不妊治療をする妻に言ってあげたい一言
普通の夫婦生活が2年以上あるのに子どもを授からないことを「不妊」といいます。
現代の日本において、不妊に悩むカップルは10組に1組。そんな中、わが子を授かるために不妊治療を選択するカップルも少なくありません。
医学の進歩や生殖医療の発展により、数年前までは諦めざるを得なかった多くのカップルが、子どもを望めるようになってきているのです。
しかし、「子どもは授かりもの」と言わんばかりに、自然妊娠を理想に掲げ、不妊治療に誤解や偏見を持つ人たちがいるのも事実。。。
そういった中で治療を受けるカップル、特に女性の方は強いストレスにさらされることが多々あります。
結婚するや否や、「お子さんは?」「子どもはまだ?」と周りに聞かれ、結婚後しばらくして子どもがいないと、姑や舅や親戚に「早く孫の顔が見たい」「子どもはまだか?」と催促され、ついには、後に結婚した友人夫婦が先に子供を授かったり・・・。
そんな妻に対して、夫はどういう態度を示すべきなのでしょうか?
子供のできない夫婦の会話でありがちなのが、
妻「ごめんなさい。お父様もお母様も孫の顔を早く見たいでしょうね…」
夫「大丈夫だよ、気にしないで。自然にまかせればいいんだ。焦らなくてもいいさ。」
しかし、女性の中には「子どもを授かることはとても大切なこと」だと思っている方が多いのです。男性よりも、妊娠・出産・子育てを「人生の大切な仕事なんだ」と思う傾向にあるのです。
辛いですよね。
では、妻が不妊治療を受けている、あるいは、長い間子どもを授からずに苦しんでいる時、一番近くにいる夫には何ができるのでしょうか?
①妻の話をちゃんと聞く
妻が落ち込んでいたり、治療で辛そうなときは、ひたすら話を聞いてあげましょう。この時大切なのは、絶対に妻の話に反論したり、意見やアドバイスをしないこと。
妻はただ、夫に話を「聞いてもらいたい」だけなのです。この時、具体的な解決策を出して欲しいわけではありません。
「じゃあ治療をやめたら」は絶対にタブーです。
「うんうん」「そうだね」と相づちをうち、とりとめのない話でも妻の気持ちが落ち着くまではひたすら聞き役になりましょう。
「聞くだけ」という行為は、いつも話し合いで解決する性分の男性からすればかなり苦痛だとは思いますが、不妊に関しては「妻が一番辛い思いをしている」と考え、とことん付き合いましょう。
妻が弱音を吐けるのは夫であるあなただけなのです。是非、心の安定を取り戻せる場所になってあげてくださいね。
②妻と共に治療を受けている気持ちで
男性側に原因がない場合、どうしても妻の治療のことには細かく頭が回らなくなります。でも、女性は辛いのです。不妊治療は精神的にも肉体的にも苦痛を伴います。
例えば、体外授精の場合なら、一週間ほど毎日筋肉注射を打ち、卵巣に針を刺して採卵し、培養した胚をチューブで子宮に戻します。
(採卵を無麻酔で行う病院だってあるのですから)
治療前後にピルやホルモン剤を処方されることもありますが、薬が強すぎたり合わなかったりすると「頭痛」「めまい」「吐き気」などで苦しめられます。
そういったつらい治療のことを、男性の皆さんには是非わかっていただきたいのです。他人からの心ない言葉で傷つくことも、治療がうまくいかないことで精神的に打ちのめされることも、全て知っておいてもらいたいのです。
そういうことがわかってさえいれば、夫にできることは明白です。妻に「孤独」を感じさせないこと。
もし、仕事の都合がつくのであれば、妻の通院に付き添いましょう。通院の関係で妻が疲れきっている場合には、さりげなく家事をしてあげましょう。
また、処方された薬にどんな副作用があるのかを調べておけば、妻の体調が悪かったりイライラしている時に「副作用かな?大変だな」と、余裕を持って接することもできます。
③治療に失敗したら夫婦で気晴らしをする
不妊治療は長引くことが十分予想されます。「また今回も失敗だった」とわかったときは、その都度激しく落ち込むことなく、夫婦仲良く気晴らしをするように決めておきましょう。
治療から少し離れ、治療のことを忘れられる時間を作るだけでいいんです。
我が子を強く望む人にとって、特にそれが女性の場合、プレッシャーや自己嫌悪感は相当なものがあります。
しかし、子供を授かるかどうかは運命なのです。
マザーテレサのように、社会や他の誰かに貢献することがこの世に生を受けた意味なのかもしれませんよ。
そんな妻に降りかかる「子どもはまだか?」という声は、夫であるあなたが全力でシャットアウトしてあげましょう。
そして、こう言ってあげましょう。
「君と二人きりで居られることが僕にとって一番幸せなんだ」
「愛しているよ」と…