「知的障害」と「自閉症」(発達障害) との関係性

 

知的障害は、「知的機能や適応行動に制約があり、発達期に生じた障害」と定義されています。噛み砕いて言えば、読み書きや計算など、頭脳を使う知的行動に支障がある状態のこと。

つまり、発達期 (18歳未満) までに生じた知的機能の障害によって、認知能力 (理解・判断・思考・記憶・知覚) が全般的に遅れた水準にとどまっている状態のことなのです。

 

一方で、自閉症は発達障害の一つ。「他者とのコミュニケーションが困難」「こだわりが強い」といった特徴を持つ先天性の要因が大きい障害です。

知的障害も自閉症も明確な原因は未だ不明ですが、様々な原因 (遺伝子異常・環境・出産後の病気や損傷など) によって脳に違いが生じる障害だと考えられています。さて、この二つに関連性はあるのでしょうか。

 

知的障害の分類

知能検査 (幼児の場合は発達検査) を行なって、知能指数が70以下の場合に「知的障害」とみなされます。

 

◉  軽度 (50〜70)・・・本人も周囲もあまり障害に気づかず、普通に日常生活を送れるレベル。知的障害者の8割がこのレベルだと言われています。

中度 (35〜50)

 重度 (20〜35)・・・なんらかの合併症が見られるレベル

最重度 (20以下)・・・多動行為が問題となり寝たきりになるケースも。

 

 

ちなみに、知的障害の判定は18歳未満は児童相談所、18歳以上は施設や相談所などで行います。判定機関は地域によって異なります。

 

 

 

知的障害の特徴と正しい接し方

 理解力・表現力が乏しい

 記憶量が少ない (一度に複数のことを覚えられない)

 幼稚・未熟

 

 不器用

 コミュニケーションが苦手

 注意されるとパニックになることも

 

ほかにも様々な特徴がありますが、ここで大事なのは周囲の適切なサポートです。

 

①  わかりやすく伝えてあげる

②  褒めてあげる

 

この2つが非常に大事になってきます。

 

 

 

知的障害と発達障害の違いは?

発達障害児に知的障害を感じる親が多いと言います。事実、発達障害は脳機能の障害が原因となっており、そのため自閉症の場合は知的障害を伴うケースが少なくありません。つまり、知的障害は発達障害の一つであると言えるでしょう。

 

 

 

 

重複障害の教育は大変

自閉症と知的障害には似たような症状があり、(前述した通り) 自閉症にも知的障害がある場合があります。自閉症の症状もあり、知的障害の症状もある場合は知的障害として認定されるケースが多いようです。

ちなみに、知的障害を伴う自閉症でも軽度で目立たない場合には「知的障害」として認定されません。ただしどちらにも、コミュニケーションが苦手…という特徴があります。

 

参考までに、視覚障害・聴覚障害・平衡機能障害・音声障害・言語障害・肢体不自由・内部障害・知的障害・精神障害の中で2つ以上併せ有する場合を重複障害といいます。

こうした障害が複数重なると、実際の教育現場では指導が難しくなってしまいます。学校にばかり責任を押し付けるのではなく、家族・教師・地域社会がうまく連携していくことが必要になってきます。

 

 

 

治療ではなく療育が必要

医学の進歩が目覚ましい昨今においても、知的障害に対する治療法は未だ存在しません。フェニルケトン尿症や被虐待児などごく一部を除けば、知的障害に対する治療法はないのが現実なのです。

そこで、1人ひとりの子供に応じた療育・障害児保育・言語療法・特殊教育の中で実現していく必要があります。療育手帳を交付してもらい、特別児童扶養手当の受給手続きをとることも大切です。

 

 

さらに、療育を受けることも大事になってきます。言語や身体機能など発達の遅れがみられる子供たちに専門的な教育支援を施すプログラムがあります。これを受けることによって、できることを伸ばしていくことが重要なのです。

知的障害の場合、周りの人よりも「覚え」が少し遅いです。それでも、そんなことで悩むよりも「できることを褒めて伸ばす」ことに注力しましょう。

 

 

 

まとめ

以上述べてきた通り、知的障害 (発達障害の一つ) には様々な原因があります。しかしながら、「どうしてあの人は知的障害なの」「なぜ自分は自閉症なんだ」と悩み苦しむよりも、前を向いて「長所を伸ばす」ことにエネルギーを使うべきだと思うのです。

誰だって命に限りはあります。たった一度の人生、障害にへこたれることなく力強く前進して生きていこうではありませんか。

 

 

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