むずむず脚症候群の症状・原因・治療法【まとめ】

 

「虫が肌を這うような感覚」「いやっ、体内に虫がいる?」…こうした気持ちの悪い症状はいったい何が原因で起こっているのでしょうか?単なる皮膚の感覚異常??

「夜、眠りたいのに眠れない」「意識すればするほど眠れなくなる」「体のあちこちがチクチクする」「何か小さな虫が体の上や中を動き回っているような感覚」・・・そんな経験ありませんか?

 

痒かったり、ムズムズしたり、時にチクっとしたり。。。すぐにそこを掻いたりさすったりするのですが、「虫の動き」はすぐ別の場所に。。。

「もしかしたら乾燥肌なのかなぁ」などと思ってみたりもするのですが、「やっぱり違う!」「何かがおかしい!」と考えているあなた!その病気、もしかしたら「むずむず脚症候群」(レストレスレッグス症候群) かもしれませんっ!女優の菜々緒さんもこの病気に苦しめられています!

 

 

むずむず脚症候群の症状

皆さんは、「むずむず脚症候群」という病気をご存知でしょうか。

高齢者の中には、脚の皮膚がかゆい『皮膚掻痒 (そうよう) 症』といった皮膚科疾患をお持ちの方もいらっしゃいますが、それは単なる脚の表面の皮膚のかゆみです。かいてしまえば症状は治まります。

 

そうではなく、「虫が這うような感覚」がふくらはぎなどの下腿にあるのであれば、それはむずむず脚症候群かもしれません。症状「足の内部が痛がゆい」「火照る」「虫が這うような感じがする」「皮膚がむずむずする」「足が普通ではない変な感じがする」といったもので、いざ病院で診察してもらうと、「原因不明」や「遺伝的要因」などと言われてしまいます。

でも、脚の深部に「むずむず」「ジリジリ」「ぞわぞわ」「チクチク」といった不快症状が現れるので「正直しんどい」です。とてもじゃないけどじっとしていられません。どうしたら改善されるのでしょうか?・・・むずむず脚症候群の場合、どんなにかいても不快症状は治りません。特に夜現れる症状なので、不眠障害に苦しめられることに。。。

 

 

そういえば、狭い車内や飛行機などでじっとしていると「いてもたってもいられなくなる」ことがしょっちゅう。。。これもむずむず脚症候群なんですね。

「脚の不快感で夜眠れない」「座っていると脚をモゾモゾ動かしてしまう」思い当たる人はむずむず脚症候群かもしれません 。有病率は人口の約4%で、潜在的な患者はかなりいると推察されています。

 

 

むずむずのほか、ちりちり、しびれる、痛い、熱い、虫が這うなど、患者さんの感じ方はさまざま。数は少ないですが、おしりや肩、腕、顔など脚以外の部位に起こることもあります。

 

 

 

原因は?

むずむず脚症候群は脚や皮膚の病気ではなく、神経の病気です。ただし、原因はまだはっきりとは分かっていません。

現状、「脳内ドーパミンの機能障害」「神経の機能低下」「鉄分不足」「遺伝」「鉄欠乏性貧血」「慢性腎不全」「関節リウマチ」「線維筋痛症などのリウマチ性疾患」「糖尿病」「クローン病」(妊娠などによる) 「ホルモンバランスの乱れ」などが原因と考えられています。

 

 

また、「月経過多」刺激物の過剰摂取」なども原因となり得ます。ただし、この病気の患者数は絶対的に少ないので、診断できる医師が少ない…のが現状です。受診するなら心療内科神経科になるでしょう (むずむず足症候群は、糖尿病や腎臓・肝臓の病気でも起こり得ます)。

脚を動かしたい」という強い欲求が起きたり、「(特にふくらはぎ付近に) 虫が這っているような感覚」「チクチクとした痛み」「ほてりやかゆみなどの不快な症状」を感じるのであれば、それはむずむず脚症候群の可能性も (必ずしもむずむずとした感覚ではないようで、感じ方は人によって様々です)。

 

 

 

周期性四肢運動

むずむず脚症候群には、「脚を動かすと良くなり、眠るとまた起こってくる」という特徴があります。日本では200万人くらいの人が足のムズムズやイライラを経験しており、不眠の原因になっています。

歩き回ったり足を動かしたりするとこの症状は一時的に消えます。けれど、眠ろうとするとまたむずむず感が出てきます。やっと症状が治まって眠りに就けたとしても、もうひとつの症状『周期性四肢運動』に襲われる場合もあるのです。

 

その症状とは、、、睡眠中に20~30秒間隔で足首をカクッカクッと蹴るようなけいれん。このため再び目が覚めてしまい眠れなくなってしまいます。実は、むずむず脚症候群で悩む人の50~80%がこの周期性四肢運動を合併しているのです。

 

 

 

簡単にできる対処法

繰り返しになりますが、むずむず脚症候群の症状は、寝ている時や狭い飛行機などで睡眠したり脚を動かせないときによく起こります。

「脚を動かしたい!」

 

そう思ったら、体を動かしたり脚を伸ばしたりしてみましょう!また、シャワーで冷たい水をかけたりお風呂で温めたりすると症状が軽くなる場合も。効果の現れ方には個人差がありますので、自分なりの方法を探してみるのもよいでしょう。

ちなみに、原因のひとつ「ドーパミンの機能障害を引き起こす」のは鉄分不足。月経やダイエットなどで貧血になりがちな女性は特に注意が必要ですね。

 

鉄分を摂るには、「ほうれん草やレバーなどを食べる」以外に「サプリを飲む」という方法もあります。この場合、ビタミンCと一緒に摂るとより効果的です。

食べ物だけでなく、鉄の鍋やフライパンで調理をすると効率よく鉄分を摂取することができます。鉄製の調理器具を積極的に活用してみて下さいね。

でも、、、とりあえず、一番即効性があるのはムヒウナクール。スーッとして気分転換にもなりますっ♪

 

 

 

治療法

むずむず脚症候群は命に関わる病気ではありませんが、不快感で眠れなくなったり、ストレスが溜まったりと、生活の質を著しく下げてしまいます。前述の通り、詳しいメカニズムはわかっていないため、完治させるための治療法は存在しないのが実情です。

それでも、以下の非薬物療法 (日常生活の工夫) によって、9割の人が改善すると言われています。

 

〈生活改善〉

   夜は (光や音などの) 刺激を避ける

 症状を悪化させるカフェインは避ける

(夕方以降はコーヒー・紅茶・日本茶は飲まない)

  深酒をしない


  (マッサージなど) 脚に軽い刺激を与える

◉  睡眠時の温度と湿度を快適に保つ

◉  機能性の高い枕とパジャマを選ぶ


◉  食生活の改善

(鉄分が豊富に含まれているレバー、卵、きな粉、煮干し、海藻類、魚介類などを積極的に食べる)

(鉄分の吸収を助けるビタミンCも一緒に摂取)

◉  適度な運動


 

 軽症であればこれだけでも改善しますが、重症の場合は薬物療法を加えます。

 

 


 

〈薬物療法〉

 パーキンソン病に使われるドーパミン受容体作動薬を使用

中等症以上の患者に対しては「プラミペキソール」(商品名:ビ・シフロール) が第一選択となります。これを飲めば、ドーパミン受容体の働きが高まり、症状が改善されます。

 患者の8割に効果あり。ただし、人によっては症状が悪化するケースも。医師と相談の上、薬の調整が必要です。


 (鉄欠乏性貧血の場合は) 鉄の補給を行う

  場合によっては抗痙攣 (こうけいれん) 薬を使用


 

ここまでお読みいただいて、「やっぱり私もむずむず脚症候群かもしれないなー」とお考えであれば、一度 (皮膚科や整形外科ではなく) 睡眠障害専門施設の精神科や神経内科を受診されてみてください。

 

 

 

脳の病変の可能性も…

最後に。

虫を感じる違和感が足ではなく背中や腕であれば、脳の病変の可能性もあります。ないものがあるように神経に働きかけているのです。皮膚の上を虫が這う感覚は統合失調症精神分裂病の症状の1つで妄想でもあり得ます。

少しでも不安を感じたら、一度心療内科精神神経科に相談されてみてください。統合失調症、むずむず足症候群、更年期障害…

 

中には、長期にわたる不眠の結果、うつ状態になって自殺を図ってしまうようなケースも…

いずれにせよ、異常な感覚に襲われ、その原因が分からないというのは大きな不安に他なりません。セカンドオピニオンも含めて、きちんとした専門家の診断を仰ぐべきです。