実はフランスにも多い「引きこもり」、社会のサポートが必要です!
「引きこもり」は、しかしながら、家に閉じこもって外で問題を起こすわけでもなく、社会から見えない存在であるため、フランスにおいても正式な人数は把握されていません。
日本では、ひきこもりの「入り口」として様々な「挫折感」あるいは「挫折一歩前の状況」などがありますが、フランスにおいては社会から逸脱するという具体的な「実際のつまずき」が前提にあるようです。
フランスでは他にも、北アフリカからの移民家庭など貧困層の若者が目立ち、薬物やネット依存、人種差別も背景にあるのです。
フランスのテレビ番組では、実際、家にひきこもっている状態の若者やその親が出演し、そこに至るまでの過程を語っていますが、一番多かった理由が「他人とのコミュニケーションに問題があった」ことでした。
・引っ越しで新しい学校に入ったが友達ができず、勉強をする気もなくなり成績もおちて、何もかもが嫌になった
・ある日突然数学のテストで0点を取り、バカにされるのが怖くて学校に行けなくなった
・友達の話に興味が持てず、自分がしていることをからかわれることに耐えきれなかった
・大学まで行ったけど友達にうまく馴染めず、会社の研修でもうまく馴染むことができず、家に閉じこもるようになった
フランス社会では、日本ほどではないにしろ、周りと同じことをすることが求められ、何かあればあからさまにからかわれる (イジメられる) ことが慣習となっています。
いじめられた経験から家に閉じこもりがちになるケースも多く、この番組を見ている限りでは、日本で一般的に認識されている「引きこもり」の原因となんら変わりがありません。
社会の中に「自分の居場所を確立」するために、社会のサポートがどうしても必要です。サポートがない、もしくは足りないからこそ人々は悩み、今に至っているわけで、「引きこもり」に関して言えば、なんらかのサポートが必要なのは日本もフランスも同じなのではないでしょうか?
日本とフランスを比べると、「引きこもり」になる原因は文化的な面から多少異なる部分もありますが、「引きこもり」状態になるということでは同じだと言えます。
いずれにしても、個々それぞれのケースに合わせて解決していくことが重要であり、そのためには「まず誰かに相談すること」が解決への第一歩になるのです。