腸内環境を整える生活習慣と気をつけたい腸の病気について
腸は小腸と大腸に分けられます。小腸はさらに十二指腸・空腸・回腸に分けられ、主に栄養素の吸収を行なっています。一方の大腸は、盲腸・結腸 (上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)・直腸に区分され、水分の吸収と排せつ物の貯蔵を行なっています。
それ以外にも、腸は異物やウィルスなどから体を守るために免疫機能を働かせるなど、健康を守るために大きな役割を果たしているのです。「腸は第二の脳」とも呼ばれていますが、実は、脳に中枢神経系があるのと同様、腸には「腸神経系」が備わっています。
この2つの神経系は、互いに影響を与えながら働いているって知っていましたか?
難しいことはさておき、ここで覚えておいてほしいことはただ一つ!腸内環境が悪化すると脳の働きに悪影響を及ぼす、ということです。
逆に、脳がストレスを感じると腸は影響を受け、下痢・便秘などが引き起こされるのです。つまりは、腸が健康であることこそが全身の健康のためにも非常に重要なのです。
排便をチェックすることで腸の状態を知ることができます。理想的な便は、下痢でも便秘でもない黄褐色の便が毎日一回出ることです。
腸内には100兆個…ともいわれる膨大な数の腸内細菌が存在しています。ビフィズス菌に代表される「善玉菌」、「悪玉菌」、そして、食べ物や体調によってどちらにも傾く「日和見菌」の3種類になります。
健康な人の腸内には善玉菌が多く酸性ですが、悪玉菌が増えると腸内はアルカリ性となり、日和見菌も悪玉菌に傾いてしまいます。こうなってしまうと腸内の腐敗が進み、便秘や下痢、肌荒れなど、様々な不快な症状が現れてくるのです。
嫌ですよね?悪玉菌に占拠されてしまった腸なんて…
というわけで、排便の具合から自身の体調を知り、善玉菌が優勢に働き、免疫力を高めてくれるよう、食事や生活習慣などをもう一度見直すことから始めてみましょう。
善玉菌を保ち、悪玉菌を増やさないようにするには、善玉菌を増やす食事を摂ることが大切です。
・ヨーグルトなどの乳酸菌製品
・豆製品
・ごぼう
・アスパラガス
・さつまいも
・オクラ
などは善玉菌のエサになるので積極的に摂りましょう!
さらに、腸内環境を整えるためにはウォーキングなどの適度な運動も重要です。反対に、ストレスや過度の飲酒は悪玉菌の増殖に繋がってしまいます。人は加齢とともに自然と悪玉菌が増えてきます。
基礎代謝量も徐々に減少していく中で、若い頃と同じ食習慣・生活習慣を送っていては悪玉菌が喜ぶばかりです。年齢に応じて食事の内容を変えることも大切です。
同時に、過激なダイエットで大幅にカロリーを制限すると、便となる食物繊維の量も減ってしまうので便秘になりやすくなります。ダイエットを行う際には、野菜・果物・食物繊維をバランスよく摂り、腸内環境を整えることを絶対に忘れないでくださいね。
近年、女性のガン死亡率のトップは大腸ガンです。その理由は「食生活の欧米化」「生活習慣の変化」「慢性的な便秘」などとされています。
つまりは腸内環境が汚くなってしまっているわけです。「腸内の腐敗」…
それでも、 大腸ガンは早期に発見し適切な治療さえすれば治る確率の高いガンとも言われています。ただ、初期の頃は自覚症状があまりなく、また、中高年になると加齢とともに便秘や下痢などになることが多くなるため、不調を深刻にとらえず、そのまま放置しておくケースが見られます。
そうやって手遅れにしてしまわないためにも、定期検診は重要です。40歳を過ぎたら2年に1度は内視鏡検査を行うのが理想ですが、最低でも5年に1度は自分の腸の状態を把握しておきましょう。
内視鏡検査ではポリープを切除することも可能なので、検査と治療が同時に受けられるというメリットがあります。また、検査では腸内洗浄されるため、悪玉菌が少なくなり、善玉菌が増えやすい環境に変わります。
なので、最低でも検査後2週間くらいは徹底してビフィズス菌の入ったヨーグルトなどを毎日食べるよう心がけましょう♡ 腸の健康は全身の健康につながりますので、腸をきれいにするためにできることから始めてみてくださいね😀