「大人の発達障害」の原因と自己改善トレーニング法
発達障害には「自閉症」「学習障害(LD)」「注意欠陥/多動性障害(ADHD)」「アスペルガー症候群」などがありますが、いずれも基本的には中枢神経系に何らかの要因がある機能不全だと推定されています。
発達障害は、いまや子どもだけの問題ではありません。知的には問題のない大人でも、社会の中で生きる困難さを体験し、ようやく「自分は発達障害かもしれない」と気づくケースが増えてきているのです。
仕事中、1つのことに集中できない、ミスが多い、人とうまくコミュニケーションがとれない。。。そんな人は、もしかすると発達障害の可能性があるかもしれません……。
昨今、社会人になって発達障害と診断される人が急増しているという現実をもっと深刻に考える必要があると思うのです。
そこで今回は、発達障害の原因と考えられる脳機能について簡単にまとめてみました。併せて、「発達障害の改善トレーニング法」も記載しておきます。是非参考になさってくださいね。
まずはじめに、大人の発達障害の症状は、健常者でもあり得る症状を示すことがあるため、専門医であっても診断が困難な場合がある…ということを知っておきましょう。
明確に診断できる医師は少なく、たとえ診断や投薬の指示ができたとしても、一人ひとり異なる症状に対して、なぜそうなっているのか、どうすれば悩みを解決できるのか、きちんと説明してくれるところはほとんどないのが現状です。
しかし近年、MRIを使った脳画像分析により、発達障害にみられる代表的な脳の特徴がわかってきました。
■ 原因は海馬とその周辺の発達の遅れ
「何度同じことをやっても覚えられない」「人との交流が深く発展しない」「自分の感情をうまくコントロールできない」「すぐにキレてしまう」「周囲の環境になじめない」「不器用」「タイムマネジメントができない」「記憶力に不安がある」「自分には心当たりがないのに上司や家族から責められる」……。
発達障害が疑われる人の症状は様々ですが、その主な原因は、海馬の発達の遅れ「海馬回旋遅滞症」にあると考えられています。発達障害はコミュニケーション障害に知的障害を合併することから、海馬とその周辺の成長発達の問題…と考えられるのです。
脳の記憶をつかさどる部位である海馬は、胎児の時から回転しながら発達し、右の海馬が左の海馬より少し速く発達することがわかっています。このとき、左の海馬の発達スピードが極端に遅れることがあり、この遅れが「発達障害」「性格の特徴」「コミュニケーション障害」などを生み出していると考えられています。
現在、「海馬回旋遅滞症」はMRIによって比較的簡便に診断することができるようになりました。これにより、今後は「自分の脳がどういう状態にあるのか」を知り、「これからどうすればいいのか」の対策を立てることができるようになってくるでしょう。
仮に海馬が未発達だったとしても、その周辺の脳を成長させていくことで「海馬回旋遅滞症」をカバーしていけるようになるはずなのです。
まず、海馬及びその周辺神経を鍛えるトレーニングとして、「過去の楽しかった思い出のベスト10を挙げる」「まわりの人にその人の印象を伝える」「自分で自分をほめるノートをつける」などがあります。
■ 気をつけよう!海馬が弱ったら、そのサインとして「記憶力」の低下が見られますよ!
このとき、萎縮して正常に働かなくなっている海馬に対して、無理に「これを覚えなさい」と命令を出したところで、あまり効果はありません。
有効なのは、「思考力」を鍛えることです。例えば、他の人とコミュニケーションを図るなどして情報交換の機会を増やし思考力を強化すると、記憶力を低下させていた海馬の働きも回復していきます。
他にも、「1日の目標を20字以内でつくる」「じゃんけんや囲碁、将棋などでわざと負ける」「寝る前に必ず3つのことを記録する」といったトレーニングがあります。
このような方法で、海馬とつながりのある様々な部分を強化することで、海馬の弱点をカバーできると同時に、海馬自体にもプラスの影響を及ぼすことができます。
以上のように、
自分の長所と短所をきちんと把握した上での「脳トレ」、短所を意識して徹底的に鍛えあげていくことは「海馬回旋遅滞症」の対処に限ったことではなく、脳を成長させるうえで非常に重要なポイントなのです。
皆さんも是非、楽しみながら海馬及びその周辺神経を進化させてあげてくださいね!脳が喜べば自然と心も豊かになり、素敵な笑顔も増えてくるはずですよ😊