がんの三大原因を避けて予防効果アップ!
いきなりですが、癌 (がん) は「早期発見」よりも「予防」の方が大事です!癌を予防するには、「癌にならない」のがベストです (一次予防)。
がん検診は、これに次ぐ「二次予防」にあたります。「がんによる早死」を防ぐ目的で実施されています。つまり、「がんになってしまったけれど、早く治療することで死亡を防ごう」というのが「がん検診」の目的なのです。
しかしながら、実際のところ「がん検診」は思ったほど効果がなく、寿命が延びる科学的な証拠もありません。
ということで今回は、「がん検診」(二次予防) に一生懸命になるよりも、「がんにならないことに力を入れる」(一次予防) にスポットを当ててみたいと思います。
癌の三大原因 ① 喫煙
まずはじめに、「喫煙」は絶対にやめましょう!
なぜなら、がん原因で亡くなった方々の喫煙起因割合が以下の通りだからです ↓
◉ 男性・・・約35%
◉ 女性・・・約6%
つまり、喫煙は健康寿命を縮めてしまう最大の要因であり、「生涯タバコを吸わない」あるいは「吸っていても早く禁煙すること」で、がんのリスクを大幅に減らすことができるのです。
ところで、タバコといえば「肺がん」をイメージする方が多いのではないでしょうか。しかし、喫煙は肺がんだけでなく、「胃がん」「食道がん」「膵がん」「子宮頸がん」「肝がん」などその他の癌リスクを高めることもわかっています。
つまり、喫煙は肺がんだけでなく、「全がん」のリスクを高めてしまうのです。それに、喫煙の害はタバコを吸う人だけでなく、吸わない人にも及びます。いわゆる「受動喫煙」です。さらに喫煙はがんだけでなく、心筋梗塞や脳卒中のリスクをも高めてしまいます。
自分だけでなく、家族や周りの人の健康を守るためにも、やはり禁煙に努めるべきなのです。
癌の三大原因 ② ウイルス & 細菌
タバコ同様、がんの原因として非常に大きいのが「感染」です。男性ではがん罹患の22.8%、女性では17.5%が感染によるものと推計されています。
- 肝炎ウイルス(肝がん)
- ヘリコバクター・ピロリ(胃がん)
- ヒトパピローマ・ウイルス(子宮頸がん)
など。
このうち「肝がん」は、患者の約8割がC型またはB型の肝炎ウイルスに起因するとされています。かつては輸血・血液製剤・注射針の使い回しなどで感染が広がり「薬害肝炎」が大きな社会問題となっていました。
しかし、現代社会において「肝がん」は「薬害」ではありません。「感染」に因るものなのです (今でも65歳以上の100人に1~2人がC型肝炎ウイルスに感染していると推計されています)。
※ 肝炎は、保健所に行けば無料で検査が受けられます。一度くらいは感染の有無を確認しておきましょう。
※ ピロリ菌は、(井戸水ではなく) 上下水道の整備が進み若い人ほど感染率が下がりました。それでも、高齢者の7~8割は感染していると推計されています。
癌の三大原因 ③ 飲酒
実は、男性のがん罹患の原因の1割近くは「過度の飲酒」と言われています。
1日あたり日本酒1合程度の適度な飲酒であれば心血管疾患の予防になると考えられていますが、過度の飲酒は全てのがんの原因になり得ます。呑兵衛の方はできるだけ「量」を控えるよう心がけましょう。
意外と少ない「運動」「食事」「体型」との関係
以上述べてきた「タバコ」「ウイルス」「お酒」以外の要素についても、がんの原因となっている割合が計算されていますが、「身体活動」「食事 (塩分、野菜・果物) 」「体型」に起因する割合はそれほど高くはありません。
たとえば、野菜不足が原因とされるがん罹患の割合は男女ともに0.5%、運動不足で0.3%ほど。
ですから、がん予防の面だけから見ると、むやみやたらに大量の野菜を食べたり、運動やダイエットを頑張る必要はないのです (ただし、野菜不足・運動不足・太り過ぎは他の病気の原因となります)。
というわけで…
三大原因を避けるだけで予防効果大!
以上、① 〜 ③ を避けるだけでかなりの確率でがんを予防できることがわかっていただけましたでしょうか。
そして、もう一つ大事なことがこちら ↓
① 〜 ③ を避けるだけで、がんのみならず、「高血圧」「糖尿病」「心筋梗塞」「脳卒中」「うつ病」「認知症」などなど、様々な病気予防にも通じるのです。
事実、昔に比べるとタバコを吸う人も塩分摂取量過多の人も井戸水も減りました。そうしたことが功を奏して、日本人のがんは減っているのです (高齢社会のため、癌患者が多いように感じてしまう面はありますが)。
ともあれ、以上3つのがん予防法を徹底すれば、男女ともに4割ほどの人が癌にならずに済む…と考えられているのです。
※ 他にも、ストレスの少ない生活を心がけてみたり、環境ホルモン・大気汚染・添加物などに注意してみると効果アップ!
おわりに
子宮頸がんの原因となるヒトパピローマ・ウイルス(HPV)は、性交経験のある女性なら多くが一度は感染するとされています (感染してもほとんどは免疫によって自然に排除される)。
このウイルスによってがんになる人はごく一部。。。とはいえ、「低年齢での性交体験がある」「性的パートナーが多い」「多産」「HPV以外の性感染症に感染している」「喫煙している」といったことが子宮頸がんのリスク要因になることがわかっています。
少しでも気になる方は産婦人科医に相談してみましょう。