強迫性障害と闘う海外セレブに学ぶ「適切な治療」と「改善方法」

 
強迫性障害 (強迫神経症) は、不合理な行為や思考を自分の意に反して反復してしまう精神疾患の一種です。

自分で「つまらないこと」とわかっていても、そのことが頭から離れず、日常生活にも大きな影響をもたらしてしまいます。

 

このような症状を自覚していても「病気ではない」「恥ずかしい」といった気持ちが働き、多くの患者さんはなかなか人に言えず、一人で悩み続けることの多い強迫性障害。

 

 

そこでここでは、そんな強迫性障害に悩む人たちに少しだけ希望を与える記事を書いてみたいと思います。

 

 

 

強迫性障害の原因

自分でも「馬鹿げている」と頭ではわかってはいても、不安や不快な感情が浮かんできて抑えることのできない強迫観念や、そのような考えを打ち消そうとして無意味な行為を繰り返す強迫行為。

このような症状を強迫症状というのですが、この強迫性障害は不安が基礎になっている病気なのです。

 

強迫性障害は神経症の一種でもあるのですが、一般的な神経症の原因とされる心因 (心理的・環境的原因) よりも、脳内の特定部位の障害や、セロトニン・ドーパミンといった神経伝達物質の機能異常が原因と推定されています。

ストレスが原因で発症することもありますが、多くは特別なきっかけなしに徐々に発症していきます。

 

几帳面・完璧主義などの性格の人に多い傾向があることもわかっています。

 

 

 

強迫性障害の症状

強迫性障害と闘う海外セレブに学ぶ「適切な治療」と「改善方法」

 

 

強迫観念や強迫行為と一言で言っても症状は様々です。

 

敵意・衝動・・・「誤って人を傷つけたり殺したりしやしないか」

不潔・汚れ・・・「便・尿・バイ菌などで汚染されたのではないか」

 

回避行動・・・上記の理由で「人に近づけない」「物に触れない」「触ったら何度も手を洗う」

詮索癖・・・「些細なことの理由をしつこく詮索する」

 

疑惑癖・・・「自分のしたことが正しかったか完璧だったか確かめないと気がすまない」

計算癖・・・「物の数や回数が気になって、数えないと気がすまない」

 

などなど。

 

 

自分で確認するだけでは安心できず、家族などにも何度も確認させてしまう巻き込み型と言われるタイプもあり、重症の患者さんに多くみられます。

 

強迫性障害は一般的に慢性化しており、青年期に発症して良くなったり悪くなったりしながら、長期間続くのも特徴の一つです。

半数以上の人は合併症としてうつ病も抱えており、そうなると患者さんの苦痛はより大きなものとなり、自殺などのリスクも高まります。

 

 

 

検査と診断

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強迫症状は、うつ病や統合失調症など、他の精神疾患でもみられるため、それらとの鑑別が必要です。また、脳炎・脳血管障害・てんかんなどでもみられるので、検査 (血液・髄液・頭部CT・MRI・脳波など) が必要になります。

薬物やギャンブルへの依存症も「ダメとわかっていながらやめられない」という点では似ていますが、依存症はその行為に快感を伴うのに対し、強迫性障害では苦痛のみが伴います。

 

 

 

治療法

治療法には薬物療法と精神療法があります。

 

薬物ではSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬:フルボキサミン〈デプロメール、ルボックスなど〉)、クロミプラミン(アナフラニール)、ベンゾジアゼピン誘導体(クロナゼパム:リボトリール、ブロマゼパム:レキソタンなど)が用いられ、症状が重い場合は少量の抗精神病薬も用いられます。有効率は50%前後です。

 
精神療法では、「曝露反応妨害法」と呼ばれる認知行動療法が有効です。強迫症状が出やすい状況に患者さんをあえて直面させ、かつ強迫行為を行わないように指示し、不安が自然に消失するまでそこにとどまらせるという方法です。適応が限られ、まだ専門家が少ないのが難点ですが、薬物と同等以上の効果があると言われています。

 

 

 

アメリカの人気女優アマンダも強迫性障害に悩んでいる

強迫性障害と闘う海外セレブに学ぶ「適切な治療」と「改善方法」

映画『マンマ・ミーア!』や『レ・ミゼラブル』などで知られる人気女優アマンダ・セイフライドさん(30)は、自身が強迫性障害を患っていることを告白しました。

さらに「既に薬の服用を始めて11年が経過している」ことも明かし、断薬する予定もないと語っています。

 

いくつもの症状・パターンがあるとされる病気ですが、アマンダさんの場合は「自分が重病なのではないか」という不安感にとらわれていた (過去形) とのこと。

 

 

「ずっとレクサプロという薬を服用しているの。今後も絶対に服用はやめないわ。」

「19歳の頃から飲んでいるから、もう11年になる。服用するのはごく少量よ。服用を止める意味はないと思っているわ。偽薬だろうが何だろうが、服用を中止することでリスクをおかすのは嫌なの。」

 

アマンダさんの場合は、いわゆる“疾病恐怖” という症状が強いようです。

 

 

強迫性障害が原因で、自分の脳に腫瘍ができたと思いこんでしまったアマンダさん。しかし、MRI検査では全く問題なし。その後精神科医を受診し、セラピーを受け、薬を服用するようになったそうですが、その甲斐あって今は症状もずいぶん軽くなっているとのこと。

 

「ええ。年齢を重ねるごとに、そういう思考や不安はずいぶん減ったわ。自分の不安が事実に基づくものではない。そう知ると、うんと楽になれるわよ。」

 

 

 

最後に

強迫性障害の治療をめぐる状況は、この10年ほどで大きく前進し、適切な治療を行えば回復が期待できるようになってきました。

薬物療法と認知行動療法を併用すると改善効果が上がることもわかっています。ただし、症状の程度も現れ方も人によって様々なので、治療法や効果の具合も人によって異なるのです。

 

いずれにしても、自己判断などはせず、専門医の適切な指導のもとで時間をかけてゆっくり改善させていきましょう。

 

精神疾患については「気おくれして受診しにくい」「人に知られたくない」というお気持ちもあるでしょうが、アマンダさんはこう話しています。

「そう感じる必要などない!」

 

セラピーを受けることで、状況は徐々にではありますが、確実に改善されていきます。目に不調があれば眼科に行く、虫歯になったら歯科に行く。それと同じことなのです。

 

ちなみに強迫性障害に悩むセレブは多く、アンジェリーナ・ジョリーの元夫ビリー・ボブ・ソーントンや、ドナルド・トランプ、キャメロン・ディアス、チャーリー・シーンなどもこの病気による不安感に悩まされているといいます。

 

 

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