「健康長寿」のための食事とお酒【二者択一】

 

生活習慣病や認知症などの深刻な病気に悩まされることなく、元気に長生きすることが多くの人の願いです。ところが「健康神話」には飛んだ勘違いも。誤った健康情報が常識化していることも少なくはありません。

テレビなどでは、『正しいけれど平凡なもの』より『〇〇だけで痩せた!』といったインパクトのある極端な情報ばかりが発信されます。『食べすぎはダメ、飲みすぎはダメ』なんて当たり前の本は誰も見向きはしないのです。

そこで今回は、「面白くない」かもしれませんが、何より健康で長生きすることを念頭に置いて、「健康長寿のための食事とお酒」についてまとめてみました。「食は医なり」です。

 

「焼き肉」か「天ぷら」か?

焼き肉の場合、タレが美味しいからなのか「食べ放題」気分になるからなのか、どうしても食べ過ぎになってしまいます。おそらく、バイキングなどで元を取ろうと考えて理性がなくなり、端から皿に盛って食べすぎになってしまうのです。あとでダイエットしないといけなかったり、病院での治療費などを考えると、かえってお金がかかったりすることも知らずに・・・

というわけで、好きなだけ食べてしまいがちな「焼き肉」よりも「天ぷら」の方が健康長寿のためにはよろしいでしょう。

 

 

「ビール500ml」か「日本酒2合」か?

1日1本のビール (500ml) くらいであれば、健康に良いと言われています。もちろん人にも依るでしょうが、一般的に「酒を飲む人は飲まない人に比べて死亡率が低い」というデータもあるくらいです。

飲酒には、心筋梗塞・狭心症などの虚血性心臓病、脳梗塞などの脳血管障害の予防効果があることもわかっています。とはいえ、適量を超えれば「薬」も「毒」となってしまいます。ビールであれば500ml、日本酒であれば1合までが適量と言えるでしょう。

 

 

「ワイン」か「ウイスキー」か?

「カロリー」や「糖質」のことを考えるとウイスキーや焼酎の方が身体に良いとも言えますが、強度のアルコールが喉や胃の粘膜を痛めてしまうことを考えると「ワイン」や「日本酒」の方が良いかもしれません。ウイスキーの場合、氷を入れて飲むことで胃腸を冷やしすぎてしまいますしね。

というわけで、体重 (ダイエット) のことを全く気にしなくていいのであれば、健康のためには後者の方が断然良いでしょう。ワインにはポリフェノールも入っていますしね。

 

 

お酒のつまみは「ナッツ」か「チーズ」か?

「ナッツ」にも「チーズ」にも、お酒では足りないビタミンを補ってくれる効果が期待できますが、問題は塩分です。いずれも塩分がたっぷりなので、物足りない程度の適量を心がけましょう。

というわけで、この勝負は引き分け!

 

 

シメは「ラーメン」か「牛丼」か?

結論から先に言うと、「ラーメン」も「牛丼」もシメに食べてはダメ!お酒を飲んだ後でラーメン屋に行きたくなる気持ちはよーくわかります。でも、満腹中枢が麻痺している上に普段よりガツンと濃い味を求めてしまいがちな飲酒後はとっても危険!あまりにも「塩分」「脂分」が多すぎます。どちらを食べても寿命を縮める行為になってしまいます。

 

 

翌朝の二日酔い対策には「サウナ」か「グレープフルーツジュース」か?

はじめに、「サウナ」でアルコールが抜けることはあり得ません。アルコールのほとんどは肝臓で分解され、汗で排出されるのはごく微量だからです。そもそも高温で一気に発汗すれば、汗と一緒にナトリウム・カリウム・カルシウムなどの必須ミネラルも排出されてしまいます。

一方で「グレープフルーツ」にはビタミンC・クエン酸などが含まれており、肝臓のアルコール分解を助けてくれます。二日酔いに最適な食材と言えるでしょう。他にレモネードや甘口の梅干しなどもGoodです。

 

 

「休肝日を作る」か「毎日適量」か?

週にたった1日「お酒を飲まない日」を作ったくらいで肝臓が復活するわけではありません。肝臓を休ませるのであれば、最低でも2週間くらい断酒しないと元には戻らないのです。というわけで、「週一の休肝日を設けてその他の日にガッツリ飲む」のであれば、「毎日適量」の方が良いでしょう。せっかく休肝日を作っても、他の日に飲みすぎては意味がないのです。肝臓をもっと大事にしてあげてくださいね!

 

 

おわりに

「何を食べてもどんなにお酒を飲んでも、サプリなどで「血液サラサラ系」のものを摂取したらいいんじゃないの、と思うかもしれませんがそれは大きな間違いです。

例えば、納豆・梅干し・玉ねぎばかりを食べるという極端な食事療法は無意味ですし、「何かを食べれば血液がサラサラになる」ということ自体が間違い!皆さんは、健康系のテレビ番組などに洗脳されているのです。

 

むしろ、「タバコ」「サウナ」「ストレス」「コレステロール」「酒」といった血管が詰まりやすい条件を避けることで血液は元どおりサラサラになります。納豆を食べ続けたら血液がよりサラサラになる…わけではないのです。

要は不摂生 (暴飲暴食を含む) をしなければ詰まりにくい血管・血流に戻すことができますし、健康長寿を手に入れやすくなります (もちろん、遺伝やその他多くの要素が絡んでいることなので一概には言えませんが)。

 

最後に、数多くの信頼できる研究によって健康に良い (脳卒中・心筋梗塞・がんなどのリスクを下げる) とわかっている食品を以下に紹介しておきますね。

ズバリ、「魚」「野菜」「果物」「(玄米・全粒粉) などを使った茶系の炭水化物」「オリーブオイル」「ナッツ類」「ダークチョコレート」「お茶」「コーヒー」「納豆」「ヨーグルト」「豆乳」「酢」です。

 

逆に健康に悪いと考えられているのは、「白米・白いパン・うどんなどの白い炭水化物」「小麦粉」「赤肉 (牛肉・豚肉)」「(ハム・ソーセージなどの) 加工食品」「バターなどの飽和脂肪酸」など。

これらの知識を踏まえた上で、現在の食生活を少し改善させるだけで、脳卒中・心筋梗塞・がんなどの病気を減らし健康を維持したまま長生きする確率を上げることができるのです。

でも、甘いものが大好きな人に「絶対に食べるな!」と強いてしまうと、「幸福感」がゼロになってしまうかもしれません。そのような場合には、幸福度と健康をてんびんにかけて、毎日少量の甘いものを食べるという食事を選択することも合理的な判断でしょう。食事によって得られるメリットとデメリットを十分理解したうえで、何を食べるかを選択すべきだと思うのです。