心疾患ってどんな病気?

 

日本では (欧米諸国に比べると) 心疾患 (虚血性心臓疾患など) の患者数は少ないわけですが、それでも、高齢者人口の増加に伴い増加の一途を辿っています。「心疾患」は3大死因の一つであり、「がん」に次いで死亡率の高い病気です。急性心筋梗塞症の発症者数は年間約15万人。そのうち30%の方が死亡しています。

 

心疾患とは

心疾患とは心臓に起こる病気の総称で、その大部分を占めているのは「虚血性心疾患」です。心筋 (心臓の筋肉) に血液を送る冠動脈の血流が悪くなり、心筋が酸素不足・栄養不足に陥るのです。「不整脈」「狭心症」「心筋梗塞」・・・

 

 

不整脈
何らかの原因 (加齢、体質など) で心臓の脈のリズムが乱れるものを「不整脈」といいます。その多くは心疾患とは関係のない不整脈ですが、中には命に関わる危険なものもあります。たとえば心室全体が痙攣状態になる「心室細動」は突然死の原因にもなり得ます。また、「心房細動」は脳塞栓 (のうそくせん) を引き起こす原因になります。

 

 

狭心症

「狭心症」とは、冠動脈が動脈硬化などによって狭くなり一時的に心筋への血流が不足した状態をいいます。この発作が起こると「胸痛」「息切れ」「呼吸困難」などが起こりますが、その多くは血流がすぐに回復して大丈夫。症状は1〜2分、長くても15分くらいでおさまります。

 

 

心筋梗塞

「心筋梗塞」とは、冠動脈に血栓ができ、完全に詰まり、心筋に血液が行かなくなった状態のことをいいます。胸をえぐられるような強烈な痛みが起こり、狭心症のように短時間でおさまることはありません。心筋への血流が途絶えると、その部分の心筋は壊死します。重症の場合は死に至ることもあります。心筋梗塞の主な原因は「冠動脈の動脈硬化」です。

 

 

突然死の大半は「心臓トラブル」

発症から24時間以内に死亡することを「突然死」といいますが、働き盛りを襲う突然死の半数以上が「心臓のトラブル」によるものです。「急性心筋梗塞」「心臓弁膜症」「心筋症」・・・いずれも心臓を停止させる直接の原因は「心室細動」という不整脈です。

そうなるリスクを少しでも減らすために知っておくべきことがあります。それは、虚血性心疾患の4大危険因子が「高血圧」「脂質異常」「喫煙」「高血糖」だということです。加えて、
「メタボリックシンドローム」を併せ持つと動脈硬化を悪化させ、発症リスクを高めるのです。