肺MAC症の疑問 Q & A

 

肺MAC症とは、MAC菌 (結核菌の親戚のような菌) が原因で起こる肺の病気のこと。慢性的な咳がしんどいです。この菌は顕微鏡で見ると結核菌にそっくり。。。だけど、その性質は結核菌よりもずっと穏やかなんです。

結核のような「高熱」「他者感染」…などといったことはなく、ゆっくりとしか進行していきません。ですがその反面、治療の効果が現れるのもゆっくり。。。

 

結核の場合、6ヶ月ほど薬を飲めば完治する傾向にあるのですが、肺MAC症は3種類の薬を4~5年くらい飲み続けなければなりません。

軽症であれば、治療をせずに経過観察のみで済ませることもありますが、いったん治療を開始したら根気よく続けることが大事になってきます。この薬物療法によって進行は抑えられ、肺の状態は徐々に改善されていきます。

 

そして…

どうやら肺MAC症になりやすい体質というものもありそうなのですが、その辺りはまだ研究の途中。解明されてはいません。

そんな不思議な病気「肺MAC症」に対する疑問のいくつかを、以下でみていきたいと思います。

 

 

入院の必要性は?

重症で、「発熱」「ひどい呼吸困難」「血痰や喀血が続く」「治療薬の副作用が激しい」などの場合には入院が必要になります。

ただし、これはごく稀なケースで、ほとんどの場合は外来通院のみで大丈夫です。

 

 

 

なぜ咳や血痰が出るの?

MAC症になると、気管支の壁や周囲に比較的弱い炎症がずっと長く続くため「咳が出る」…と言われています。咳が止まらなくて困ったときは、市販の咳止めを飲んでも大丈夫です。

 

 

一方で、血痰の原因も気管支の壁や周囲に慢性炎症が起こるからです。ちなみにこの血痰は病気の重症度とは関係ありません。薬が効いてくると炎症は治まりますので、血痰が出る回数は次第に減ってくるでしょう。

ただし、血痰が出ている時は安静に!!肺の中の血管が拡張するような「運動」「長風呂」「お酒」などは控えましょう。特に、「庭の草むしり」「雪かき」「お風呂掃除」などはNGですよ!

 

 

 

体重が減るのはなぜ?
体重が減ってしまう理由は複数あるでしょう。100%明らかになっているわけではないのですが、一つには「MAC菌と戦うため体力を消耗する」ことがあるようです。

 

 

 

 

手術するのはどんなとき?

手術をするのは、病変 (肺の中のMAC菌) が1箇所に固まっていて、しかも薬剤が効きにくい気管支拡張や空洞などがある場合です。手術に耐えうる体力や肺機能…なども条件になります。

 

肺の一部を切除することで「肺活量が減るのでは?」と不安に思われるかもしれませんね。確かに、肺活量はその分減りますが、若い方であれば他の肺がまた膨らんできて補ってくれます。

それに、切除する部分はもともとMAC菌に壊されているところですから、肺機能の効率自体はあまり変わりません。ですから、「手術をしないと確実に余命が短くなる」と予想される場合や「喀血が大量持続する」…などの場合には手術をした方が良いでしょう。

 

 

 

肺MAC症で亡くなる可能性は?

肺MAC症が原因で亡くなる方もいますが、そう多くはありません。MAC症は進行の遅い病気ですので、急激に短期間で悪化する…ということは先ずありません。また、肺がん発症のリスクとの関連性もありません。

 

 

 

おわりに

肺MAC症は、今のところ根本的に治せる薬のない不思議な病気です。考えようによっては、「高血圧」や「糖尿病」と同じように一生涯付き合っていく必要のある病気とも言えるでしょう。

幸い、肺MAC症は命の危険の心配はほとんどありません。完全に治らなくても、早くから薬を飲めばあまり困ることなく平均寿命まで元気に過ごせます。

 

欲張らず、細く永く楽しく生きていきましょう。