大人になって診断される「知的障害」/ 仕事の向き・不向きは?

 
知的障害のある方の中にも仕事をされている方は多くいらっしゃいます。その内訳は・・・うまくいっている場合もあれば、(障害ゆえの) 悩みや困りごともあるようです。
 

そこで今回は、

  1. 知的障害で働いている人はどれくらいいる?
  2. 大人の知的障害、いつ診断された?
  3. 仕事の向き・不向きは?

 

についてまとめてみました。

 

 

 

 

☆ 知的障害で働いている人はどのくらいいる? 

 
まずはじめに、知的障害とは「発達期までに生じた知的機能障害により、認知能力の発達が全般的に遅れた水準にとどまっている状態」と定義されています。

発達期とはおおむね18歳までを指し、それ以降に事故や病気などで知的機能が低下しても知的障害とは言わないそうです。

 

内閣府が出している「平成27年版 障害者白書」によれば、障害者の雇用者数は11年連続で増えているようで、平成26年には過去最高の雇用者数となっています (平成26年度の知的障害者の雇用者数は90,203.5人で、前年より7,000人近く増えています)。

ちなみに、0.5人と中途半端な人数になっているのは「重度以外の身体障害者及び知的障害者並びに精神障害者である短時間労働者」を0.5人とするなど法律上のカウント方法があるためです。

 

ハローワークを通じた就職件数も年々増えており、平成26年は過去最高の件数となりました。知的障害のある人の就職件数は前年度比6.1%増の18,723件、新規求職申込件数は前年度比4.2%増の32,313件となりました。

 

 

 

 

☆ 大人の知的障害、いつ診断された?

 

 
一昔前には、発達障害や知的障害など、あまりよく知られておらず、医学的・学問的にも解明されていなかったため、近年、大人になってから医療機関を受診し「あなたは知的障害ですね」と診断される方が増えてきているそうです。

3年前に広汎性発達障害 (PDD)と軽度知的障害の診断を受けたAさん (30代女性) もその一人。

 

Aさんは、物心ついた頃から自分の存在に違和感を感じ続けており、「どうやら自分は他の人とは何かが違うようだ」と自覚していたそうです。そうした状況の中、10代20代を過ごしてきたAさんですが、、、

社会人になり、職場において二次障害でうつ状態となったのをきっかけに、心療内科で上記診断を受けたのです。

 

現在でもそうですが、軽度の知的障害の場合は子どもの頃に症状に気づかず、大人になってうつ病などの二次障害をきっかけに診断を受ける方も多くいらっしゃいます

子どもの頃に違和感や生きづらさを感じていたなどの自覚症状がある方も多いのですが、知的障害は見た目にも判断しづらいことから二次障害を起こすまで気づかない方も多い傾向にあります。

 

「僕は人より理解が遅くて自分でも人より劣ってるなと感じて昔から行き詰っていましたが、20歳を過ぎた頃に思い切って病院で受診し、軽度の知的障害だと判定されました。」

そう語るBさん (20代男性) も、大人になってから「あなたは知的障害です」と診断されました。

 

このように、多くの場合は自ら検査を受けて診断されるケースがほとんどです。たとえ家族や周囲の人たちが気づいていなくても、

「仕事の覚えが悪い気がする」「人が話していることが理解しづらい」などと自ら気づき、専門機関などで知能検査を受け、知的障害と診断されています。

 

 

 

 

☆ 仕事の向き・不向きは?

 

 
厚生労働省の「知的障害児(者)基礎調査結果」によると、仕事をしている人の業務内容で最も多いのは「作業所」で、次いで「製造・加工業」、「農畜産業、林業、漁業」となっています。

作業所で行なう仕事内容は製造や清掃、配達など施設によって異なりますが、作業所には指導員がいるなど働きやすい環境が整っているための結果と言えるかもしれません。

 

これを踏まえた上で、知的障害者の仕事の向き・不向きを考えてみましょう。正直いうと、障害の程度や個性など個人差が関係してくるので一概に言えることではありません。

単純作業が得意な方もいれば苦手な方もいますし、個人の得意・不得意にも影響されます。例えば、職業訓練などを受けてパソコン入力が得意となった方は事務で働いていますし、元々手先が器用な方は衣服を作るミシン業などに就職されている方もいます。つまり、業種や仕事内容は多種多様なのです。
 

 

 

知的障害の人が向いている仕事

一般的な傾向としては

クリーニング業やパン・菓子製造業、清掃業、食料品などの洗浄係などが多い傾向にあります。知的障害のある方の中には「変化が苦手」な方もいるので、その場合は、同じ作業を繰り返す仕事に向いていると言えます。このように、一般的には転勤や人の入れ替わりが少ない環境が働きやすい環境と言えるでしょう。

 

 知的障害の人が向いていない仕事

当然、向いていない仕事に関しても得意・不得意などの個人差が関係してきます。会話を理解するのに時間のかかる方は営業には向いていませんし、計算や読み書きが苦手な方は経理職には向いていません。

 

 


 

こうしたことから、飲食業や販売業も向いていない…と思われるかもしれませんが、明るい性格を活かして接客される方もいらっしゃいますし、接客が難しい場合でもバックヤードで調理や清掃、商品管理などを担当されている方も多くいらっしゃいます。

しかしながら、興味のない業務内容だとモチベーションを保つのが難しいので、まずは「得意なこと」「好きなこと」を探して興味のある仕事を選ぶことが大切なのではないでしょうか。

 

 

 

 

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