ナポレオンの「栄光と挫折」人生 ④ 雨のち晴れ!
皇帝ナポレオン生誕の地コルシカ島は現在、「美の島」「地中海に浮かぶ最後の楽園」などと称され、バカンスに大人気のリゾート地です。
素晴らしい風景、歴史建造物、楽園のような砂浜…
照りつける太陽とどこまでも青い海が旅心を刺激します。
一度訪れたら誰もがその美しさを絶賛し、再訪を願わずにはいられない島、コルシカ…
しかし、帰省していたナポレオンは再びフランスへ渡らなければなりません。
(母さんを残して行くのは辛いけど…)
(まだまだ僕は勉強しないといけない)
(せめて、母の暮らしを少しでも楽にするため弟を連れて行こう)
19歳のナポレオンは、13歳の弟ルイを連れフランスに戻ります。ナポレオンはルイにお肉やパンをたくさん食べさせます。
「兄さんは食べないの?」
「いや、僕はお腹いっぱいだ。ルイ、全部食べてくれ。」
しかしルイも賢い子です。兄さんの給料が少ないことは知っています。お互いが相手のことを気遣う優しい兄弟愛。
軍隊では、士官たちは以前の王様の政府を良しとしていました。ナポレオンだけが新しい政治の味方です。
革命で混沌とした状況の中、捕らえられていたルイ16世がフランスを捨て外国へ逃げようとしたことでフランスはまた大混乱となります。
(フランス人同士が殺し合いをするなんて、何て悲しいことだろう)
ナポレオンは考え込みます。そしてまた、ルイを連れコルシカへと戻ります。
コルシカに戻ってきて半年ほど経った頃、ナポレオンはコルシカ兵に捕らえられていました。悲しいことに、コルシカでも人々の考えは二つに分かれ、争っていたのです。
ナポレオンは、イギリスに頼りコルシカを独立国にしたいパオリ派に捉えられていました。
(こんな小さな島を国にしたってみんなが幸せになれるわけがない)
ナポレオンはパオリ派に反対でした。
どんなに熱心に説明しても、島の人々はわかってくれません。ナポレオンは、愛するコルシカの人々を敵にしなければならなくなったのです。
ナポレオンの家は焼かれ、母は林の中で眠り、何とか逃げのびましたが、もうボナパルト家の人々は愛する故郷に住むことができなくなりました。
(なぜこんなことになってしまったんだろう…)
小さい頃からコルシカを愛してきたのに、この島から逃げ出さなければならないとは…
ナポレオンは悲しくて胸が張り裂けそうでした。こうして、家族みんなで小さなボートに乗り、フランスへ渡っていくしかなかったのです。
24歳のナポレオンはまた軍隊で働くことになりました。今度は、母や弟、妹たちを養っていかなければなりません。苦しい生活が始まります。半年ほど経った頃、フランス政府に反対する反乱軍と、それに味方するイギリス軍の攻撃が始まります。フランス軍はまごまごするばかり。
フランス軍 vs 反乱軍 & イギリス軍
(フランス軍はなんてまぬけなんだろう)
ナポレオンはがっかりです。今のフランス軍の上層部は戦争のことを何も知らないのです。それもそのはず、新しい政府ができた時、有能な将軍たちは皆やめさせられていたのですから。
そんな不甲斐ない状況の中、ナポレオンたち若い士官たちは腹を立てます。「もう我慢できない!俺がやる!」
ナポレオンは砲兵隊を集め、イギリスの軍艦に大砲をぶっぱなちます!どどーんと浴びせかけたのです!これにはイギリス軍もフランスの司令官もビックリ!
フランスの司令官が安全な場所で指揮をする中、ナポレオンは危険を顧みず、昼夜を問わず戦場で戦い続けます。こうした激戦の末、フランス政府軍はなんとか勝利を手に入れたのです。
もしこの戦争で負けていたら、また元どおりのフランスになっていたことでしょう。。。この戦争での活躍を正当に評価されたナポレオンは、若干25歳でついに将軍となったのです。
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