破産・借金の原因になり得る「仕手株」と「信用取引」について

 

株式投資は、成功して何億円という大金を手にする人がいる一方で、簡単に損をしてしまう場合も。そこで、リスクとリターンのバランスをきちんと把握し、失敗しない取引をするよう細心の注意を払う必要があるのです。

そこで今回は「仕手株」について簡単にまとめてみました。

 

仕手株について

Aさんは、何日も物凄い勢いで暴騰し続けている株があったので試しに買ってみたところ、その後は数日ストップ安が続き、自由に売買できるようになった時には株価が半値以下になっていました。

このように、何の注目もされていなかったような銘柄がニュースもないままに急騰し、その後暴落するということはよくあります。特定の投資家(集団)が値を吊り上げ、ある程度の水準になると一気に売り抜けて暴落させるケースがあるのです。これを仕手株と言います。

 

 

仕手は非合法な株価操縦のため、後になって捜査が入り逮捕者が出る場合もありますが、急騰相場の最中はそういった事情はさておき、市場の注目や資金が集中し、株価が乱高下しながら上がっていくものです。仕手に限らず、急騰銘柄は売買高が増え流動性が増していること自体が株価の上昇材料として扱われるのです。

そして、頼みの流動性が失われた銘柄からはあっという間に資金が引き上げられ、株価は大幅に下落してしまうケースがほとんどです。含み損が早期のうちに回復することはほとんどありません。

 

 

「コツコツドカン」と失敗しないで!

含み損が拡大していくばかりの銘柄を「いつかは株価が戻るはず」と保有し続け大損してしまった。そんな方も少なくないことでしょう。「よしっ、ならば他の銘柄で取り返そう!」と思っても、そう上手くはいきません。

ちなみに、少しずつ積み重ねた利益を一度の大損で吹き飛ばしてしまうことを「コツコツドカン」と言いますが、こうした言葉ができるくらい多くの方が「コツコツドカン」で失敗しています。

 

「マーケットの動きと自分の判断がずれている」と間違いを認めるのはつらいことですが、優れたトレーダーは局面をしっかり見極め、早い段階で損切り(ロスカット)をし、次のチャンスを伺います。

マーケットは、自分にとって都合のいいようにばかりは動きません。そこで、含み損を引っ張らないよう心がけ、損小利大の取引を心がける必要があるのです。

 

 

破産や借金の可能性もある「信用取引」

現物取引や信用取引の買建てでは、万が一投資先企業が倒産してその株が無価値になったとしても、損失は最大でも投資額の全額と手数料等までに限定されます。ただし、信用売りのポジションについては株価の上限が青天井であることから、理論的には損失も青天井です。

特に時価総額の小さい銘柄では、長期で空売りの玉を保有するのはリスクが高いため、控えたほうが良いでしょう。業績の上方修正が一度入ると、数日にわたってストップ高が続き空売りの返済が困難になるなど、大型株ではほとんど起こり得ない事態が起きてしまうことがあるからです。

 

また、買建ての場合は証券会社から投資資金を借りるため金利がかかること、売建ての場合には株を借りることになるため、貸株料と臨時の金利である逆日歩の支払いが必要になるなど、コスト面での負担が日々発生することにも意識を払うべきです。

このように信用取引は、自己資金以上のリスクを伴ってリターンを狙いにいくレバレッジ取引なので、利用する際は現物取引を行う時以上に相場の動きに敏感になるべきです。ただし、うまく使えれば武器になることも併せて認識しておくとよいでしょう。

 

 

株で破産する4つのパターン

株で破産するパターンは、例外ケースを除けば原則的に以下の4つしかありません。「損切りを怠ってしまう」「資金管理ができていない」「特定の銘柄だけに投資してしまっている」「失敗を取り返そうとする」

裏を返せば、「損切りをしていればセーフ」ですし、「収支バランスをしっかりと理解し、資金管理ができていればセーフ」ですし、「分散投資のリスクヘッジができていればセーフ」ですし、「ムキになって負けを取り戻そうとしなければセーフ」とも言えるでしょう。

 

一度の損失は失敗でないことをきちんと理解し、損失を取り返さない姿勢が重要だということを肝に銘じておきましょう。株のプロも6勝4敗が関の山というデータもあるくらいですからね!

最高の破産予防は投資顧問の利用だとも言われています。どうしても不安な方は、株のプロの助言を受けると良いでしょう。