胃潰瘍の原因と気をつけるべき食事
胃潰瘍は、胃酸が何らかの原因によって胃粘膜まで消化してしまい、胃壁がただれて傷つき、ひどい時には筋肉までえぐってしまった状態です。
症状の特徴としては、みぞおちから左にかけての鈍い痛み。痛みの程度は人によって様々で、全く痛みを感じない人もいるようです。また、胸焼けや酸っぱいゲップ、吐き気などを伴うこともあります。
(黒褐色の血を吐いたり、黒い便が出るときは、胃が出血を起こしている可能性があります)
では、胃潰瘍を発症する原因にはどのようなものがあるのでしょうか。以下、「原因」と「気をつけるべき食事」についてみてまいりましょう。
① ピロリ菌
ピロリ菌は、胃の中に住む悪玉菌のことで、ピロリ菌に汚染された食べ物や水の摂取により感染します。50代以上だと8割を超える人が感染しているとも言われています。
ただし、衛生環境が整った現代、感染率は1〜2割程度なので、若い方はあまり心配ないでしょう。気をつけなければならないのは、1度感染すると除菌しない限りは胃の中に生息し続けるということ。
感染した人皆が胃潰瘍になるわけではありませんが、ピロリ菌が作り出す物質によって胃粘膜は傷つけられ、胃潰瘍になりやすいのです。普段から胃に負担をかける生活をしていると、ピロリ菌が原因で胃潰瘍を引き起こす可能性がグーンと高くなるのです。
② ストレス
ストレスが直接胃に刺激を与えることはありませんが、自律神経が乱れることによって胃にダメージを与えてしまいます。
ストレス ⇨ 胃酸アップ ⇨ 胃の粘膜を刺激
③ 食生活の乱れ
不規則な食事や暴飲暴食も胃潰瘍の原因になります。よく噛まずに食事をしたり、早食いしたりすると…「頑張って消化しないと!」と胃酸が過剰に分泌されてしまうのです。
また、熱いものや冷たいもの、塩辛いものや香辛料などの刺激物を大量に食べ過ぎるのも胃に負担をかけてしまうため、控えるようにしましょう。
④ 喫煙・飲酒
タバコを吸うと胃酸の分泌が増え、胃の粘膜を傷つけてしまいます。またアルコールは、胃粘膜の血流や消化液などに影響を与え、胃に障害をもたらします。胃潰瘍を防ぐためにも、喫煙や飲酒はほどほどにした方がよいでしょう。
⑤ NSAIDs
NSAIDsとは鎮痛薬の一種で、解熱・炎症・痛み抑制に用いられる薬ですが、胃に負担をかけてしまう副作用もみられます。服用し、胃に異常を感じている方は、かかりつけの医師に相談してみましょう。
胃潰瘍になった場合、食生活の改善は重要なポイントとなってきます。暴飲暴食をやめる、刺激物は摂取しない、消化によい食材や調理法を心がけるなど、胃に負担をかけないことが大切なのです。
① 規則正しい食習慣を!
毎日規則正しく、ゆっくりとよく噛んで食べましょう。早食いや暴飲暴食はもってのほかですよ!
また普段から、消化のよい食材を選んで食べることも大事になってきます。例えば、青菜やにんじん、じゃがいも、りんごなどの食物繊維の多い野菜や果物、脂肪分の少ない白身魚や鶏ささみなどが挙げられます。
消化を助ける調理法は、「食材は小さく切る」「柔らかくなるまで火を通す」「油は少なめにする」といったことです。知っておくとよいでしょう。
② 刺激物は避ける!
味の濃い食事は胃酸の分泌を促進させるためNGです!また、極端に熱い食べ物や冷たい食べ物、辛みの強い香辛料などは胃の粘膜を刺激するため、食べ過ぎには注意しましょう。
また、コーヒーなどに含まれるカフェインも刺激物となるので、飲み過ぎには注意が必要です。さらに、アルコールは少量なら胃の働きを活発にしてくれますが、飲み過ぎると胃に大きな負担をかけてしまいます。
③ 高脂肪・高タンパク食の摂取量は控えめに!
脂肪分やタンパク質の多い食事を摂ると、消化時、大量の胃酸を分泌させることになってしまいます。結果、胸焼けなどの症状が…
なので、胃の調子が悪い時はこれらの食材を控えた方がよいでしょう。
良くない食材・・・脂身の多い肉、煮豆、まんじゅう、漬物、塩辛、酢の物、柑橘類など
胃に優しい食事・・・お粥、煮込みうどん、ヨーグルト、バナナなど
いかがでしたか?
近年は医学が進歩し、お薬で簡単に治りますのでご安心を!やせ我慢、、、だけは絶対にしないでくださいね!少しでも「あっ、胃潰瘍かも…」と思ったらすぐに病院へ行き、お薬を処方してもらいましょう。
ただし、薬を飲んで「やった〜!ヤッホ〜!良くなった〜!」と思い込み、服薬をやめた途端に再発してしまうこともあるのでご注意を!
まれに、胃がんが隠れていることもありますので、検査はとても重要になってきますよ。
ともあれ、普段からよく噛んで食べ、ストレスを溜め込まないようにすることが胃潰瘍はおろか、その他のあらゆる病の予防に繋がります。
健康に気をつけながら、日々楽しんでまいりましょうね ☆