(お風呂に入って)温まるとジガジガ(虫がいる感じが)する症状の原因は何?

 

気温が「低い」ところから「高い」ところに移動すると体が痒く(かゆく) なってしまう。そんなことありませんか?温まると出てくる冬の肌の痒み。その原因は2つ考えられます。一つは「肌の乾燥」によるものです。冬は空気が乾燥しているので、体の水分がどんどん蒸発してしまいます。皮膚が乾燥すると、痒みを伝える神経が皮膚の表面まで伸びてきて、外からの刺激で神経が興奮しやすくなるのです。

もう一つは「温熱蕁麻疹 (じんましん)」です。体が温まると痒くなるという点では同じなのですが、温熱蕁麻疹は熱いお湯に浸かると熱で神経が刺激され、興奮して痒みが起こります。痒みと同時に皮膚が赤くなる紅斑 (こうはん) や膨疹 (ぼうしん) という膨らみができる場合があります。ちなみに、冷たい水や氷などに触れると同じ症状が出る「寒冷蕁麻疹」という症状もあります。

 

乾燥肌による痒みの予防

皮膚表面の脂の膜を「皮脂膜」といいます。これが体の中の水分の流出を防ぎ、保湿してくれています。しかしながら、熱いお風呂に長時間入っていると脂が溶け出してしまうので、肌が乾燥してしまいます。というわけで、痒い方は湯船に浸かる時間をできるだけ短くしましょう。また、体をゴシゴシ擦るのもよくありません。石鹸を泡立てて全身を洗うのは週に1回でいいでしょう。ただし、「顔」「脇の下」「お尻」「陰部」「足」などは毎日洗っても構いません。そして、お風呂から出たら保湿用の軟膏かクリームを塗りましょう。油膜ができて、外からの刺激を受けにくくなるので痒みが止まります。

 

 

温熱蕁麻疹の予防

体温の上昇で起こる温熱蕁麻疹は、「お風呂」「こたつ」「ヒーター」などがきっかけで発症します。特に冬場は体が冷えるので、お風呂やこたつで体を芯から温めてしまうとスネや背中など肌が痒くなったりするのです。その原因は「ヒスタミン」という物質です。何らかの原因で放出された「ヒスタミン」が神経を刺激し、痒みを発症させてしまうのです。血管の拡張によって、肌が赤く腫れたり虫に刺されたような跡ができることもあります。

「ヒスタミン」が原因なので、抗ヒスタミン剤を飲むと症状を和らげることができますが、温熱蕁麻疹の場合はあまり熱いお風呂に入らずに体温と同じくらいのぬるま湯に入るといいでしょう。ぬるめのお湯に長時間…体に合った入浴法を心がけましょう。皮膚の体温調節をきちんとし、痒みや蕁麻疹が続くようであれば皮膚科で診てもらいましょう。もしかしたらアトピー性皮膚炎など他の病気の可能性もありますからね。

 

① 肌を保湿する

② 湯船をぬるめの温度にする

③ 痒い部分を冷やす

④ 病院に行く

以上、お大事になさってください。