にしてしまう
普通の人は物事を考えるとき、頭の中だけで考えます。しかし、発達障害の人の中には、考えていることがそのまま口に出てしまうことがあるんです。この場合の独り言は比較的言葉も意味もハッキリしているので、周りで聞いていてさほど迷惑も不思議もありません。
② 自分の世界のことを話している
自分だけの世界に入り、側からは「この人ちょっと変だ」と思われてしまう内容の独り言を口にしてしまうことがあります。この場合の独り言はあまりにも突拍子のない言葉であり奇声的なことも多いので、初めて聞く方はびっくりすることでしょう。毎日聞くことになっても、なかなか慣れるものではありません。恐怖心や違和感を抱いてしまうかもしれません。
③ 気持ちの整理をしている
嬉しいとき、悲しいときなど、思っていることを言葉に出して気持ちを整理している場合もあります。この場合の独り言も、周りの人にとっては意味の分からない言葉だったり、奇声に感じてしまうでしょう。凹んでしまったときには「怒られた・・・」「もうだめだ・・・」などとネガティブな言葉を発し、気持ちを落ち着かせようとすることもあります。
④ オウム返し
自閉症の人の特徴として、話しかけられた言葉をそのまま繰り返して話してしまう「オウム返し(エコラリア)」というものがあります。
これには、「ご飯食べる?」と聞かれると即座に「ご飯食べる?」と返してしまう「即時エコラリア」と、以前聞いた言葉を話す「遅延エコラリア」という2種類があります。
《 同じ言葉を繰り返してしまう 》
自閉症の人は同じ言葉を何度も繰り返してしまうという特徴があります。これは「その言葉が心地よく感じる」「言葉に思い入れがある」「無意識に出てしまう」「言葉で人の反応を楽しみたい」などの理由からです。
こうした、周囲の人たちからすれば「迷惑」と感じてしまう発達障害者の独り言ですが、独り言にもいくつかメリットがあります。
① 言葉の発達につながる
独り言を話す分、話さない発達障害者よりも言葉の発達が良好なようです。独り言を話しているだけでも、呼吸や口・喉の使い方の練習になったり、単語や文章での発語の練習にも繋がります。
② 物事の整理・確認になる
健常者であっても、独り言を言いながら物事の整理や確認をしている場合もあります。
例えば自閉症の子供の場合、その日のスケジュールを確認するかのように何度も何度もその日の流れを話したり、自分の好きなことを何度も繰り返すことがあります。
ほかにも、
- 寂しさや孤独を解消させる
- 興奮した脳を落ち着かせる
- 精神的不安定を改善させる
など、メリットがあることも覚えておきましょう!
(闇雲にやめさせてはダメなのです)
統合失調症やうつ病、認知症などの精神疾患から出る独り言もあります。
独り言は周囲の人から見ると、意味が分からないしウルサイだけと感じるかも知れません。ですが、本人の中では意味のある行動で、これを止められるとストレスが溜まり、別の問題行動やこだわりに発展するかも知れません。
とはいえ、街中やお店など人の多い場所で意味の分からない独り言を言われたり大きな声を出されたりすると、周囲の人から好奇の目で見られたりマナー違反になってしまいます。
独り言を止めさせることは難しいのですが、言ってもいい場所と駄目な場所を教えることは必要な指導になります。初めは、注意された時だけ止めることが殆どですが、成長するにつれ、独り言が少なくなったり独り言を言うのを我慢できるようになります。
公共の場では独り言は控える、自分の部屋では独り言を言っても良いなどのルールを作ると効果的です。何度も指摘するうちに出来るようになることもあります。
ただ、周りの人の様子を伺ったり、その場に合った行動を取る、というのは自閉症や発達障害者にとって苦手なことの一つです。それでも、具体的に「皆がいる場所だから静かにしよう」「大きな声を出すと周りの人がうるさく感じるよ」など声をかけてあげると状況を理解しやすくなります。
次に、
独り言の声が大きい場合には声を小さくするよう促す事も必要です。その都度「声が大きいよ」と声かけをしたり、「シー」「お口チャック」などのジェスチャーや合図で教えてあげる必要があります。
また、テレビのリモコンのように「ボリューム1だよ」などの声かけが有効で理解しやすい場合もあります。直ぐには治りませんが、何度も指導することで徐々に声のトーンを調整できるようになります。
また、
時間の概念を理解できる人の場合は、時計を利用し「決まった時間の間は静かにするように」と教える方法もあります。最初は短い時間から始め、静かにする事ができたらご褒美をあげ、徐々に我慢する時間を長くしていきましょう。
自閉症の独り言には様々な意味があり、頭の中の考えをまとめて整理したり、気持ちを落ち着かせたりと、生活するうえで必要な行動の一つになっている場合があります。精神の安定を図ったり、ストレス解消にも繋がっているのです。
特に、ネガティヴ系の独り言の場合はストレスとの関わりが強く、自己主張系の独り言を言う人はコミュニケーション下手なのです。そのことはきちんと理解してあげましょう!
そうは言っても、やはり独り言はうるさいですし、「やめてほしい!」と願うその気持ち、よ〜くわかります。
私自身、発達障害の母の強烈な独り言に日々悩まされ続けていますから。。。
当然、独り言自体を止めさせるのは難しいのですが、少しずつ学んでもらうことで、徐々に独り言の声の大きさや頻度を少なくすることが出来るようにはなります。
無理に止めさせるとストレスが溜まり、他の問題行動が出る場合もありますので、様子を見ながら慎重に、徐々に指導を行っていく必要があります。
ほかにも、
- (独り言を聞かなくて済むように) 耳栓をする
- 飴やガムなどを食べてもらい、物理的におしゃべりしにくい状況を作り出す
- (独り言の原因である) ストレスを解消してあげる
など、様々な対処法を織り交ぜていくのがベターではないでしょうか。
独り言発話者のストレス解消に関しては、日記を書いてもらったり、誰かと話をする機会を作ってあげるようにしましょう。旅行など、思い切って環境を変えるのも有効です。
ストレスのドツボにはまりこまないよう、適切な対処法を有効に活用していってくださいね!