石原さとみさんに学ぶ「戦争を繰り返さないためにやるべきこと」
「絶対に沈まない軍艦」と言われながら、40発を超えるアメリカ軍の爆弾・魚雷を受け続け撃沈してしまった世界最大の戦艦「武蔵」。。。女優の石原さとみさんは、戦争ドラマ「戦艦武蔵」の中で、武蔵の乗組員だった祖父の最期を知るために四国へと旅立つ主人公を演じました(2016年)。
ちなみに、「戦艦武蔵」は2015年、フィリピンの海底で71年ぶりに発見されました。
「ヤマトは知っていたけれど、武蔵は知らなかったんです」と話す石原さん。本作を通して、戦争にまつわる知られざる事実を勉強できたことに感謝。
「今の自分の年齢よりも下の若い年齢の人たちが戦っていたという事実、帰りを待ちわびていた人たちの気持ちなどを考えると、胸が苦しくなりました。」
そんな石原さとみさんは、ドキュメンタリー番組で元日本兵や被爆者の方々と出会い、戦争体験の継承についてずっと考えてきました。
「戦争のある世の中にしてはいけない。そのために、日本はどういう立場でいないといけないんだろう?」…と。
石原さんが戦争について考えるきっかけになったのは
石原さんは20歳前後の頃に、複数のドキュメンタリー番組を通じて戦争体験者からいろんな体験話を直接聞く機会を得ました。この経験が、石原さんに戦争について深く考えるきっかけを与えてくれたのです。
あるテレビ番組で、フィリピンに潜伏していた元少尉の小野田寛郎さん (2014年に91歳で死去) と旅をした時、「お腹が空いていて目の前に食べ物があったらさとみちゃんはどうする?」「食べたいでしょ?」「殺されそうになったら生きるためにどうする?」「人を殺すと思わない?」と語りかけられました。
「自分だったらどうするのかなぁ。」といろんなことを考えてすごく怖くなりました。そして、「そういうことにならない世の中にしないといけない!」と強く思ったのです。
また、長崎の被爆者が入所している原爆ホームを訪れたこともあります。そこで知り合った女性とはその後もプライベートで会ったらしく。。。
その時石原さんは、「原爆のことを思い出す作業すらつらい人がいるんだ」という話を聞きました。被爆した人たちは、一生その苦しみから逃れることができません。石原さんはこの事実を知り、「(戦争は) なんて残酷なんだろう」と改めて思ったのです。
アメリカ軍には原爆投下に反対する人もいた
2016年、広島を訪問したオバマ大統領はアメリカの立場として、「謝罪」ではなく「追悼」を表明するにとどまりました。
その背景には、当時のアメリカ政権が「日本は侵略民族である」という嘘を宣伝 (プロパガンダ) し、アメリカ国民に戦闘意欲を燃やさせたことがあります。
その後、「アメリカは、破滅的な最終兵器を用いて10〜20万人の民間人 (日本人) を殺さざるを得なかった。」「そうしなければ、100万人のアメリカ兵が死んでいたかもしれないから。」と身勝手な論理を正当化させます。その結果、今もアメリカ人の多くは「原爆は正しかった」と思い込んでしまっているのです。
ただ、当時のアメリカ人の中にも、「非人道的な原爆に大反対」だった人たちもいたのです。もしもその人たちの意見が通っていれば、残虐極まりない「原爆」が投下されることはなかったはずなのですが。。。
戦争を繰り返さないために
現在、世界は相変わらず「自国第一主義者」たちに支配されています。アメリカ、ロシア、中国然り、北朝鮮然り。一方で、日本は軍事費を拡大し続けています。原発を廃止する考えも当面はなさそうです。
喉元過ぎれば熱さを忘れる、でしょうか。
いや、そう簡単に忘れてはなりません。戦争の悲惨さは絶対に忘れてはならないのです。そんな負の歴史をけっして忘れないようにするためにも、石原さとみさんのような若い世代の人たちが率先して「平和」を訴え続けていかないといけないのです。
そのためにも、せめて終戦記念日くらいは「反戦」のドキュメンタリードラマを放映するというのはどうでしょう。こうした一つひとつの努力の積み重ねがあってこそ、「平和」は保たれていくはずなのですから。
「平和」に関する名言
🔵 平和が見つからぬという者は、見つけようとする努力を怠った者だ。 (ヘンリー・ミラー)
🔴 盲目的な愛国心のせいで、現実を直視できないようになってはいけない。どんな人物がやろうとも、どんな人物が語ろうとも、間違ったものは間違っている。 (マルコムX)
🔵 それが正当な怒りであっても、怒りは何も生まないばかりか、あなたから生命力や情熱や精神的平和を奪ってしまいます。 (ジョセフ・マーフィー)
🔴 怨みに報いるに徳を以ってす。 (老子)
🔵 平和は微笑みから始まります。 (マザー・テレサ)