ものもらいの「語源」「方言」と「治療方法」を知ろう
コンタクトレンズを使い始めたら「ものもらい」ができてしまった!という方がいるかもしれませんが、それは取り扱い方法が悪いだけ。汚い手が原因でコンタクトに雑菌が付着し、感染からの「ものもらい」…となる場合もあるのです。
ものもらいの治療中は、できれば患部を休ませるためにもメガネに切り替えましょう。そして、清潔を意識して日常生活を送りましょうね。
ものもらいの語源と方言
「ものもらい」の正式名称は「麦粒腫」(ばくりゅうしゅ) と言います。そしてその語源は、どうやら「ものをもらうと治る」…という迷信から来ているようです。
◉ 「三軒の家から米をもらって食べると治る」(福島県東白河郡)
◉ 「よその家へ乞食に行くと、めこじき(ものもらい)が治る」(岐阜県土岐市)
つまり、共通語形「ものもらい」や地域語形「めこじき・めばちこ」などの語源は、「これを治すために人からものをもらう」という無薬の治療行為と結びついて生まれたようです。
そして、呼び方は地域によって多種多様なのです ↓
◉ ものもらい : 青森県 / 秋田県 / 岩手県 / 山形県 / 福島県 / 茨城県 / 栃木県 / 群馬県 / 埼玉県 / 千葉県 / 東京都 / 神奈川県 / 新潟県 / 富山県 / 山梨県 / 長野県 / 静岡県 / 島根県 / 佐賀県 / 鹿児島県 / 沖縄県
◉ めっぱ : 北海道 / 群馬県
◉ ばか : 宮城県 / 岩手県
◉ めいぼ : 滋賀県 / 京都府 / 山口県 / 徳島県 / 愛媛県 / 福岡県 / 宮崎県
◉ めばちこ : 大阪府 / 兵庫県 / 奈良県 / 和歌山県 / 岡山県
◉ めぼ : 三重県 / 広島県 / 香川県
◉ めぼう : 高知県
◉ めぼいた : 鳥取県
◉ めもらい : 石川県 / 福井県 / 長崎県 / 大分県
◉ めんぼ : 岐阜県 / 愛知県 / 三重県
◉ おひめさん : 熊本県
◉ その他の方言 :
いもれ、おきゃくさん、おともだち、おでき、おひめさま、でんぼ、のめ、のんめ、ばが、ほいど、ほいどっこ、みんでえ、めかいご、めかご、めけご、めこじき、めこんじき、めっぱち、めっぱつ、めばちく、めぼいと、めぼら、めぼろ、めまんじゃ、めんちょ、めんぼう、ものむらい、もらいもの、よのめ
ものもらいの治療方法
- 病気などで体の抵抗力が低下している
- 疲労や寝不足で免疫機能が低下している
- 目の怪我や結膜炎などを起こしている
- 汚れた手でまぶたをこするなど不潔な状態にする
以上のようなことが原因で細菌に感染し、「ものもらい」になってしまうわけなのですが、治療方法は大きく分けて2つ!
① 抗菌薬による治療
主に「点眼薬」や「抗菌眼軟膏」が用いられます。症状が重い場合には「内服薬」が用いられる場合もあります。そして、1~2週間で完治するのです。
② 外科的治療 (手術)
さらに症状が重い場合には、小さな切開を行い膿 (うみ) を排出させることもあります。ちなみにこの手術、まぶたに麻酔薬を注射しますが、少しの痛みはこの時だけです。切開をする時はほとんど痛みはありません。手術後は眼帯をしますが、翌日にはもう必要ありません。
つまり、病状によって治療法は若干異なるわけですが、基本的には点眼薬だけで様子を見ます。必要に応じて「点眼薬 + 軟膏」であったり「内服薬」が必要だったりするわけです。
痛みや腫れが引いても「しこり」が残っている場合には、ケロイドなどの治療に効果のある点眼薬や内服薬が使われる場合もあります。また、漢方薬にも効果的な薬がありますので、併用される場合もあります。
ものもらいができている時の注意点
最後に…
- 寝不足は避けましょう!
- アルコールは控えましょう!
- 刺激物もいけません!
- コンタクトレンズも控えましょう!
規則正しい生活が大事ですよ!