「私、発達障害かも?」と思ったらまずやるべきこと
仕事が遅い、空気が読めない、コミュニケーションをうまく取れない、ケアレスミスで叱られる…。「自分には他の人が難なくできることができない。どうして?もしかして発達障害なの?」と思い悩む人たち、実はけっこういるんですよ。
「大人の発達障害」という言葉は近年からの概念ですが、それは、幼少期には気付かず、大人になってから気づく人たちが増えてきたからなんですね。
例えば、発達障害の一つ「ADHD(注意欠陥・多動性障害)」には、「片付けられない」「時間を守れない」などの特徴があり、ネット上で「アスペ」と略されることも多い「アスペルガー症候群」には、「場の空気を読んだり相手の気持ちを理解したりすることができない」といった症状があります。
子供の頃には全くわからなかったけれど、大人になって初めて、社会に揉まれていく中で「あれっ、もしかしたら自分はADHDかもしれない」「恋人がアスペルガーかも」などと感じることはけっして珍しいことではありません。それだけ、予想をはるかに上回る規模で、多くの人たちが何らかの障害を抱えているのです。
では、
「私、発達障害かも?」と思ったらどうすればいいのでしょうか?
実は私の友人に、30歳を過ぎてからADHDとアスペルガー症候群の診断を受けた人がいます。その人はそれまで5回の転職を繰り返していました。「何かがおかしい…」と思い悩んだ末の受診だったそうです。
診断後、生きにくかった自分に合点がいき、以降、前向きな気持ちになることができたと笑顔で語ってくれました。
そこで皆さんにお願いがあります。
「もしかしたら私発達障害かも… 」と思ったら、クヨクヨしないで、勇気を振り絞って、一度診断を受けてみてください。
はっきりさせることで、モヤモヤしていた視界は広がり、くすんだ景色は晴れ渡り、凛とした気分で明日への一歩を踏み出せていけるはずですよ。
もちろん、初めはショックでしょう。受け入れ難い気持ちもあるでしょう。それでも、長い目で見ればきっとプラスに働くはずです。いかなる時も、「真実を受け止め」「長所・短所を見極めておく」ことはとても有効なはずですから。
ここではごくごく簡単に説明させていただきますね。まず、発達障害とは脳機能障害の一種で、注意欠陥多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム(アスペ ルガー症候群)、広汎性発達障害、学習障害(LD)などの総称となります。知的な遅れを伴う人からそうでない人まで広範囲が含まれます。
別の言い方をすれば、発達の仕方に生まれつき凸 凹のある障害とも言えます。そして、一部の症状に限って言えば、服薬などで緩和させることも可能なのです。
「発達障害」に関しては、隅から隅まで詳しい調査が行なわれたわけではありませんし、はっきりしたことは申し上げられないのですが、おそらく、日本人の10人に1人は何らかの発達障害を持っていると考えていいのではないでしょうか。いや、障害というよりも個性という捉え方でいいと思います。
それくらい当たり前のことであり、珍しいことではないのですから。
「何でこんなに 自分はダメなんだろう…」
Aさんは悔しい気持ちでいっぱいでした。
・・・
病院で「あなたは発達障害ですね」と診断されて以降、自分を責める気持ちは幾分か和らぎました。以前のAさんは、とにかくあっぷあっぷしていたのです。
「発達障害の特性のひとつに優先順位をつけるのが苦手というのがあるのですが、私は苦手なりに全部こなさなきゃと、いつもあっぷあっぷしていたのです。」
さらに
家ではモノが散らかり放題…
恋人からは何度も「片付けて!」と叱られ…
「とにかく、今は原因がはっきりわかってホッとしています。彼も私の特性を理解してくれ、最近は叱られることがなくなりました。今の私、とっても幸せです。」
Aさんの場合も、私の友人の場合も、大人になってからではありますが、「自分は発達障害なんだ」ということをしっかり自覚できたことが大きな転機となりました。
「なぜできないんだ?」「どうしてなの?」といったネガティブな気持ちはなくなり、逆に、「これが私の個性」「できないこともあるけれど、強みだってたくさんあるんだ」と胸を張って思えるようになっていったのです。
歴史を紐解いてみると、皆さんもご存知のようにアインシュタインやエジソンだって発達障害でした (…と言われています)。坂本龍馬や黒柳徹子さんだって、スティーヴ・ジョブズやビル・ゲイツだって、みんなみんな発達障害だと言われていますが、自分の才能を活かして社会に大きく貢献していますよね。
そうなんです。
その個性を十二分に発揮し、何か一つでも誰かの役に立つ人生を送れたらいいんじゃないでしょうか。偏見や差別があるとすれば、それはする方に問題があるのですから。
それでは
今日も1日元気に頑張りましょう!